ものづくり補助金平成24年度鳥取県

型鋼とパイプの組み合わせ加工による、軽量で剛性の高い筐体の試作・開発

株式会社永井電機工業所

この事例のポイント

  • 製缶工程の工数の大部分を占めるアングル・型鋼を使ったフレーム人筐体の製造は熟練を要する溶接組み立て作業となっており、短納期の需要に対応できていない。
  • 従来の型鋼の3D-CADデータを転用し、CAMに変換してレーザー加工機でフレーム部品を作成する最新鋭の加工設備を導入した。
  • レーザー加工により手加工箇所の加工が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社永井電機工業所
所在地鳥取県 米子市
業種電気機械器具製造業
技術分野切削加工
設立1934年

事業の背景

昭和9年にモーター等の電気機器の修理から始まり、現在は電気機械器具や制御部品の販売、配電盤・制御盤等の設計製造、電気機器の保守を手がけている。配電盤等の板金加工工程では無人化FMS対応のパンチング加工システムを導入し、多品種・小ロット生産に対応してきた。近年は電気エネルギー需要の増大に伴い、配電盤や制御盤の需要が高まっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力製缶工程の工数の大部分を占めるアングル・型鋼を使ったフレーム人筐体の製造は熟練を要する溶接組み立て作業となっており、短納期の需要に対応できていない。
  • 品質・精度型鋼のプレス加工等の後、熟練した数名の作業者による溶接組み立てでなければ品質の良い筐体ができない。
  • コスト・採算筐体製造の工程が多く、製品の低コスト化と溶接工程の簡素化・高効率化が求められている。

やったこと

従来の型鋼の3D-CADデータを転用し、CAMに変換してレーザー加工機でフレーム部品を作成する最新鋭の加工設備を導入した。レーザー加工機は製缶工程における鋼材の加工に用いる。設計3D-CADデータを活用して筐体の型鋼での構造を開発し、溶接工程の簡素化と高効率化を図った。

新しい製品・サービス:型鋼とパイプの組み合わせ加工による、軽量で剛性の高い筐体

事業の効果

レーザー加工により手加工箇所の加工が可能になった。カット断面にダレやバリがなく、アングル同士の付け合わせがきれいにできるようになった。溶接時の歪が少なくなり、スケールなしで寸法が出せるうえ、バイスで挟まなくても溶接ができるようになった。溶接作業では工数削減効果が出ており、導入の成果は着実に表れている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.8 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決溶接組み立てに熟練を要する課題を挙げ、レーザー加工機導入で溶接工数削減と歪減少を実現したと具体的に書かれている。
  • 4
    イノベーションへの貢献設計データを生産現場へネットワークで直接連携する仕組みと3次元CAD活用が具体的に記載されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標工数削減や高品質化は示されるが、付加価値額や賃上げの目標数値は書かれていない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    昭和9年創業から電気機器の修理・販売・製造・保守へ展開し、配電盤等の製造を続けてきた経緯が書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    80年以上の電気機器の販売・製造・保守経験と独自のシステム・技術を強みとすると記載があるが、市場動向との関係は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    溶接組み立てに熟練を要する課題を挙げ、レーザー加工機導入で溶接工数削減と歪減少を実現したと具体的に書かれている。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    工数削減や高品質化は示されるが、付加価値額や賃上げの目標数値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    熟練作業者による溶接組み立てからの改善と技能習得への取組が書かれているが、体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    多品種・小ロット受注への対応、短納期、大手電機メーカーの信用向上という選ばれる理由は読めるが、ターゲットは具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    設計時間削減、加工機調整時間短縮、剛性の高い筐体の開発と本格生産という段階的な方針は書かれているが、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    型鋼とパイプ組み合わせの軽量高剛性筐体という高付加価値化を目指すとあるが、市場の普及度や価格水準の記載は薄い。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用2

    電気エネルギー需要増大に対応する配電盤・制御盤の生産という背景はうかがえるが、経済波及や雇用創出への言及は乏しい。

  • 費用対効果2

    工数削減効果は示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献4

    設計データを生産現場へネットワークで直接連携する仕組みと3次元CAD活用が具体的に記載されている。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    鳥取県米子市の企業であることはわかるが、地域特性を活かした雇用や成長への言及は読み取れない。

今後の展望

設計時間と部材ごとの加工機調整時間を短縮し、技能習得を進めて、さらに剛性の高い筐体を開発する。高品質の優位性を持った製品の開発・製造を確立させ、本格生産を目指す。

事業者の声

昭和9年の創業以来、多くの企業ニーズに対応し、電気機器の販売、製造、保守業務を80年以上に渡り、時代のニーズに即して拡大展開してきました。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。