ものづくり補助金平成28年度製造業三重県

新素材であるハイテン材を加工する大型金型を内製化し、低価格化・短納期化を実現する事業

エフテック株式会社

成果対応可能サイズ 2,000㎜(長さ)→3,000㎜(長さ)

この事例のポイント

  • 現有機の最大加工サイズは2000×900×700㎜で、取引先が要求する3000×1200×1000㎜の大型金型に対応できない。
  • 新たにマシニングセンタを導入し、同社の強みである一貫製作金型の大型化に対応する生産体制を構築した。
  • 対応可能サイズ 2,000㎜(長さ)→3,000㎜(長さ)。大型金型の内製化により、一貫製作で高品質な大型金型を製作できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名エフテック株式会社
所在地三重県 鈴鹿市
業種輸送用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数22人
資本金2,000万円

事業の背景

同社は主に自動車用シートの金型の試作開発及び量産用プレス金型の製作を行っている。特にホンダ車で採用されているシート全体の約6割において、量産ライン立上げ前に各シートメーカーと共に試作開発を行っている。自動車の軽量化と安全性向上のため高張力鋼(ハイテン材)の採用が進み、プレス機は600トンから1200トンへ、金型サイズは2000×800×600㎜から3000×1200×1000㎜へと大型化している。一方で大型金型を製作できる企業は少なく需給は逼迫し、納期は遅れがちで価格も急騰している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力現有機の最大加工サイズは2000×900×700㎜で、取引先が要求する3000×1200×1000㎜の大型金型に対応できない。
  • コスト・採算大型金型は全て外注に依存しており、運搬・管理に時間とコストがかかり、再加工を見込んだ余裕のある納期設定が低価格化を阻んでいた。
  • 納期・工程外注での製作により納期が6か月かかり、取引先が要求する4か月の納期に応えられなかった。

やったこと

新たにマシニングセンタを導入し、同社の強みである一貫製作金型の大型化に対応する生産体制を構築した。対応可能サイズは2000×900×700㎜から3000×1200×1000㎜へ拡大し、精度は0.1㎜程度の誤差から0.01㎜以内に高めた。取引先及び社内で成形シミュレーションを行い、成形性を分析したうえで、出来上がった金型・製品を三次元形状測定機にて0.01㎜単位で測定し、誤差を金型に反映して修正する体制とした。設計から加工・トライまでを内製化し、外注比率を50%から0%にした。

加工機新たに導入したマシニングセンタ

事業の効果

  • 対応可能サイズ 2,000㎜(長さ)→3,000㎜(長さ)
  • 精度 0.1㎜→0.01㎜
  • 納期 6か月→4か月
  • 価格 100%→90%
  • 外注比率 100%→0%

大型金型の内製化により、一貫製作で高品質な大型金型を製作できるようになった。外注に頼っていた工程が社内に移ったことで、納期は他社と比べ平均20~30%程度短縮でき、納入価格は他社と比べ15%ほど抑えられる。取引先の要求する納入価格は5%減が可能となった。仕様変更にも他社と比べ50%程度早く対応できる。大型金型の製作が可能になったことで、本件事業前に打診のあった量産金型の受注にも対応し業容は拡大している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    自動車用シート金型の試作・量産を手がけ、ホンダ車シートの約6割で試作開発に関わるとの記載があり、既存事業との一貫性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    大型金型の需給逼迫と外注依存を背景に、一貫製作で納入価格を15%抑えられる点や、納期を20~30%短縮できる点が具体的に示されている。

  • 課題の認識と解決5

    加工機の限界(最大2000×900×700mm)と外注比率50%を課題に挙げ、マシニングセンタ導入で3000×1200×1000mmに対応する数値目標と結果が示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    納期を6か月から4か月へ33%減、価格を10%減、外注比率を0%とする目標と結果が表で示され、取引先要求の5%減も記載されている。

  • 事業を進める体制3

    全工程の内製化や三次元形状測定機の全工場配置など体制の記述はあるが、補助事業を担う人員や事務処理面の具体性は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ハイテン材対応の大型金型という価値、取引先の完成車メーカーからの要望、精度0.01mm以内という選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    導入設備による現状・目標・結果の整理はあるが、中長期の検証や補助事業のスケジュールについての記述は少ない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ハイテン材対応の大型金型は対応できる企業が東海地方で5社程度しかないと記載され、同分野で高水準の差別化が示されている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    軽量化による温室効果ガス抑制や安全性向上に寄与するとの社会的意義は書かれているが、波及効果や雇用創出の数字は示されていない。

  • 費用対効果3

    外注費削減や納期短縮などの効果は示されているが、補助金投入額に対する付加価値増加などの費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    成形シミュレーションや三次元形状測定機の活用が記載され、サプライチェーンへの貢献も示唆されるが、イノベーションとしての具体性は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    自動車の軽量化やEV普及が背景として記載されるが、日本経済の構造転換に資するという明確な記述はわずかにうかがえる程度。

  • 地域経済への波及2

    東海地方で5社程度という地域的希少性は書かれるが、地域の特性を活かした雇用創出や地域成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

設計・プレス、組み付けまで一貫した試作ができる企業は東海地方でも同社を含め5社程度しかない。大型金型の製作が可能となったため、本件事業前に打診のあった量産金型の受注にも対応し業容は拡大している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。