ものづくり補助金平成24年度島根県

電子部品・デバイス実装技術における高精細及びファインピッチ対応印刷装置の開発

株式会社曽田鐵工

成果ライン・スペース 50μm→10μm

この事例のポイント

  • 従来のフォトリソグラフィー工法は高コスト・低アスペクト比・低生産性という課題を抱えている。
  • 厚膜印刷工法で狭ピッチ化を実現するため、同社が研究してきた加圧ヘッドを組み込んだ密閉加圧式印刷ヘッドを開発した。
  • ライン・スペース 50μm→10μm。密閉加圧式印刷ヘッドにより、厚膜印刷工法で従来の限界であったライン・スペース50μmを10μmまで狭ピッチ化できるよう…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社曽田鐵工
所在地島根県 松江市
業種生産用機械器具製造業
技術分野電子部品・デバイスの実装
従業員数25人
資本金2,000万円
設立1938年

事業の背景

同社は光ディスクや電子部品などに欠かせない電子基板回路専用印刷機の開発と製造販売を行っている。電気製品の小型化が進み、内蔵される電子部品にも小型化・高精細化が求められ、基板回路の狭ピッチ化が重要になっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算従来のフォトリソグラフィー工法は高コスト・低アスペクト比・低生産性という課題を抱えている。
  • 生産能力従来のフォトリソグラフィー工法は生産性が低い。
  • 品質・精度厚膜印刷工法はライン・スペースが50μm以下になるとペーストの充填性が悪化し目詰まりが起き、断線不良などが生じる。
  • 新製品・新技術狭ピッチ印刷は理論上は可能だったが、実際の電子配線基板の印刷に使えるかは未証明だった。

やったこと

厚膜印刷工法で狭ピッチ化を実現するため、同社が研究してきた加圧ヘッドを組み込んだ密閉加圧式印刷ヘッドを開発した。曲面の被印刷物とヘッドを同期運転させる自由曲面印刷機を展開し、精度を確保した。平面位置決め印刷機には版離れ機を搭載し、ペースト粘度による版離れを防いだ。圧力設定を動作と連動させるため、通常の簡易レギュレーターに代えて電磁式レギュレーターを組み込んだ。ペーストの吐出量や吐出口の面積、外気温が印刷状態に影響することも分かり、その管理は今後の課題となった。細線化・狭ピッチ印刷を実現し、従来のスキージ法と比較して数値的な効果を測定した。

  • 加工機密閉加圧式印刷ヘッド自由曲面印刷機平面位置決め印刷機
  • その他電磁式レギュレーター

新しい製品・サービス:密閉加圧式印刷ヘッドを用いた狭ピッチ印刷機

事業の効果

  • ライン・スペース 50μm→10μm

密閉加圧式印刷ヘッドにより、厚膜印刷工法で従来の限界であったライン・スペース50μmを10μmまで狭ピッチ化できるようになり、細線化と狭ピッチ印刷を実現した。従来のスキージ法との比較で数値的な効果も測定した。理論上の新工法が実際の電子配線基板印刷に使えることが示された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    新しさ・高付加価値従来のフォトリソやスキージ法に対し、ライン間10μm・ピッチ対応の高精細化を数値で示し、高水準の付加価値を狙う点が読み取れる。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標高付加価値創出や賃上げの目標値は書かれておらず、今後1年以内の商品化計画のみがうかがえる。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性3

    従来の厚膜印刷やフォトリソの課題を踏まえ、専用印刷機の開発・製造販売という既存事業の延長線上にある取組と読める。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    挟ピッチ化の要望と従来工法の限界を示し、密閉加圧式ヘッドで競争優位を狙う構図はうかがえるが、市場規模や競合比較は書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    従来工法の課題(高コスト・低生産性、ライン間10μm対応など)を明示し、ヘッド開発で解決を図る点は読み取れるが、事業計画としての収益見通しは薄い。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値創出や賃上げの目標値は書かれておらず、今後1年以内の商品化計画のみがうかがえる。

  • 事業を進める体制3

    島根県産業技術センターや外部の開発部門と印刷テストを重ねる協業体制が示されているが、社員25名での人員配置は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    挟ピッチ印刷という機能は示されるが、顧客ターゲットや選ばれる理由は具体的に整理されていない。

  • 事業化までの道筋3

    ペースト管理や外気温の課題を今後の課題として挙げ、商品化までの開発期間にも触れており、課題認識はあるが検証方法は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    従来のフォトリソやスキージ法に対し、ライン間10μm・ピッチ対応の高精細化を数値で示し、高水準の付加価値を狙う点が読み取れる。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用3

    電子部品の小型化・高精細化という社会的需要に応える点は読めるが、波及効果や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果2

    従来スキージ法との数値比較を行ったとあるが、具体的な数値や費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    加圧ヘッドや電磁式レギュレーターの活用はうかがえるが、サプライチェーン全体への貢献の記述は乏しい。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    電子基板印刷という成長分野への進出がうかがえるが、構造転換への言及は明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    島根県松江市の地域企業である点はうかがえるが、地域の特性を活かした雇用や成長への言及は少ない。

今後の展望

理論の実証はできたが、市場への展開までには課題が多く、追加の開発期間が必要。島根県産業技術センターなどの関係機関や印刷テストを行う取引先と協業して課題解決と事業化を進める。

事業者の声

今回は、ものづくり助成金制度を利用させていただく事ができ、より深い研究・開発を行う環境が整い、関係機関からも注目をいただいています。今後も本機を利用し、よりよい「ものづくり」のため、力を注いでいきたいと思います。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。