ものづくり補助金平成24年度岡山県

『サイディングプレカット』事業進出に向けた試作開発への取り組み

弘化産業株式会社

この事例のポイント

  • 従来は建設現場で寸法を採り、1枚ずつカットして張り付けていたため、裁断に伴う騒音及び粉塵が懸念されていた。
  • 現場での採寸データに基づき、工場内で必要な形状をあらかじめカットする「サイディングプレカット」に取り組んだ。
  • 工場内でのプレカットから現場の施工工事までを当社で一貫して実施できるようになり、業界で大きな優位性を確保できたと考えている。

事業者のプロフィール

事業者名弘化産業株式会社
所在地岡山県 倉敷市
業種木材・木製品製造業
技術分野発酵
従業員数45人
資本金2,000万円
設立1969年

事業の背景

住宅の外壁材には低コストで施工性が高く、住宅の洋風化に合う意匠性があることから、窯業系サイディングが多く使用されている。当社もサイディングの製造と施工を行っているが、従来は現場での採寸と裁断に伴う騒音・粉塵や切り屑の廃棄が課題となっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来は建設現場で寸法を採り、1枚ずつカットして張り付けていたため、裁断に伴う騒音及び粉塵が懸念されていた。
  • コスト・採算サイディング材の切り屑は裁断後にリサイクルされず産業廃棄物として廃棄されており、材料ロスが増える傾向があった。
  • 人手・技能割付作業は熟練技術者の経験やノウハウに頼っていた。

やったこと

現場での採寸データに基づき、工場内で必要な形状をあらかじめカットする「サイディングプレカット」に取り組んだ。ソフトウェア業者、加工機メーカーと連携し、外装工事に特化した加工機制御ソフトウェアを開発した。CAD図面は一般的な建物全体の入力を必要とせず、必要箇所のCAD図面のスキャン処理のみで対応できる仕様とし、加工寸法を1mm単位で製作できるようCADデータを自動補正する機能を設計した。割付作業を見える化するため、目地幅や出隅、建具位置を正確に計算した割付図面と板取図を作成するプログラムを構築した。出隅接着では新たに斜め切断機と高周波接着機を本社工場に搬入・設置し、使用する刃の選定と工場レイアウトの最適化を行った。高周波加熱の条件出しを行い、出隅の斜め切断角度と合わせて十分な接着強度が得られる製造条件を確定した。施工予定の数棟の外壁CAD/CAM図面を用いて試作を行い、加工精度と出隅接着状況を確認し、結果に基づいてソフトウェアと接着機の動作を調整した。

  • ソフト加工機制御ソフトウェアサイディング割付ソフト
  • 加工機斜め切断機高周波接着機

新しい製品・サービス:サイディングプレカット

事業の効果

工場内でのプレカットから現場の施工工事までを当社で一貫して実施できるようになり、業界で大きな優位性を確保できたと考えている。現場での騒音や切り屑の発生を抑えるゼロエミッション化を実現し、業界での競争力を強化した。今後は、ローコストのニーズがある住宅や、省スペース化・騒音や粉塵対策が求められる都市部を中心に受注増を目指し、岡山県のリーディングカンパニーとなることを目指す。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決騒音・粉塵、切り屑の産廃化という課題を明示し、プレカットとゼロエミッション化で解決する具体的な方策が示されている。
  • 4
    事業化までの道筋ソフト開発、斜め切断・高周波接着の条件出し、数棟の試作と修正という段階的な遂行方法と課題解決の流れが示されている。
  • 4
    新しさ・高付加価値県内でプレカットに取り組む事業者が少ないことを示し、業界で高い優位性を確保する高付加価値化の方向性が読み取れる。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、受注増や定着化といった定性的な方向性のみが記されている。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    現場採寸・切り屑廃棄という従来課題を起点にプレカット事業へ進む流れは読めるが、過去の取組との連続性は具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    岡山県内でプレカット対応の事業者が少ないことや、施工まで一貫実施できる点が優位性として書かれている。市場データ等の裏付けは薄い。

  • 課題の認識と解決4

    騒音・粉塵、切り屑の産廃化という課題を明示し、プレカットとゼロエミッション化で解決する具体的な方策が示されている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、受注増や定着化といった定性的な方向性のみが記されている。

  • 事業を進める体制3

    ソフトウェア業者や加工機メーカーとの連携、試作による調整の実施が書かれているが、社内の体制や人材は具体的でない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    ローコストや都市部の騒音・粉塵対策のニーズに言及するが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は限定的。

  • 事業化までの道筋4

    ソフト開発、斜め切断・高周波接着の条件出し、数棟の試作と修正という段階的な遂行方法と課題解決の流れが示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    県内でプレカットに取り組む事業者が少ないことを示し、業界で高い優位性を確保する高付加価値化の方向性が読み取れる。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    騒音・粉塵の低減や産廃削減に触れるが、雇用創出や波及効果など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果2

    材料ロスや作業効率の改善に触れるが、補助金額に対する付加価値増加や生産性の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    CAD/CAM連携や割付シミュレーションなどデジタル技術の活用が示されるが、業界全体への波及効果は具体的に書かれていない。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    岡山県のリーディングカンパニーを目指すとあり地域での位置づけは読めるが、地域特性を活かした雇用や成長への具体的な効果は薄い。

今後の展望

岡山県内でサイディングプレカットに取り組むメーカーは少ないため、早期の事業定着化を図り、同事業における岡山県のリーディングカンパニーとなることを目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。