ものづくり補助金平成24年度岡山県

自動車ハーネス環境耐久試験装置開発

ユアサシステム機器株式会社

この事例のポイント

  • 自動車メーカーからの耐久試験の要求が厳しくなっているが、既存のJIS規格の曲げ試験は方法が古く、試験方法の信頼性に問題がある。
  • 恒温恒湿器内で-40℃の耐環境試験が行える装置を販売する試験機メーカーはなく、ハーネスメーカーは自社で耐久試験機を製作しているが要求を満たしきれていない。
  • 本事業により最上位機種の自動車ハーネス環境耐久試験装置を販売できる体制が整った。

事業者のプロフィール

事業者名ユアサシステム機器株式会社
所在地岡山県 岡山市
技術分野動力伝達
従業員数36人
資本金5,000万円
設立1995年

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度自動車メーカーからの耐久試験の要求が厳しくなっているが、既存のJIS規格の曲げ試験は方法が古く、試験方法の信頼性に問題がある。
  • 新製品・新技術繰り返し評価の安定性に優れ、実機に近い動作で繰り返し試験でき、かつ耐環境試験(-40℃)も行える組み合わせ評価試験の必要性が高まっている。
  • 生産能力自動車ハーネスメーカーからの要求に応える試験機が実現されておらず、主要な自動車ハーネスメーカーへの拡大販売ができていない。

やったこと

恒温恒湿器内で-40℃の耐環境試験が行える装置を販売する試験機メーカーはなく、ハーネスメーカーは自社で耐久試験機を製作しているが要求を満たしきれていない。当社の無負荷曲げ試験とJIS規格の曲げ試験でケーブルの破断面を比較したところ、無負荷曲げ試験は同一箇所で破断し、JIS規格試験は曲げ箇所が安定せずオモリも吊るすため破断箇所にバラつきや伸びが生じた。市販の恒温恒湿槽(-40℃から+100℃を基準)を使い、常温で使っていた無負荷曲げ試験機の機構を組み合わせたところ、摺動部のグリスが-40℃環境で固着し動作不良となった。そこで摺動部に無給油タイプの商品を選定し、組合せの再考と部品精度の研究を行い、-40℃環境での実稼働耐久試験を成功させた。

  • その他自動車ハーネス環境耐久試験装置恒温恒湿器内耐久試験システム

新しい製品・サービス:自動車ハーネス環境耐久試験装置(恒温恒湿器内耐久試験システム)

事業の効果

本事業により最上位機種の自動車ハーネス環境耐久試験装置を販売できる体制が整った。試験治具の交換で複数の試験項目を1台で実現する設計思想を取り入れ、自動車ハーネスからフレキシブルデバイス(有機ELやウェアラブル製品)まで対応できる試験機に改良された。ホームページと総合カタログを一新し、海外ユーザーへの販売実績も増えた。何より新規の顧客が増えたことに成果を感じている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.8 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性自動車メーカーの耐久試験要求の高まりとハーネスメーカーからの要望を踏まえ、無負荷曲げ試験の安定性を強みとして活かす内容が具体的に書かれている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け自動車ハーネスからフレキシブルデバイスまで対応でき、ハーネスメーカーの要望に応える点など、顧客ターゲットと選ばれる理由が具体的に書かれている。
  • 4
    新しさ・高付加価値-40℃の耐環境試験を行える試験機は販売例がないとされ、同分野で高水準の高付加価値化を図る内容が読み取れる。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制開発を成功させた事実はあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての記述はわずかにうかがえるだけである。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    無負荷曲げ試験機の長年の開発技術を基に試験機を拡充しており、過去の取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    自動車メーカーの耐久試験要求の高まりとハーネスメーカーからの要望を踏まえ、無負荷曲げ試験の安定性を強みとして活かす内容が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    JIS曲げ試験の破断箇所のばらつきという課題認識はあるが、高付加価値化や成長への計画数値は書かれていない。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標ー

    公開情報では判断できません。

  • 事業を進める体制2

    開発を成功させた事実はあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての記述はわずかにうかがえるだけである。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自動車ハーネスからフレキシブルデバイスまで対応でき、ハーネスメーカーの要望に応える点など、顧客ターゲットと選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    -40℃環境での指動部のグリス凝結という問題を、無給油部品への変更と部品精度の研究で解決した手順が書かれている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    -40℃の耐環境試験を行える試験機は販売例がないとされ、同分野で高水準の高付加価値化を図る内容が読み取れる。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    自動車ハーネスの耐久試験の標準機を目指すとあるが、雇用創出や波及効果など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果2

    販売体制の整備や海外販売実績の増加は書かれているが、補助金投入額に対する付加価値増加などの数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    試験機の用途を有機ELなどへ広げた点はうかがえるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は明示されていない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    自動車分野や有機ELなどフレキシブルデバイス分野への進出はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は書かれていない。

  • 地域経済への波及ー

    公開情報では判断できません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。