ものづくり補助金平成25年度製造業新潟県

高融点合金(Ni、Co、Pt等の合金)の連続鋳造技術開発

株式会社ASABA

この事例のポイント

  • Ni(ニッケル)やCo(コバルト)などの非鉄高融点金属について、高品質・高歩留まりの鋳造技術が確立されていない。
  • 5〜10kgを溶解できる高周波誘導加熱装置と、石英管を用いた真空排気装置を含む連続鋳造機を製作し、真空チャンバー内に取り付けた。
  • Niの単体では8mmの連続鋳造品を製作できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ASABA
所在地新潟県
業種非鉄金属製造業
技術分野材料製造プロセス
従業員数31人
設立1962年

事業の背景

Ni(ニッケル)やCo(コバルト)などの非鉄高融点金属の鋳造に対し、これら金属を原料とする電線業界や貴金属業界からのニーズが高まっている。一方で、これら金属に対する高品質・高歩留まりの鋳造技術は確立されていなかった。会社の主力製品はめっき用ボールと小型鋳造機で、コア技術は銅の連続鋳造技術である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度Ni(ニッケル)やCo(コバルト)などの非鉄高融点金属について、高品質・高歩留まりの鋳造技術が確立されていない。
  • 新製品・新技術電線業界や貴金属業界から高融点金属の鋳造ニーズが高まっているが、それに応えられる連続鋳造技術を持っていない。

やったこと

5〜10kgを溶解できる高周波誘導加熱装置と、石英管を用いた真空排気装置を含む連続鋳造機を製作し、真空チャンバー内に取り付けた。セラミック鋳型と金型を組み合わせた鋳型の設計開発を行い、高融点合金(Ni、Co)の連続鋳造テストを実施した。目標は10mmの線材の連続鋳造技術を確立することであった。

  • 加工機連続鋳造機真空チャンバー内設置
  • その他高周波誘導加熱装置5〜10kg溶解用石英管を用いた真空排気装置
  • 金型セラミック鋳型と金型の組み合わせ鋳型

新しい製品・サービス:高融点合金(Ni、Co等)の連続鋳造品

事業の効果

Niの単体では8mmの連続鋳造品を製作できるようになった。Ni、Coの連続鋳造では2,000mm以上の鋳造が可能となり、最長4,000mmまでの連続鋳造に成功した。接合部をオス・メスの円錐状に加工して接着する方法で「湯漏れ」のない構造を確立した。本事業の目的はほぼ計画通りに達成され、非鉄金属鋳造業界でのオンリーワン技術として競争力を得た。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    弊社のコア技術である銅の連続鋳造技術を基盤に高融点金属へ展開すると明記されており、既存事業との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ニッケルやコバルトの高品質・高歩留まり鋳造が未確立という課題に対し、最長4,000mmの連続鋳造を実現し、オンリーワン技術と位置づけている。

  • 課題の認識と解決4

    高品質・高歩留まり鋳造の未確立を課題として認識し、連続鋳造技術の確立と受注獲得による解決策を示している。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    販売目標は1年目150万円から5年目2,000万円と数字で示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員数31人との記載はあるが、補助事業を遂行する担当体制や人材配置についての具体的な説明は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    8mmのニッケル単体の連続鋳造や最長4,000mmの成果があり、電線業界や貴金属業界からの引き合いを見込む顧客ターゲットも示されている。

  • 事業化までの道筋3

    5年間の事業化スケジュールと販売目標の表はあるが、生産の行は空欄で、課題の解決方法の詳細は乏しい。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    非鉄高融点金属の連続鋳造は確立されておらず、同分野で高品質化を図る技術として非鉄金属鋳造業界でのオンリーワンと記載されている。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    自動車関連素材や自動車触媒素材への用途が挙げられているだけで、波及効果や雇用創出など国が補助する理由は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果2

    5年間の販売目標は示されているが、補助金額や投入額に対する付加価値の増加など費用対効果を示す数字は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    自動車関連素材や工業材料への応用が挙げられているだけで、市場成長分野への進出や構造転換との関係は明示されていない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

今後の展望

電線業界(自動車関連素材のワイヤーハーネス等)や貴金属業界(自動車触媒素材等の工業材料)から多数の引き合いが期待される。高融点金属の受注は平成28年度5月期からの獲得を見込んでいる。5年間の販売目標は、2年目の750万円から5年目の2,000万円までを計画している。

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効果:製造ロット 32.5kg→65kg

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。