ものづくり補助金平成24年度大阪府

減圧シールステリバイアル(医療機器)の開発

三田理化工業株式会社

成果サイズラインナップ 5種類→4種類

この事例のポイント

  • 既存のバイアル瓶では、粘性の高い薬剤を注入しやすく、圧力差による危険な薬剤の飛沫が起こりにくい製品という顧客の要望に応えられていなかった。
  • 減圧シールステリバイアルの製造に必要な減菌空間を確保するため、無菌アイソレーターと過酸化水素滅菌装置を新規導入した。
  • サイズラインナップ 5種類→4種類。減圧シールステリバイアルの開発過程で派生した透明の「クリアシールステリバイアルN」は、ガンマ線の着色問題を製造方法の改…

事業者のプロフィール

事業者名三田理化工業株式会社
所在地大阪府 大阪市北区
業種業務用機械器具製造業
技術分野冷凍空調
従業員数42人
資本金1,000万円

事業の背景

同社は病院、製薬・化学会社、研究所向けに「RACOON」ブランドで洗浄機、滅菌装置、乾燥装置などの理化学機器を製造販売しており、機器の単体販売に加え設備一式の販売・設置工事もトータルに手がけることで業績を伸ばし続けている。医療現場で使う消耗品の分野でも、薬剤の調剤瓶であるステリバイアルや薬液を封入するステリアンプルなどで全国トップクラスの技術力を持ち、既存の消耗品に付加価値を付けた商品が売上を支える事業部門になりつつある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術既存のバイアル瓶では、粘性の高い薬剤を注入しやすく、圧力差による危険な薬剤の飛沫が起こりにくい製品という顧客の要望に応えられていなかった。
  • 生産能力減圧シールステリバイアルの製造には減菌空間の中での打栓作業が必要だが、現状の設備では製造が不可能だった。
  • 品質・精度従来のガンマ線による滅菌ではガラスが褐色に着色し、医療現場で薬剤の色が分かりにくいという問題があった。

やったこと

減圧シールステリバイアルの製造に必要な減菌空間を確保するため、無菌アイソレーターと過酸化水素滅菌装置を新規導入した。さらにアイソレーターのグローブボックス内で打栓工程を行えるよう、卓上型自動真空包装機を購入した。あらかじめ内部を洗浄滅菌したうえで瓶を減圧シール(密閉)する製造工程を、導入した設備で実現した。設備の導入により減圧シールステリバイアルの試作に成功した。最終段階では医療機器としての据付時適格性確認(IQ)と稼働時適格性確認(OQ)のバリデーションを実施し、開発を完了した。

  • その他無菌アイソレーター過酸化水素滅菌装置
  • 加工機卓上型自動真空包装機

新しい製品・サービス:減圧シールステリバイアル

事業の効果

  • サイズラインナップ 5種類→4種類

減圧シールステリバイアルの開発過程で派生した透明の「クリアシールステリバイアルN」は、ガンマ線の着色問題を製造方法の改良で解決した製品である。透明という付加価値により従来品より高い価格での販売が可能になった。サイズを5種類から4種類に絞り込んだことで製造コストも効率化された。現在約200のユーザーに案内を送付しており、評判は上々とのことである。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存のステリバイアル・ステリアンプル事業の延長として減圧シール品を開発したと読めるが、経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    全国トップクラスの技術力と開発センターの最新鋭設備を強みとし、医療現場の要望を捉えた点が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    粘性の高い薬剤の飛沫という現場課題を挙げ、減圧シール製法で解決する方針と、初年度1,000万円・5年後2,000万円の目標が示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    初年度1,000万円、5年後2,000万円の受注目標と年率約5%の伸びが示されているが、付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    開発センターや設備の記述はあるが、補助事業を担う人員や事務処理体制についての記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医療現場の要望、抗がん剤や放射性医薬品での需要、200社への案内送付と評判の上々さが書かれ、ニーズの裏付けがある。

  • 事業化までの道筋3

    無菌アイソレーター導入、IQ・OQのバリデーションを経て開発を終えた手順は書かれているが、中長期の検証や今後の遂行スケジュールは薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性100%
  • 新しさ・高付加価値5

    ステリバイアルで全国トップクラスの技術力を持ち、減圧シールや透明バイアルは従来品より高価格で販売できると書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    医療現場の安全性向上や海外への日本の医療インフラ展開が述べられているが、雇用や波及効果の数字は示されていない。

  • 費用対効果3

    従来品より高価格で販売でき、サイズを5種から4種に絞りコストも効率化したと書かれているが、費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    最新鋭の洗浄・滅菌設備や世界最高レベルの品質に触れているが、デジタル技術や新ビジネスモデルについての記述はない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    兵庫県丁脇市の開発センターを拠点とし、大阪本社から海外展開も図るが、地域の雇用や経済成長への言及は薄い。

今後の展望

国内の病院、薬局、バイオ・製薬研究所での新市場獲得を目標とし、初年度の受注目標は1,000万円、5年後には2,000万円としている。東南アジアなど海外進出も視野に入れ、マレーシアの医療専門学会で調乳システムを展示紹介するなど準備を進めている。

事業者の声

弊社のような中小企業では大掛かりな開発投資は難しく、ニッチな市場でもオンリーワン、ナンバーワンのものづくりに特化するのがベストです。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。