ものづくり補助金平成30年度製造業長崎県

オリジナル「桃カステラ」の増産体制の構築による商品不足解消

成果揚捧工程で約67%、焼成工程で約50%、加工量が増加。

この事例のポイント

  • 桃の節句のピーク時は予約販売などで数量を抑え、お断りする件数から算出して約50%の商品不足が生じていた。
  • 最も人手と時間を要する揚捧工程と、設備の性能に最も影響を受ける焼成工程を見直し、生産力の向上を目指した。
  • 揚捧工程で約67%、焼成工程で約50%、加工量が増加。揚捧工程の加工量が約67%、焼成工程の加工量が約50%増加し、生産量が向上した。

事業者のプロフィール

所在地長崎県 長崎市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数10人
設立1967年

事業の背景

1967年創業の菓子製造業で、主力商品の「桃カステラ」は他社と異なる製法による唯一無二の味わいで人気があり、全体売上の約65%を占める。桃の節句だけでなく通年で販売に成功しており、現在は長崎市内に2店舗を展開し、百貨店の催事にも力を入れている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力桃の節句のピーク時は予約販売などで数量を抑え、お断りする件数から算出して約50%の商品不足が生じていた。
  • 生産能力通常時でも約25〜40%の商品不足が生じており、既存の設備では生産性が低く注文に対応できていなかった。
  • 集客・繁閑顧客から長崎市中心部に出店してほしいとの声が多く、それに応えるためにも生産力の向上は喫緊の課題だった。

やったこと

最も人手と時間を要する揚捧工程と、設備の性能に最も影響を受ける焼成工程を見直し、生産力の向上を目指した。揚捧工程には容量の大きい攪拌機「マイティS50」を導入し、従来より加工量が67%増加した。焼成工程にはトークオーブンUTを導入し、従来の旧式オーブンでは気温や湿度によって職人の経験による感覚で行っていた温度調整を、ボタン1つで数値管理できるようにした。これにより熟練の技術が不要になった。

  • 加工機マイティS50トークオーブンUT

事業の効果

  • 揚捧工程で約67%、焼成工程で約50%、加工量が増加。

揚捧工程の加工量が約67%、焼成工程の加工量が約50%増加し、生産量が向上した。通常時の商品不足が解消し、節句期の顧客ニーズにも応えられるようになった。温度管理が数値化され、熟練技術に頼らず品質を安定させられる体制ができた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.2 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 5
    課題の認識と解決ピーク時の不足率約50%、通常時25〜40%を課題として明確に把握し、揚捍で加工量67%アップ、焼成で約50%向上と数値で解決を示している。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性桃カステラは全体売上の約65%を占め、他社と異なる製法で唯一無二の味わいが人気と記載。需要不足率も約50%と具体的である。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標揚捍工程で約67%、焼成工程で約50%の生産量向上を示し、通常時の商品不足が解消したと成果が具体的である。ただし付加価値額や賃上げの目標値は見当たらない。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制体制や人材、事務処理能力についての記述がほぼなく、補助事業を遂行する体制が読み取れる材料が乏しい。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の桃カステラが主力で、鍛冶屋町店出店を機に増産設備を導入しており、事業の流れに沿った取組として位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    桃カステラは全体売上の約65%を占め、他社と異なる製法で唯一無二の味わいが人気と記載。需要不足率も約50%と具体的である。

  • 課題の認識と解決5

    ピーク時の不足率約50%、通常時25〜40%を課題として明確に把握し、揚捍で加工量67%アップ、焼成で約50%向上と数値で解決を示している。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標4

    揚捍工程で約67%、焼成工程で約50%の生産量向上を示し、通常時の商品不足が解消したと成果が具体的である。ただし付加価値額や賃上げの目標値は見当たらない。

  • 事業を進める体制2

    体制や人材、事務処理能力についての記述がほぼなく、補助事業を遂行する体制が読み取れる材料が乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客からの長崎市中心部への出店要望が多いという声があり、ニーズの裏付けと選ばれる理由(唯一無二の味)が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    今後は県外催事の強化や新店舗出店を含めた生産力向上を計画しており、課題と方向性は示されている。ただし詳細なスケジュールは不明確。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    桃カステラは他社と異なる製法で甘すぎずふわふわの食感を実現し、通年販売に成功。同分野で独自性の高い商品として読み取れる。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    地域の商品として長崎で認知があると触れているが、経済波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由の記述は薄い。

  • 費用対効果3

    生産量の向上率が具体的に示され、通常時の商品不足が解消されており、投入に対する効果は一定程度読み取れる。

  • イノベーションへの貢献2

    数値管理可能なオーブン導入で職人の経験に依存しない点は触れているが、デジタル技術や地域・サプライチェーンへの貢献は記述が薄い。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    長崎市内で2店舗展開し、地域の認知がある地元菓子として地域特性を活かしている。雇用創出や地域経済への波及は明記されていない。

今後の展望

近年は県外の催事に力を入れており、県外では認知度が低い「万月堂の桃カステラ」の開拓余地があると考えている。節句の時期は生産量が追い付いていないため、新店舗の出店も含めてさらなる生産力の向上に努めたいとしている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。