ものづくり補助金平成24年度岡山県

熱処理技術の高機能化による、差別的優位性の確立と経済的環境変化への挑戦

株式会社山陽アルミ

成果熱処理回数 1回/日→2回/日

この事例のポイント

  • 既存の熱処理設備では炉への出し入れや水冷を人手で行っており、作業効率が悪く作業者が高温にさらされて安全面にも問題があった。
  • 熱処理設備を完全自動化した新たな熱処理設備を導入した。
  • 熱処理回数 1回/日→2回/日。新設備の導入により作業者の負担と安全面のリスクが軽減され、硬度が安定してほぼ全ての製品でJIS規格を満たす硬度が得られ…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社山陽アルミ
所在地岡山県 赤磐市
業種非鉄金属製造業
技術分野熱処理
従業員数35人
資本金1,000万円
設立1979年

事業の背景

山陽アルミは昭和54年創業のアルミ鋳造部品メーカーで、自動車、バイク、農機具などに使われる部品を製造している。少量多品種の生産に対応するグラビティ鋳造を強みとし、金型・木型の設計から出荷まで自社で一貫生産しているため、分業生産に比べて約半分の期間で納品できる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能既存の熱処理設備では炉への出し入れや水冷を人手で行っており、作業効率が悪く作業者が高温にさらされて安全面にも問題があった。
  • 品質・精度人が行う作業のため作業時間がまちまちで、硬度にばらつきが出ることがあった。

やったこと

熱処理設備を完全自動化した新たな熱処理設備を導入した。平成25年11月に搬入・据付を行い、翌年1月から試験的に運用を開始して、試作を重ねながら安定した硬度を得るための温度と時間を見いだした。プログラム入力で一連の投入・取出し作業や温度・時間管理を自動で行うようにした。炉内の位置や対流の具合に応じて時間設定や製品配置を工夫し、人の視点も加えて安定性の向上を図った。

  • 加工機新熱処理設備完全自動化の熱処理炉

事業の効果

  • 熱処理回数 1回/日→2回/日

新設備の導入により作業者の負担と安全面のリスクが軽減され、硬度が安定してほぼ全ての製品でJIS規格を満たす硬度が得られるようになった。1日の熱処理回数が1回から2回に増え、生産性が大幅に向上した。これにより受注の拡大につながると見込まれている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性少量多品種に対応するグラビティ鋳造と、金型から出荷までの一貫生産で約半分の納期という強みが具体的に書かれている。
  • 4
    課題の認識と解決熱処理の人的作業による非効率・不安定という課題を認識し、完全自動化設備で解決する計画が書かれている。
  • 4
    事業化までの道筋平成25年11月搬入、翌年1月から試験運用し適切な温度と時間を検出したという段階的な進め方が具体的に書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制導入や試験運用の経緯は書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務体制の記述は読み取れない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来グラビティ鋳造にこだわり、取引先相談をもとに製品化する点は読み取れるが、熱処理設備投資を経営戦略上どう位置づけるかは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    少量多品種に対応するグラビティ鋳造と、金型から出荷までの一貫生産で約半分の納期という強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    熱処理の人的作業による非効率・不安定という課題を認識し、完全自動化設備で解決する計画が書かれている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標3

    1日1回から2回への熱処理回数増加など目標らしき記述はあるが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    導入や試験運用の経緯は書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務体制の記述は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    JIS規格硬度を安定して出せる点と取引先からの受注拡大が示されるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋4

    平成25年11月搬入、翌年1月から試験運用し適切な温度と時間を検出したという段階的な進め方が具体的に書かれている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    JIS規格を安定して上回る硬度の創出は示されるが、同分野での高価格化や普及度についての記述は薄い。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    地域雇用や波及効果の記述はわずかにうかがえるが、国が補助する積極的理由としての記載は乏しい。

  • 費用対効果3

    生産性が大幅に向上し受注拡大につながると書かれるが、補助金投入額に対する効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    完全自動化による省力化は書かれるが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は読み取れない。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    岡山県赤磐市の製造業として地域に根ざす様子はうかがえるが、地域の経済成長を牽引する記述は具体性が薄い。

今後の展望

熱処理技術の高機能化による差別的優位性の確立と、経済的環境変化への挑戦を事業計画に掲げている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。