ものづくり補助金平成25年度製造業滋賀県

次世代の基板検査のための高精度アダプターの開発

株式会社ニューリー・土山

成果穴径精度・穴位置精度 1倍→2倍

この事例のポイント

  • モバイル情報通信機器の高密度化に伴い、回路基板のコネクター電極間が0.3mmから0.2mmへ狭ピッチ化し、対応するプローブ直径も0.2mmから0.1mmへの細径化が必要になっていた。
  • プローブ保持板の厚さ・穴径・穴ピッチを変えながら、回転数と送り速度の条件を変えて新加工機の基礎データを取得し、最適条件を見出した。
  • 穴径精度・穴位置精度 1倍→2倍。新加工機により、穴径精度と穴位置精度が現有機の2倍以上となり、目標の穴径φ0.1mmの加工も可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ニューリー・土山
所在地滋賀県 甲賀市
業種業務用機械器具製造業
技術分野情報処理,精密加工
従業員数43人
資本金3,000万円
設立1990年

事業の背景

当社は各種電子機器の回路基板の実装不良検査や機能検査のソリューションを、装置からソフトウエアまで含めて提供している。その一つが、回路基板のコネクター電極から電気特性を検査するアダプターである。モバイル情報通信機器はウエアラブルなど軽薄短小が進み、電子部品実装も高密度化・複雑形状化しており、基板検査アダプターもこれに対応することが求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術モバイル情報通信機器の高密度化に伴い、回路基板のコネクター電極間が0.3mmから0.2mmへ狭ピッチ化し、対応するプローブ直径も0.2mmから0.1mmへの細径化が必要になっていた。
  • 品質・精度プローブの合わせ精度を決めるプローブ保持基板への穴あけ加工について、穴径精度と穴位置精度を高める必要があった。
  • 生産能力現有加工機は要求される穴径精度・穴位置精度を得るために穴あけの回転数と送り速度を落とす必要があり、一つの穴の加工時間を短縮できなかった。

やったこと

プローブ保持板の厚さ・穴径・穴ピッチを変えながら、回転数と送り速度の条件を変えて新加工機の基礎データを取得し、最適条件を見出した。新加工機は現有加工機と比べて穴の仕上がり形状が滑らかで、穴径精度と穴位置精度がともに2倍以上優れることが判明した。目標である穴径φ0.1mmの加工が可能であることも検証し、次世代の基板検査アダプターに適用できることを確認した。新加工機では要求精度を得る場合でも回転数と送り速度を遅くする必要がなく、一つの穴の加工時間を現有加工機の約40%に短縮した。さらに要求どおりに穴が仕上がる確率(歩留)が現有加工機の1.2倍に向上した。

加工機高精度穴あけ機(新加工機)

新しい製品・サービス:次世代の基板検査アダプター(狭ピッチ・細径プローブに対応する高精度アダプター)

事業の効果

  • 穴径精度・穴位置精度 1倍→2倍
  • 一つの穴の加工時間 100%→40%
  • 歩留(要求精度どおりに仕上がる確率) 1倍→1.2倍

新加工機により、穴径精度と穴位置精度が現有機の2倍以上となり、目標の穴径φ0.1mmの加工も可能になった。加工時間は現有機の約40%に短縮され、歩留も1.2倍に向上して大幅な生産性向上が図られた。高精度加工と生産性向上という強みを活かし、情報通信機器分野での市場シェア拡大につなげる効果が見込まれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    当社が培ってきた精密加工技術を基板検査アダプターの高度化に活かすとあり、既存事業との関連は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    現在の情報通信機器分野で市場シェア拡大を図り、次世代ウエアラブル機器へ展開するとあり、市場と自社の加工精度の強みに基づく狙いが具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    穴径精度・穴位置精度が2倍以上、加工時間は現有の約40%、歩留は1.2倍という課題と効果の対応が示され、高付加価値化の方向も読み取れる。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    加工時間40%程度、歩留1.2倍、精度2倍以上という数値目標と検証結果が示されており、実現性の根拠が具体的に読み取れる。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    狭ピッチ化や細径化という顧客ニーズと、φ0.1mm加工が可能という価値は読み取れるが、顧客ターゲットの整理は具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    条件出しや次世代アダプターの試作開発、次世代機器への展開という段階は書かれているが、スケジュールや課題解決方法は具体的でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    φ0.1mm穴加工や狭ピッチ対応は高密度基板検査という高水準分野での取組として読み取れ、一般的に普及した分野ではないことがうかがえる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    モバイル機器の高密度化に伴う基板検査の需要が背景にあるとされ、国が補助する波及効果や雇用創出の記載はわずかにうかがえる程度。

  • 費用対効果2

    加工時間の短縮や歩留向上の効果は示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    次世代ウエアラブル機器向けの基板検査技術という点で、サプライチェーンへの貢献がわずかにうかがえる。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    次世代情報通信機器分野への展開が書かれており、成長分野への進出がわずかにうかがえる。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

高精度加工と生産性向上の強みを活かして現在の情報通信機器分野の市場シェアを拡大するとともに、次世代アダプターの試作開発を行い、ウエアラブルなど次世代情報通信機器への事業展開を図っていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。