ものづくり補助金平成24年度三重県

レーザ溶接技術の確立による高品質、低コストな溶接部品の試作開発

エバ工業株式会社

成果板厚 2.3mm→1.6mm

この事例のポイント

  • 工作機械や一般産業機械の薄物板金では溶接にTIGを使うことが多いが、車や家電並みの美観や仕上げが求められるようになっている。
  • 導入したYAGレーザ溶接機の標準設定のうち、強度上問題がない条件を選定し、材料の材質・板厚、溶接加工方法、出力などに応じたテスト溶接加工を行い、最適加工条件を確立した。
  • 板厚 2.3mm→1.6mm。YAGレーザ溶接で製作したカバー類は溶接熱の影響をほとんど受けず、裏面の塗装にも歪が見られなかった。

事業者のプロフィール

事業者名エバ工業株式会社
所在地三重県 東員町
技術分野溶接
従業員数164人
資本金6,000万円

事業の背景

同社は50年を超えるFMS作りの技術・経験を生かし、機械システムを提供している一般機械器具製造業である。工作機械や一般産業機械の薄物板金では溶接にTIGが一般的に用いられているが、車や家電並みの美観や仕上げを求めるユーザーニーズが高まっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度工作機械や一般産業機械の薄物板金では溶接にTIGを使うことが多いが、車や家電並みの美観や仕上げが求められるようになっている。
  • 品質・精度塗装後に板金表面へ出る歪みやそりが問題になっており、その削減が必要になっている。
  • コスト・採算部品の軽量化とコスト削減も同時に求められている。

やったこと

導入したYAGレーザ溶接機の標準設定のうち、強度上問題がない条件を選定し、材料の材質・板厚、溶接加工方法、出力などに応じたテスト溶接加工を行い、最適加工条件を確立した。装飾カバーの薄鋼板を従来の2.3mmから1.6mmに薄くした試作設計を行い、確立した条件で試作品を製作した。製作品を塗装して表面の見栄えや出来栄えを評価し、従来のTIG溶接との比較で優位性を検証した。加えて製品のコスト検証と引張り試験を実施し、総合評価を行った。

新しい製品・サービス:薄鋼板1.6mmのカバー類に対応する、YAGレーザ溶接による溶接工法と試作部品

事業の効果

  • 板厚 2.3mm→1.6mm
  • 従来品と比べて約30%程度製作コストを低減

YAGレーザ溶接で製作したカバー類は溶接熱の影響をほとんど受けず、裏面の塗装にも歪が見られなかった。塗装後に発覚する表面不良が大幅に減少すると見込まれる。出来栄えの品質が向上し、改修による無駄な費用や納期遅れによる顧客への迷惑も解消できる見込みとなった。製作時間の比較では30%近いコスト削減効果が得られた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    50年を超えるFMS技術の蓄積を生かし、YAGレーザ溶接を外観装飾カバー類へ広げる取組として位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    家電並みの美観を求める市場ニーズを捉え、自社の板金技術を生かして溶接品質を高める方向性が示されている。

  • 課題の認識と解決4

    溶接の歪・そりや改修による無駄な費用、納期遅れを課題として挙げ、YAG溶接で解決する方針が具体的に書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    従来品に比べ製作コストを約30%低減できたと数値で示されているが、売上や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    事業を遂行する人材や体制については、事例の文章に具体的な記載がほとんど見られない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    家電並みの美観と仕上げを提供できる点が強みとして示されているが、顧客ターゲットの整理は限定的である。

  • 事業化までの道筋3

    条件設定、テスト溶接、試作1次・2次設計、引張り試験と検証の順序が示されているが、スケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    薄鋼板1.6mmでTIG溶接の不具合を軽減する高付加価値化を図る内容だが、市場の普及度についての記述は乏しい。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    工作機械や一般産業機械分野の品質向上にとどまり、経済波及や雇用創出などの国が補助する理由は読み取れない。

  • 費用対効果3

    約30%の製作コスト低減と改修費用の削減が示されているが、投入額と付加価値の関係は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    最先端のレーザ溶接技術を取り入れたとあるが、サプライチェーン全体への貢献までは書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    工作機械以外の工場設備へ展開し新たな分野を開拓すると述べられているが、成長分野や構造転換との関係は書かれていない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

今後の展望

YAGレーザ溶接機の優位性を生かし、従来の取引先では実績のない装置の受注につなげる。溶接加工技術を磨き、工作機械以外の工場設備にも展開して新たな分野を開拓する考えである。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。