ものづくり補助金平成24年度広島県

革新的次世代がん診断を目指した血液中エクソソーム検出のための前処理機器システムの開発

株式会社ミルテル

成果超遠心により115nm程度の微小胞が濃縮された。

この事例のポイント

  • 血液からエクソソーム・マイクロRNAを多検体簡便に測定できる方法が確立されていなかった。
  • 医療機関から送られる血液から遠心法、超遠心法、サイズ分画などを検証し、エクソソーム分画方法を確立した。
  • 超遠心により115nm程度の微小胞が濃縮された。血液からエクソソームを分離し、目的のサイズの粒子数のみを分離できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ミルテル
所在地広島県 広島市南区
業種はん用機械器具・生産用機械器具・業務用機械器具製造業
技術分野発酵
従業員数3人
資本金950万円
設立2012年

事業の背景

がん等の疾患検査では、高精度・高感度で簡便に超早期予測できる方法が求められている。血液中のエクソソーム・マイクロRNAは超早期発見の分子マーカーとして国内外で注目されている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力血液からエクソソーム・マイクロRNAを多検体簡便に測定できる方法が確立されていなかった。
  • 人手・技能血液からエクソソーム・マイクロRNAを定量的に分離・精製する方法が確立されていなかった。
  • 人手・技能血漿や測定試薬を自動的に分取し96ウエルプレートへ自動分注できる装置がなかった。

やったこと

医療機関から送られる血液から遠心法、超遠心法、サイズ分画などを検証し、エクソソーム分画方法を確立した。遠心法と濾過法を組み合わせ、目的のサイズの粒子のみを分離できた。分離したエクソソーム中のマイクロRNAを、リアルタイムPCR法で定量的に測定できるシステムを構築した。多検体処理の基盤として、自動分注装置JANUSによる自動化システムを構築した。温度制御や撹拌が可能な機器として、エクソソーム・マイクロRNA解析自動機を開発した。

新しい製品・サービス:血液中エクソソーム・マイクロRNA検出のための前処理・自動測定機器システム

事業の効果

  • 超遠心により115nm程度の微小胞が濃縮された。

血液からエクソソームを分離し、目的のサイズの粒子数のみを分離できるようになった。分離したエクソソーム中のマイクロRNAを定量的に測定できるシステムを構築した。自動分注装置による多検体処理の基盤を作り、将来の汎用性を見据えた解析自動機を開発した。これにより、エクソソーム・マイクロRNA解析の実用化における効率化が達成できると見込まれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    付加価値・賃上げの目標5年後に5億円の売上目標が具体的に示されているが、現在の売上3,500万円との対比や付加価値・賃上げの数値目標はない。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け膵臓癌・乳癌・認知症の早期リスク検査という対象疾患と、技術導入先が選別したバイオマーカーを高精度に検出できる点が示されている。
  • 4
    新しさ・高付加価値血液中エクソソーム・マイクロRNAによる超早期診断は国内外で注目される新分野で、一般的な普及度は低いと読み取れる。

伸びしろがあった観点

  • 2
    これまでの取組との一貫性平成24年設立の小規模企業で、テロメア長測定やマイクロRNA検査の実施が書かれ、過去の取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。
経営戦略との整合性2.7
  • これまでの取組との一貫性2

    平成24年設立の小規模企業で、テロメア長測定やマイクロRNA検査の実施が書かれ、過去の取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    独自性の高いテロメア長測定技術や特許を有すると書かれ強みは読み取れるが、市場規模や競合との比較など外部環境の記述はない。

  • 課題の認識と解決3

    早期発見の難しい膵臓癌などの課題認識と、5年後に5億円の売上を目指すとの目標はあるが、課題解決の具体的な計画は薄い。

事業の実現可能性3.4
  • 付加価値・賃上げの目標4

    5年後に5億円の売上目標が具体的に示されているが、現在の売上3,500万円との対比や付加価値・賃上げの数値目標はない。

  • 事業を進める体制3

    従業員3人と広島大学教授との協力体制は書かれるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    膵臓癌・乳癌・認知症の早期リスク検査という対象疾患と、技術導入先が選別したバイオマーカーを高精度に検出できる点が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    臨床検体の評価や検査開始の展望はあるが、中長期のスケジュールと課題解決方法の具体的な記述は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    血液中エクソソーム・マイクロRNAによる超早期診断は国内外で注目される新分野で、一般的な普及度は低いと読み取れる。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    認知症の超高齢化対策や国の5ヶ年事業への言及はあり社会的意義はうかがえるが、経済波及や雇用創出の数値はない。

  • 費用対効果2

    補助金投入額や付加価値増加、生産性向上の数値は書かれておらず、費用対効果はわずかにうかがえるのみである。

  • イノベーションへの貢献3

    自動分注装置JANUSによる多検体処理の自動化システムを構築したと書かれ、先端技術の活用は読み取れるが、サプライチェーンへの貢献は薄い。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    がん診断や認知症対策は国の政策と関連するとわずかにうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    広島市に所在する企業だが、地域特性を活かした雇用や地域経済成長への言及はわずかにうかがえる程度である。

今後の展望

今回システム化した方法で臨床検体を評価し、弊社他の検査と併せて5年後に5億円の売上を目指す。膵臓癌、乳癌の早期疾患リスク検査の開始や、認知症の発症予防への活用が期待されている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。