ものづくり補助金平成30年度製造業鹿児島県

高精細3Dプリンタ導入によるインフラ整備に貢献する商品開発のプロセス強化

インフラテック株式会社

この事例のポイント

  • 主力のプレキャストコンクリート製品の開発では、接合部の有効性や施工時の安全性を確認するために実物大の試験体で実験を繰り返しており、そのほとんどが大型製品のため試作に必要な型枠の製作費や製造に多くの時間とコストがかかっていた。
  • 積層ピッチ15μmの高精度3Dプリンタを導入し、縮小模型を製作できる体制を整えた。
  • 縮小模型による検証で、試作製作や検証にかかる時間とコストを大幅に削減できた。

事業者のプロフィール

事業者名インフラテック株式会社
所在地鹿児島県 姶良市
業種窯業・土石製品製造業
技術分野立体造形
従業員数655人
資本金7,300万円
設立1956年

事業の背景

当社は昭和31年に鹿児島県で創業し、同38年からプレキャストコンクリート製品の開発・製造・販売を始めた。主力商品は主に公共工事で使用されている。現在は関連会社を含め全国に27工場・39営業所を有し、総合技術研究所には開発・技術のスタッフが24名在籍している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算主力のプレキャストコンクリート製品の開発では、接合部の有効性や施工時の安全性を確認するために実物大の試験体で実験を繰り返しており、そのほとんどが大型製品のため試作に必要な型枠の製作費や製造に多くの時間とコストがかかっていた。
  • 納期・工程形状確認後に改良が必要になる場合も多く、開発工程が長期化し、コストも高騰していた。

やったこと

積層ピッチ15μmの高精度3Dプリンタを導入し、縮小模型を製作できる体制を整えた。縮小模型では嵌合などの細かな検証ができ、いくつかのパターンの試作模型を製作して検証を重ねることで、事前に問題点を解消し最適な形状を決められるようになった。また、製造方法や運搬方法、施工方法などの作業イメージを各部門で共有しやすくなり、部門ごとのアイディアが出るようになった。

加工機高精度3Dプリンタ

事業の効果

縮小模型による検証で、試作製作や検証にかかる時間とコストを大幅に削減できた。これまで必要だった実物大検証の場所確保や重機手配、天候への依存も減り、商品開発サイクルが大きく改善した。開発プロセスの効率化により市場へタイムリーに多くの商品を投入でき、災害時など緊急時にも状況に適した製品を迅速に納品できるようになった。モックアップで製品の特長が伝わりやすくなり、顧客とのコミュニケーションも円滑になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    従来の実物大試験による開発を縮小模型での検証に置き換えたと書かれ、主力のプレキャスト製品開発との連続性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは記述が薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    市場や競合に関する記述はなく、公共工事向け主力商品の開発体制が強みとして示されるのみで、競争優位性は直接読み取れない。

  • 課題の認識と解決4

    開発工程の長期化やコスト高騰という課題を挙げ、縮小模型で試作を繰り返し改善サイクルを大きく改善したと具体的に書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、商品開発サイクルの改善が述べられるだけで数値目標はない。

  • 事業を進める体制3

    開発・技術スタッフ24名在籍や開発課の体制は示されるが、補助事業の遂行体制の具体的記述は限定的。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    災害時など緊急時に状況に適した製品をいち早く納品する必要があり、模型でお客様との意思疎通が円滑になったと顧客ニーズとの関係が書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    開発の進め方や模型による検証の流れは示されるが、中長期のスケジュールや今後の課題解決計画は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    プレキャストコンクリート製品の分野に触れるが、普及度や認知度、高価格化の水準についての記述はわずかにうかがえるだけ。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    公共工事で使われるインフラ製品と災害時の迅速な納品に触れ、社会的インフラへの貢献は読み取れるが、波及効果や雇用の数値は示されない。

  • 費用対効果3

    試作の時間とコストを大幅に削減したとあるが、投入額に対する付加価値増加などの費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    3Dプリンタによる高精細造形で試作検証を効率化し、施工工程のイメージ共有にも使われるが、サプライチェーン全体への波及は示されない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    全国27工場・39営業所を持つ企業で地域経済の活性化に言及するが、地域特性を活かした具体的な付加価値や雇用の記述は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。