ものづくり補助金平成24年度岡山県

可動式高出力YAGレーザー溶接機の導入による、高精度・短納期化の実現と大型金型補修・出張溶接分野への進出により、ニッチ市場での事業拡大を目指す。

株式会社瀬戸内クラフト

成果作業スピード 1倍→1.3倍

この事例のポイント

  • 既存のレーザー溶接機はヘッドが上下にしか動かず、角度のある部分の溶接はワークを自力で傾けて調節する必要があり、重量物への作業が難しかった。
  • 平成26年1月に新型YAGレーザー溶接機を導入した。
  • 作業スピード 1倍→1.3倍。高出力で可動域の大きい新型溶接機の導入により、作業効率が大きく向上し、ラクにスピーディに安定した精度を出せるようになっ…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社瀬戸内クラフト
所在地岡山県 瀬戸内市
技術分野塗装
従業員数2人
資本金500万円
設立2007年

事業の背景

主な事業は小型から中型の金型肉盛補修と部品溶接加工である。製造業に欠かせない金型について、高精度かつ短納期・安価な補修へのニーズは極めて高い。社長兼技術者の金型知見に基づく補修技術が支持され、多様な業種から受注を得ていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力既存のレーザー溶接機はヘッドが上下にしか動かず、角度のある部分の溶接はワークを自力で傾けて調節する必要があり、重量物への作業が難しかった。
  • 人手・技能形状によっては作業者が無理な体勢を強いられ、作業の安定性も効率も悪かった。
  • 生産能力作業台が狭く大型物が扱えず、パワーも弱くスピーディな作業ができないことが業務の制約になっていた。

やったこと

平成26年1月に新型YAGレーザー溶接機を導入した。アーム付け根・中央・ヘッドがそれぞれ旋回・屈折し、レーザー光の角度を変えられる旋回レンズを備え、本体が可動式であることを選定のポイントとした。アームとヘッド、レンズが自在に動くため、どの形状や大きさのワークにも最適な体勢で連続作業ができる。本体にキャスターが付いており、客先へ機械ごと出向いて補修できる。従来機と比べて1.3倍のスピードアップが可能な性能を持つ。

  • 加工機可動式高出力YAGレーザー溶接機

新しい製品・サービス:可動式高出力YAGレーザー溶接機

事業の効果

  • 作業スピード 1倍→1.3倍

高出力で可動域の大きい新型溶接機の導入により、作業効率が大きく向上し、ラクにスピーディに安定した精度を出せるようになった。大型物が扱えること、出張溶接ができることで受注できる仕事の幅が格段に広がり、大型金型も金型を動かさず補修できるため顧客に大変喜ばれている。HPでの広報により飛び込みの新規顧客も安定して増えている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.8 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性出張溶接に対応する業者は全国的にも類を見ず大きな差別化につながるとあり、従来機比1.3倍のスピードアップも示されている。
  • 4
    課題の認識と解決ヘッドの可動性不足や作業台の狭さ、出力不足という課題を挙げ、可動式機で解決したと具体的に示されている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け金型補修で高精度・短納期・安価なニーズが極めて高いとし、出張補修が顧客メリットになる点や新規顧客が安定して増えている点が示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標従来機比1.3倍のスピードアップは示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    既存のレーザー溶接機の制約を解消する導入と説明されており、金型補修という事業の延長線上にあると読み取れる。過去の取組との連続性は具体的には示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    出張溶接に対応する業者は全国的にも類を見ず大きな差別化につながるとあり、従来機比1.3倍のスピードアップも示されている。

  • 課題の認識と解決4

    ヘッドの可動性不足や作業台の狭さ、出力不足という課題を挙げ、可動式機で解決したと具体的に示されている。

事業の実現可能性2.6
  • 付加価値・賃上げの目標2

    従来機比1.3倍のスピードアップは示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数2人で技術者1人が経営し営業スタッフもいないとあり、体制の厚みはうかがえるが、補助事業遂行体制の説明は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    金型補修で高精度・短納期・安価なニーズが極めて高いとし、出張補修が顧客メリットになる点や新規顧客が安定して増えている点が示されている。

  • 事業化までの道筋2

    福岡支店の展開や広島への展開、3Dプリンター金型への対応など今後の方向性はあるが、スケジュールや課題解決方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    同等の溶接機で出張溶接に対応する業者は全国的に類を見ないとあり、ニッチ市場での高付加価値化がうかがえる。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    製造業に不可欠な金型補修の需要や大型船舶分野への展開がうかがえるが、国が補助する積極的理由は示されていない。

  • 費用対効果2

    1.3倍のスピードアップや大型金型の出張補修による顧客メリットは示されるが、補助金額に対する費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献ー

    公開情報では判断できません。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    岡山県瀬戸内市の企業で、出張補修により県外へ展開し地域外の顧客を取り込む点は読み取れるが、地域の雇用創出への言及は薄い。

今後の展望

平成30年に福岡へ支店を置いて同様の業務を提供しており、広島にも展開して大型船舶分野などへの進出を考えている。3Dプリンター製金型の普及も見込み、固有の性質に合わせた溶接方法を早期に確立する方針である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。