ものづくり補助金平成26年度製造業沖縄県

窒素発生装置導入により、品質向上・低価格実現と切断請負事業の展開

株式会社大成

成果アシストガス購入費 100万円/月→0万円/月

この事例のポイント

  • レーザー切断機のアシストガスに酸素を使っていたため切断面に酸化被膜ができ、さびやすく表面に凹凸が生じていた。
  • 窒素発生装置を導入し、レーザー切断機のアシストガスを酸素から窒素へ切り替えた。
  • アシストガス購入費 100万円/月→0万円/月。窒素によるレーザー切断により、切断面の酸化被膜がなくなり、磨き工程が不要になるなど品質が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社大成
所在地沖縄県 南城市
業種電気機械器具製造業
従業員数47人
資本金2,000万円
設立1987年

事業の背景

当社は創業以来、配電盤、分電盤、制御盤の設計、製作および販売・保守管理を行ってきた。主にビルや工場などの大きな施設向けに、安全性の高いキュービクル式の配電盤を製作・販売している。従来は鋼板のレーザー切断でアシストガスに酸素を使用しており、切断技術の精度の低さが課題となっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度レーザー切断機のアシストガスに酸素を使っていたため切断面に酸化被膜ができ、さびやすく表面に凹凸が生じていた。
  • 生産能力切断面の酸化被膜や凹凸のため、溶接に時間がかかっていた。
  • コスト・採算アシストガスとして酸素を使用しており、月100万円ほどの購入費が発生していた。

やったこと

窒素発生装置を導入し、レーザー切断機のアシストガスを酸素から窒素へ切り替えた。導入した窒素発生器は空気中の窒素と酸素を分離して窒素だけを取り出すもので、窒素ガスを最も安価に自家発生でき、高圧ガス取締法が適用されないため容易に設置できた。実際に窒素を発生させてレーザー切断機に供給し鋼板を切断するテストを行ったところ、切断面に酸化被膜は生じず、表面も非常になめらかで、磨いて仕上げる必要がないことが確認された。さらにその鋼板を溶接したところ容易に接合できた。また3D立体切断機と組み合わせることで、鋼板だけでなく角パイプやL型鋼などの鋼材を滑らかな切断面でさまざまな形状に切断できることが確認できた。

その他窒素発生装置
加工機3Dレーザー切断機

事業の効果

  • アシストガス購入費 100万円/月→0万円/月

窒素によるレーザー切断により、切断面の酸化被膜がなくなり、磨き工程が不要になるなど品質が向上した。溶接もスピードアップし、溶接後の仕上がりも美しくなった。県外企業が求める品質を県内で実現でき、県外に流出していた仕事を県内で受注できる体制を構築した。これにより技術力向上と雇用促進につながり、アシストガスの購入費も削減できた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    配電盤・分電盤・制御盤の設計製作から、切断技術の精度向上という課題に取り組んだ経緯が読み取れるが、経営戦略上の位置づけまでは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    県内で唯一の窒素レーザー切断機を持ち、県外流出していた仕事を県内で受注できる状態にしたと書かれており、競争優位が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    酸化被膜による研磨・溶接の手間という課題を認識し、窒素発生装置で解決して切断請負事業を展開する流れが具体的に書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    月100万円ほどの酸素購入費の削減は読み取れるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、実現可能性を判断できない。

  • 事業を進める体制3

    オペレーションの人的技術の獲得と定着、県内にない体制の構築が書かれているが、人員や事務処理体制の具体は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    県外企業の求める品質、酸化被膜なしの表面、溶接の速さや美しさなど、選ばれる理由が具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    試験切断や溶接検証を経て導入した流れは読み取れるが、今後の遂行スケジュールや中長期の課題検証は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    酸素から窒素へのアシストガス切替で切断面の酸化被膜をなくし、研磨不要の高品質を実現したと具体的に書かれている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    県外流出していた仕事を県内で受注し雇用促進につなげたと書かれているが、波及効果の定量的な裏付けは薄い。

  • 費用対効果4

    ガス購入費が月100万円ほど削減できたと具体的な金額で費用対効果が示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    窒素発生装置と3D切断機の組み合わせは書かれているが、デジタル技術の活用や地域サプライチェーンへの貢献としては具体性が薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    切断技術の高度化や多角化は読み取れるが、成長分野への進出や構造転換との関係は明示されていない。

  • 地域経済への波及3

    県内で唯一の設備を活用し県内受注と雇用促進につなげた点は地域の事業として読み取れるが、地域特性の記述は限定的。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

県内で唯一の窒素によるレーザー切断機を最大限に活用し、切断サービスを事業として増やしていきたい。窒素切断の品質の高さや生産効率の良さ、コストダウンを広く発信する。3Dレーザー切断機も県内初導入であり、情報発信により事業の多角化を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。