ものづくり補助金平成24年度香川県

突き刺し防止手袋の生産及び開発

有限会社ポルテ

この事例のポイント

  • 地場産業である手袋生産が衰退しており、従来の強みだけでは手袋分野での事業拡大が難しかった。
  • 既存の立体手袋の自動縫製システムを活用しつつ、プログラム電子ミシンとレーザー加工機を新たに導入した。
  • プログラム電子ミシンの導入により縫製スピードが大きく向上し、生産性が高まった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社ポルテ
所在地香川県 東かがわ市
業種衣服・その他の繊維製品
技術分野繊維加工

事業の背景

創業以来、高機能アラミド繊維製品の製造を行い、半導体製造装置用副資材やアパレルファッションなど多岐にわたる業界に貢献してきた。従来の強みは半導体製造装置用副資材やレーザーカット加工、自動プログラム電子ミシン加工、線材の自動ミシン縫付加工(特許取得済み)だった。一方で、地場産業である手袋生産は衰退傾向にあった。自社開発した立体手袋の自動縫製化は特許2件を取得しており、国内で品質の安定した生産を可能にしている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • その他地場産業である手袋生産が衰退しており、従来の強みだけでは手袋分野での事業拡大が難しかった。
  • 新製品・新技術高知県の農協から柚子の収穫時に棘が刺さって困るという相談があり、突き刺しを防ぐ手袋を開発する必要があった。
  • 生産能力手袋の生産スピードと品質を高めるため、縫製と裁断の設備を新たに導入する必要があった。

やったこと

既存の立体手袋の自動縫製システムを活用しつつ、プログラム電子ミシンとレーザー加工機を新たに導入した。プログラム電子ミシンは縫製データをパソコンで作成し、糸調子をデジタル化することで、ステッチの美しさや糸のしまりを均一にできるようにした。レーザー加工機は45W機を導入し、従来の35W機と比べて一度に大量の裁断ができるよう裁断エリアを広げ、照射レンズの性能を上げることで裁断面の焦げやバリを減らした。導入の前には手袋インナー部の縫製テストやレーザー加工機での加工テストを行い、目標とする機械性能を満たすことを確認した。型紙のデジタル化により、データの修正と管理の効率化も図った。

  • 加工機プログラム電子ミシンレーザー加工機45W機

新しい製品・サービス:オールカバー突き刺し防止手袋

事業の効果

プログラム電子ミシンの導入により縫製スピードが大きく向上し、生産性が高まった。糸調子のデジタル化で縫い目が均一になり、製品の不具合が減って品質が向上した。レーザー加工機の導入では裁断エリアや裁断スピードが向上し、焦げやバリが減って製品の品質も改善した。縫製データや型紙のデジタル化により管理の効率化も実現した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性自社の立体手袋自動縫製特許2件と国内で品質安定生産を可能にした点、既存の裁断・縫製技術を活かす強みが具体的に示されている。
  • 4
    課題の認識と解決地場手袋産業の衰退という課題を認識し、農協からの相談を受けて安全な手袋を開発し代理店販売へ展開する実効性ある計画になっている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け農家や医療廃棄物処理業者など具体的なターゲットと、農協からの相談というニーズの裏付けがあり、安全と細かな動きの両立が選ばれる理由として整理されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、生産スピード向上などの定性的成果のみで目標の実現可能性は読み取りにくい。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    高機能アラミド製造から手袋自動縫製への流れや過去の特許取得など一貫した事業経緯が書かれ、手袋事業強化が位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    自社の立体手袋自動縫製特許2件と国内で品質安定生産を可能にした点、既存の裁断・縫製技術を活かす強みが具体的に示されている。

  • 課題の認識と解決4

    地場手袋産業の衰退という課題を認識し、農協からの相談を受けて安全な手袋を開発し代理店販売へ展開する実効性ある計画になっている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、生産スピード向上などの定性的成果のみで目標の実現可能性は読み取りにくい。

  • 事業を進める体制3

    機械選定・発注・導入・テスト加工の3ステップで計画を進め、支援機関からの申請支援も受けており体制は一定程度確保されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    農家や医療廃棄物処理業者など具体的なターゲットと、農協からの相談というニーズの裏付けがあり、安全と細かな動きの両立が選ばれる理由として整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    導入日やテスト加工を経て改良し、今後は代理店販売や展示会PRを行うスケジュールと課題解決の方向性が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    針や刃から守る手袋で動きやすさも両立させた新規性があり、既存の一般的な手袋より高付加価値な製品として位置付けられている。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    地場産業である手袋産業の維持や、一次産業・産廃業など幅広い業界への波及が見込まれる点が読み取れる。

  • 費用対効果2

    設備導入による生産性・品質向上は述べられているが、補助金額に対する付加価値増加などの費用対効果を示す数字は乏しい。

  • イノベーションへの貢献3

    デジタル化した縫製データやレーザー型紙の管理など先端的な設備活用があり、産業のイノベーションに一定の貢献が見込める。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    手袋産業の構造転換や成長分野への進出について明示的な記述は薄く、言及は限定的。

  • 地域経済への波及3

    香川県東かがわ市の地場産業である手袋生産を活かし、地域の既存技術を基盤に製品開発と販売を進める点が読み取れる。

今後の展望

現在はユーザーの意見を反映して突き刺し防止手袋の強度を増し、動きやすさも改良した。今後は取引のある全国数社の代理店を通じて販売し、ギフトショーなど大規模展示会でのPRやインターネット広告にも力を入れる。医療廃棄物処理業者や産廃業者、土木建築業者、農家などへのアプローチや、企業向けの直接販売(B to B)も目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。