ものづくり補助金平成24年度岡山県

SSDデータ消去のための物理破壊装置の開発

晃立工業株式会社

この事例のポイント

  • SSD対応の物理破壊装置(メディアシュレッダー)が国内外に存在しない。
  • SSDはプリント基板上のフラッシュメモリにデータが記録され、基板がアルミや鉄板の金属筐体で堅牢に保護されている。
  • SSDを完全に物理破壊できる装置(メディアシュレッダー)を世界に先駆けて開発した。

事業者のプロフィール

事業者名晃立工業株式会社
所在地岡山県 津山市
業種業務用機械器具製造業
技術分野動力伝達
従業員数20人
資本金3,000万円
設立1956年

事業の背景

HDDの代替としてSSDが個人用PCにも搭載され、着実に増えている。SSDが本格的にHDDに替わると、現在のHDDのデータ消去市場がそのままSSDのデータ消去市場に移ると考えられる。一方で、SSDを確実に物理破壊できる装置は市場になかった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術SSD対応の物理破壊装置(メディアシュレッダー)が国内外に存在しない。
  • 品質・精度既存の全穴式物理破壊装置はチップを確実に破砕できず、データ消去方法として不完全とされている。

やったこと

SSDはプリント基板上のフラッシュメモリにデータが記録され、基板がアルミや鉄板の金属筐体で堅牢に保護されている。そのため、金属筐体ごと粉砕できるかが課題であった。基本機構として、高速回転するハンマーの衝撃で粉砕する衝撃式粉砕方式を採用した。ハンマーは日本刀をモチーフとした特殊形状とし、面ではなく一点集中で打撃して粉砕効果を高めた。さらに回転によってハンマーが飛び出す構造とし、打撃力を高めた結果、金属筐体ごとフラッシュメモリを粉砕できることを確認した。排出口のロストルは穴径を変えて排出までの時間を試験し、最適な穴径を決定した。回転数は従来のノウハウから3速に絞り、打撃抵抗、回転数の復帰状況、ハンマー取付部への影響の3点を考慮して決定した。

新しい製品・サービス:SSD対応の物理破壊装置(メディアシュレッダー)

事業の効果

SSDを完全に物理破壊できる装置(メディアシュレッダー)を世界に先駆けて開発した。SSDのデータ消去基準を確立し、国内外に事業を展開して同技術のリーダー的企業として売上の拡大を目指す。米国企業からICチップ、SDカード、USBメモリなど、より小さな記録メディアの物理粉砕の要望を受け、改良・開発に取り組んでいる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 514観点のうち11観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 5
    新しさ・高付加価値SSD対応のメディアシュレッダーは現存せず世界に先駆けて開発したと書かれ、新市場かつ先行的な製品であることが明確に示されている。
  • 4
    課題の認識と解決既存の全孔式装置がチップを確実に破砕できない課題を挙げ、一点集中打撃の特殊ハンマーで解決したと具体的に書かれている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付けSSDのデータ消去基準を確立しデファクトスタンダードを目指す、米国企業からICチップ等の破砕要望があるなど、顧客ニーズの裏付けが示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、売上拡大を目指すとの記述にとどまる。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    HDDからSSDへの市場移行を背景に、SSD対応の物理破壊装置を開発すると述べられている。過去の取組との連続性は具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    SSD市場の拡大と既存装置の不完全さという外部環境は書かれているが、自社の経営資源の強みとの関係は具体的に示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    既存の全孔式装置がチップを確実に破砕できない課題を挙げ、一点集中打撃の特殊ハンマーで解決したと具体的に書かれている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、売上拡大を目指すとの記述にとどまる。

  • 事業を進める体制ー

    公開情報では判断できません。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    SSDのデータ消去基準を確立しデファクトスタンダードを目指す、米国企業からICチップ等の破砕要望があるなど、顧客ニーズの裏付けが示されている。

  • 事業化までの道筋3

    ロストル穴径の試験、回転数3速の決定、海外電源対応のテストなど検証内容は書かれているが、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性5.0
  • 新しさ・高付加価値5

    SSD対応のメディアシュレッダーは現存せず世界に先駆けて開発したと書かれ、新市場かつ先行的な製品であることが明確に示されている。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    データ消去基準の確立や海外展開に触れるが、雇用創出や波及効果など国が補助する理由は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献2

    新たなデータ消去手法を確立する点はうかがえるが、デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は具体的に書かれていない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    SSD市場の拡大という成長分野への進出はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及ー

    公開情報では判断できません。

今後の展望

SSDのデータ消去市場で同技術のリーダー的企業となり、国内外への展開により売上を拡大する。小型記録メディアへの対応も進める。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。