ものづくり補助金平成30年度製造業佐賀県

切断効率化システムと自動切断機械の導入で屋外グレーチング市場に新製品投入

株式会社シマブン

この事例のポイント

  • 鋼材の切断は受注後に紙ベースで計算し、アングルカット機で目盛りを目視しながら手動で行っていたため、手間と時間がかかっていた。
  • 高強度樹脂グレーチングの受枠製作を自動化するため、2つの設備を導入した。
  • 寸法の計算間違いや切断時の寸法間違いなどのヒューマンエラーを防止でき、従業員の負担は激減した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社シマブン
所在地佐賀県 三養基郡みやき町
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数40人
資本金2,000万円
設立1966年

事業の背景

水回りの環境整備に使われる塩化ビニル製の樹脂グレーチングと受枠を製造・販売しており、樹脂グレーチングは全国でも上位のシェアを持っている。従来の樹脂製グレーチングは汚れやすく、車両などの重い荷重には耐えられないため、屋外用としてはプール周り程度の利用に留まっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力鋼材の切断は受注後に紙ベースで計算し、アングルカット機で目盛りを目視しながら手動で行っていたため、手間と時間がかかっていた。
  • 品質・精度樹脂グレーチングの増産には切断寸法の精度確保と歩留まりの向上が必要だったが、受枠は誤差±0.1mmでの加工が求められ、対応が難しかった。
  • 人手・技能切断作業は機械のくせを知り尽くした従業員に頼っており、切断と溶接を兼任する従業員がいて作業負担が大きかった。

やったこと

高強度樹脂グレーチングの受枠製作を自動化するため、2つの設備を導入した。1つ目は、自動計算された受枠製作指示書を切断用データに変換するソフトウェアの「切断効率化システム」で、鋼材から指定枠サイズを何本取れるかを最適に計算する。2つ目は「パンチプレス」で、パソコンとタッチパネルで切断データを読み込み、指定寸法に切断する。両者はネットワークやUSBメモリで連携し、作業者は鋼材をセットするだけで切断できるようにした。受枠は蓋のボルト穴との取り付けに誤差±0.1mmの加工精度が必要である点を踏まえ、切断寸法の精度と歩留まりの改善を図った。

ソフト切断効率化システム
加工機パンチプレス

新しい製品・サービス:ポリアミドを使用した高強度樹脂グレーチング

事業の効果

寸法の計算間違いや切断時の寸法間違いなどのヒューマンエラーを防止でき、従業員の負担は激減した。最適計算により端材ロスも最小化できた。機械のくせを知る従業員に頼らず、鋼材をセットするだけで誰でも高精度な切断ができるようになった。切断と溶接を兼任していた従業員は溶接に集中でき、受枠の生産性が向上し、翌日発送などの短納期発注にも対応できるようになって顧客からの高評価につながっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    樹脂グレーチングを主軸とし、高強度樹脂品を新製品として位置付けている点は読み取れるが、経営戦略上の位置付けを示す具体的記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    樹脂グレーチングで全国上位のシェアを持ち、他社屋外用金属品との差別化や耐荷重2~4倍という強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    切断寸法精度と歩留まりの課題を明示し、切断自動化で翌日発送の短納期対応につながったと成果を具体的に述べている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額の増加や賃上げの目標値は記載がなく、生産性向上の定性的な成果のみがうかがえる。

  • 事業を進める体制3

    切断と溶接を兼任していた従業員が溶接に集中できたとあり、人員の配置は読み取れるが体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高強度樹脂グレーチングの特徴や、希少な生産企業であること、顧客からの依頼集中などニーズと選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    課題と設備導入による解決の流れは書かれているが、スケジュールや中長期の検証内容は記載がない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    グレーチング市場は小さく、高強度樹脂品を生産できる会社は希少で、同分野で高付加価値の製品を展開している点が書かれている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    地域波及や雇用創出への言及は乏しく、国が補助する積極的理由はわずかにうかがえるのみ。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値増加の数値は示されず、端材ロス削減や生産性向上の定性的成果のみ読み取れる。

  • イノベーションへの貢献2

    切断効率化システムとパンチプレスの連携はあるが、先端デジタル技術の活用による地域・サプライチェーン貢献は薄い。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    地域の特性を活かした記述は見られず、高付加価値化による地域経済への言及もわずかである。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後も独自の商品を開発し、「こんなところにも使える」という新仕様を顧客に提案しながら、ニッチな市場に挑戦していく。日本初・世界初の商品開発を目指し、グレーチングのトップシェアを目指して進化を続ける。省力化できる設備の導入も今後考えていく。

事業者の声

楽をしようよ

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。