ものづくり補助金平成24年度鳥取県

廃棄、異物混入プラスチックの再原料化開発

有限会社山陰クリエート

この事例のポイント

  • 主力リサイクル製品である『エコマウッド』の原材料コストを下げる必要がある。
  • 廃棄されていた木粉や銅線が混ざったプラスチックを原料化するため、異物混入原料のサンプルをもとに風力式比重選別機を選定して導入した。
  • 風力式比重選別機の導入により、木粉が混ざったプラスチックから大部分を分離できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社山陰クリエート
所在地鳥取県 米子市
業種廃棄物処理業
技術分野金属プレス加工
従業員数35人
資本金3,600万円
設立1983年

事業の背景

有限会社山際クリエートは昭和58年に産業廃棄物収集運搬業と処分業を始め、その後、資源リサイクル製品の製造に取り組んできた。廃プラスチック類のリサイクル率は低く、ほとんどが焼却・廃棄されている。同社は平成10年から廃プラスチック類を合成樹脂化し、『エコマウッド』として水上・陸上施設などの鉄、非鉄、木製品の代替素材に活用している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算主力リサイクル製品である『エコマウッド』の原材料コストを下げる必要がある。
  • 生産能力木粉や銅線などが混ざったプラスチックが異物混入のため廃棄されており、原料として使えていない。

やったこと

廃棄されていた木粉や銅線が混ざったプラスチックを原料化するため、異物混入原料のサンプルをもとに風力式比重選別機を選定して導入した。プラスチック材料に適した分別条件を研究し、選別条件のシミュレーションを行った。鳥取県産業技術センターで試験を行い、異物除去率を測定した。異物除去率の高いプラスチックを自社成型品に投入し、試作品を製作した。比重差を利用して強化剤などをブレンドすることで、新たなバリエーションの拡大も図った。

新しい製品・サービス:異物混入プラスチックを原料化した再生プラスチックペレット(原料販売用)

事業の効果

風力式比重選別機の導入により、木粉が混ざったプラスチックから大部分を分離できるようになった。原文の数字は読み取りに不確かさがあるが、分離率は高い水準とされている。試作品成型では再生材を2割程度添加できた。今後は分離精度を高めて5割以上の添加を目指し、現在購入している材料コストを大幅に削減する。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決主力製品エコマウッドの原材料コスト削減という課題を明示し、異物混入プラの原料化で解決を図る方針が具体的に示されている。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標分離率を9割程度、添加率を2割程度から5割以上へ段階的に高める目標が示され、現状の数値もあり実現性が読み取れる。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け木粉混入プラを原料化し材料コストを大幅に削減する目的や、エコマウッドの用途が具体的に示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    強み・弱みを踏まえた優位性市場動向や競合に関する記述はなく、自社の強みとして資源リサイクル実績が触れられる程度にとどまる。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性3

    平成10年からの廃プラ再資源化やエコマウッド製造など過去の取組との連続性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けを示す記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    市場動向や競合に関する記述はなく、自社の強みとして資源リサイクル実績が触れられる程度にとどまる。

  • 課題の認識と解決4

    主力製品エコマウッドの原材料コスト削減という課題を明示し、異物混入プラの原料化で解決を図る方針が具体的に示されている。

事業の実現可能性3.4
  • 付加価値・賃上げの目標4

    分離率を9割程度、添加率を2割程度から5割以上へ段階的に高める目標が示され、現状の数値もあり実現性が読み取れる。

  • 事業を進める体制3

    従業員35名や鳥取県産業技術センターとの試験連携は書かれているが、補助事業の遂行体制や担当者の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    木粉混入プラを原料化し材料コストを大幅に削減する目的や、エコマウッドの用途が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    選別条件検討、試作、評価、分離精度向上の段階が示されるが、各工程の期間やスケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    再生プラ製品は一般的な分野だが、異物混入プラの原料化による低価格化という独自性がうかがえる。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    廃プラの再資源化と廃棄物削減に資する点はうかがえるが、経済波及や雇用創出への言及は具体的ではない。

  • 費用対効果3

    分離率や添加率の数値は示されるが、補助金額に対する付加価値増加や費用対効果の記述はない。

  • イノベーションへの貢献2

    風力式比重選別という設備の導入は読み取れるが、先端デジタル技術や新ビジネスモデルへの言及はほぼない。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    廃プラ再資源化による循環型の取組はうかがえるが、成長分野への進出や構造転換との結びつきは示されていない。

  • 地域経済への波及3

    米子市で地域の廃棄物を資源化する点はうかがえるが、地域の雇用や経済成長への効果は具体的に書かれていない。

今後の展望

分離精度をさらに高め、自社製品『エコマウッド』の原料としてブレンド割合を高めて製品化する。あわせて、原料販売用の再生プラスチックペレットとして販売できるよう添加剤や物性強化の検証を進める。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。