ものづくり補助金平成26年度製造業石川県

建設機械における最新溶接施工技術のIoT活用による解体機アタッチメントへの展開

株式会社タガミ・イーエクス

成果ロボット溶接化率 20%→55%

この事例のポイント

  • 解体機アタッチメント部品の溶接は溶接量全体の約20%しかロボット化されておらず、ロボットによる溶接の自動化が進んでいなかった。
  • 高精度アークセンサーを有するコマツC4式溶接ロボットシステム(解析・監視システム含む)を導入するとともに、2次元図面を3次元化する3D-CADシステムを導入し、テスト溶接を行った。
  • ロボット溶接化率 20%→55%。溶接ロボットの導入により、曲線部や狭い場所を含む複雑な形状にも追従できるようになり、解体機アタッチメント部品のロボット…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社タガミ・イーエクス
所在地石川県 能美市
業種生産用機械器具製造業
技術分野接合・実装,機械制御
従業員数250人
資本金6.2億円
設立1969年

事業の背景

一般的に建設機械部品の溶接は直線が多く曲線の少ない比較的単純な形状で、溶接量全体の約90%をロボットで行っていた。一方、解体機は圧砕工法の普及以降、新しいタイプの機種が次々に開発され、従来型の溶接ロボットでは複雑な曲線部の本アタッチメント部品に追従しにくかった。破砕解体機市場は老朽化建築物の解体需要やインフラ整備需要の高まりを受けて高い成長性を維持している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力解体機アタッチメント部品の溶接は溶接量全体の約20%しかロボット化されておらず、ロボットによる溶接の自動化が進んでいなかった。
  • 人手・技能解体機アタッチメント部品は特殊溶接ワイヤーを多く使うため、テスト溶接を熟練技能者が従来通り行う必要があった。

やったこと

高精度アークセンサーを有するコマツC4式溶接ロボットシステム(解析・監視システム含む)を導入するとともに、2次元図面を3次元化する3D-CADシステムを導入し、テスト溶接を行った。工場内LANシステムも改造した。ロボットには高周波ウィービングを備え、従来12Hzだったものを30Hzに高めて形状をより細かく位置認識できるようにした。高精度アークセンサーは溶接中に変化する電流値を従来機の10倍の精度で補正できる。解体機アタッチメント部品のテスト溶接は、特殊材料を特殊ワイヤーで溶接するため熱量等を管理する必要があり、当社の熟練技能者が従来通り行った。

ロボット溶接ロボット(コマツC4式溶接ロボットシステム、解析・監視システム含む)
その他高精度アークセンサー
ソフト3D-CADシステム
その他工場内LANシステム
ソフト分析アプリケーション

新しい製品・サービス:解体機アタッチメント部品への最新溶接施工技術の展開

事業の効果

  • ロボット溶接化率 20%→55%
  • 高周波ウィービングの周波数 12Hz→30Hz
  • 溶接中に変化する電流値を従来機の10倍の精度で補正できる
  • 生産リードタイムを4割削減

溶接ロボットの導入により、曲線部や狭い場所を含む複雑な形状にも追従できるようになり、解体機アタッチメント部品のロボット溶接化率が全体溶接量の55%へ高まった。生産リードタイムは4割削減された。ロボットの生産データがリアルタイムで蓄積・分析され、溶接条件の最適化と他の溶接ロボットへの技術展開が可能になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去の溶接技術・ノウハウの蓄積を活かす方向性は読めるが、事業の位置づけを示す経営戦略の記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    破砕解体機市場の需要拡大や熟練技能者・溶接ノウハウの強みは書かれているが、競争優位の定量的な比較は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    ロボット溶接量が約20%から55%、生産リードタイム4割削減と課題と効果が具体的に示され、実効性がうかがえる。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    ロボット溶接比率を約20%から55%に、リードタイムを4割削減と目標・実績の数字で示されている。

  • 事業を進める体制2

    熟練技能者や社内LAN改造などの記述はあるが、体制や人材の確保計画は具体的に読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け2

    解体機市場の需要動向は触れられているが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    テスト溶接や導入の経緯は書かれているが、中長期の遂行スケジュールや課題解決方法は読み取れない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    解体機アタッチメントの高度な溶接自動化という同分野内の高水準化を図る方向性はうかがえるが、価格面の記述はない。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    インフラ整備や老朽建築物の解体需要に言及し、社会的な意義は示されているが、雇用創出などの波及効果の数字は薄い。

  • 費用対効果3

    生産リードタイム4割削減など効果は示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献4

    IoT搭載ロボットのデータ分析で溶接条件を最適化し、他ロボットへの展開も示され、イノベーションへの貢献が具体的。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    破砕解体機市場の成長に言及するが、日本経済の構造転換に資する点までは書かれていない。

  • 地域経済への波及2

    石川県能美市の所在は書かれるが、地域の特性を活かした付加価値や雇用創出の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

事業者の声

1965 年の創業以来、「機械」「装置」に関するものづくりを生業とし、多くのお客様やお取引先の皆様に支えられ、少しずつ業容を拡大してきました。薄物板金に始まり、厚板溶接、機械加工、設計、組立と、ものづくりの幅を広げる一方で工作機械、板金・鍛圧機械、建設機械、環境機械とさまざまな分野に携わるようになりました。それらの機械や装置の開発・生産・販売・サービス活動を通じて国際社会のインフラ整備や地球環境保全に貢献することが当社の使命と考えています。その為には常にお客様に評価いただける企業であり続けなくてはならないと新技術・新工法への挑戦も含め日々努力と研鑽を積んでいます。社是「無極」(知恵は極まるところがなく、改善は無限である)の精神で1台1台、プロ魂がこもった商品を世の中に送りだしていきたいと考えています。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。