ものづくり補助金平成24年度島根県

自然酵母「梅花酵母」の有効利用のための培養技術の確立

株式会社石見銀山生活文化研究所

この事例のポイント

  • 梅花酵母の培養技術が確立されておらず、量産化に向けた発酵方法が定まっていなかった。
  • 補助事業では、プログラム低温恒温器を導入して梅花酵母の培養技術を確立した。
  • 梅花酵母の培養技術の確立により、化粧品、美容食品、酒、パンなど複数の分野で商品化が進んだ。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社石見銀山生活文化研究所
所在地島根県 大田市
業種衣服・その他の繊維製品製造業
技術分野溶接
従業員数198人
資本金4,800万円
設立1988年

事業の背景

1988年創業の株式会社石見銀山生活文化研究所は、世界遺産エリアで自社製造のオリジナル衣服を中心に、衣料品店や飲食店を全国展開してきた。2012年1月には地元の梅の花から採取した新種の梅花酵母を島根県産業技術センターと共同で特許取得し、社内に梅花酵母事業部を立ち上げて研究と商品開発に取り組んでいた。社員は約200人にまで成長していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力梅花酵母の培養技術が確立されておらず、量産化に向けた発酵方法が定まっていなかった。

やったこと

補助事業では、プログラム低温恒温器を導入して梅花酵母の培養技術を確立した。その成果として、グルテンフリー米粉パン向けの「継足し酵母」、グルテンフリー蒸パンの老化緩和、発酵美容食品の開発、酵母化粧品の開発の4つを得た。美容食品は、ハトムギを梅花酵母で発酵させたベースに、薬膳でよく使われる6種類の食材をバランスよく配合して開発した。

新しい製品・サービス:梅花酵母を使った「MeDu(めづ)」ブランドの化粧品として、ローションとクリームの基礎化粧品2種を商品化し、後にハンドクリーム、ナイトマスクも商品化した。発酵美容食品、梅花酵母を使った純米原酒・梅酒・どぶろく、クラフトビールなども手掛けている。

事業の効果

梅花酵母の培養技術の確立により、化粧品、美容食品、酒、パンなど複数の分野で商品化が進んだ。化粧品は通販などで売り上げが増加し、ユーザーの声を反映して商品ラインを拡充した。美容食品は全国規模のモニター調査で好評を得て販売に踏み切った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.8 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    顧客とニーズの裏付け化粧品は402人のモニター調査で60%以上の有効評価を得たと書かれ、顧客評価と商品価値の裏付けが読み取れる。
  • 4
    新しさ・高付加価値梅花酵母は新種として特許を取得し、化粧品・酒・パンなどに商品化したと書かれ、新規性の高い分野がうかがえる。
  • 4
    地域経済への波及世界遺産エリアの地元の梅から採取した酵母を活用し、島根県産業技術センターとも連携した地域資源型の事業と読み取れる。

伸びしろがあった観点

  • 2
    課題の認識と解決課題の認識や解決策を示す記述は乏しく、研究・商品開発に取り組んだという程度にとどまる。
経営戦略との整合性2.7
  • これまでの取組との一貫性3

    1988年創業以来の自然素材活用や「復古創新」の社風が語られ、梅花酵母事業部の設立も書かれているが、経営戦略上の位置付けは具体的に示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    梅花酵母の有用性や特許取得、全国展開の衣料品店・飲食店といった強みは読み取れるが、市場動向との関係は書かれていない。

  • 課題の認識と解決2

    課題の認識や解決策を示す記述は乏しく、研究・商品開発に取り組んだという程度にとどまる。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標ー

    公開情報では判断できません。

  • 事業を進める体制3

    梅花酵母事業部を立ち上げ専任の研究員を配置したと書かれており、体制の一部はうかがえる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    化粧品は402人のモニター調査で60%以上の有効評価を得たと書かれ、顧客評価と商品価値の裏付けが読み取れる。

  • 事業化までの道筋2

    今後は新商品開発に向けて研究を進めているとあるが、中長期の遂行方法やスケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    梅花酵母は新種として特許を取得し、化粧品・酒・パンなどに商品化したと書かれ、新規性の高い分野がうかがえる。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    島根県産業技術センターとの共同特許や地域の酵母を県民の共有財産とする方針がうかがえるが、波及効果や雇用創出は数値で示されていない。

  • 費用対効果2

    補助金投入額や付加価値増加の数値は書かれておらず、費用対効果は判断できない。

  • イノベーションへの貢献2

    地域資源の梅花酵母を活用する点はうかがえるが、先端的デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面4.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及4

    世界遺産エリアの地元の梅から採取した酵母を活用し、島根県産業技術センターとも連携した地域資源型の事業と読み取れる。

今後の展望

梅花酵母は島根県民の共有財産という立場から、使用の希望があれば提供する方針で、さらなる活用が期待される。化粧品では新商品の開発に向けた研究を進めている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。