ものづくり補助金平成24年度広島県

冷却機能を強化した押し出し製麺機及び低価格・高品質の米粉麺の開発

株式会社おこめん工房

成果1ロットの製品製造時間 24時間→3時間

この事例のポイント

  • 米粉麺は小麦麺より単価が高く、小麦麺と競争できる価格にすることが課題である。
  • 麺同士の付着を防ぐため、粉や油を使わない実験を繰り返し、冷却機能を強化した押出し式製麺機を完成させた。
  • 1ロットの製品製造時間 24時間→3時間。製造時間の大幅な短縮により、1ロットの製品製造時間が24時間から最短3時間になり、生産リードタイムが大きく縮まった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社おこめん工房
所在地広島県 三原市
業種食料品製造業
技術分野冷凍空調
従業員数7人
資本金2,000万円
設立2004年

事業の背景

食料自給率の向上や米の生産調整に伴う新規需要米制度の新設により、米の有効利用が求められている。米粉麺の製造はその解決策の一つで、近年は生産量が増加している。一方で米粉麺は現状では小麦麺より単価が高く食感も劣るため、低価格化と品質向上を実現する製造法と製麺機が求められていた。当社は10年にわたり米粉麺を製造販売してきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算米粉麺は小麦麺より単価が高く、小麦麺と競争できる価格にすることが課題である。
  • 品質・精度米粉麺は小麦麺に比べて食感が劣り、消費者に受け入れられる食感の向上が求められている。
  • 生産能力従来の切り出し製麺方法では、麺帯を冷蔵庫で12時間老化させる工程があり、1ロットの生産に約24時間かかる。
  • 人手・技能既存の設備では麺の太さが麺帯の厚さで決まるため人手がかかり、作業者の技量によって品質がばらつく。

やったこと

麺同士の付着を防ぐため、粉や油を使わない実験を繰り返し、冷却機能を強化した押出し式製麺機を完成させた。生地を麺帯にのばして切断する方式から直接麺状に押し出す方式に変えることで、12時間の老化工程を省いた。製麺時に生地へかける圧力を実験で最適値に定め、原材料の配合を調整して小麦麺では出せない喉ごしを実現した。生産過程のほぼ全てをこの製麺機で自動化し、製品の標準化を高めた。

  • 加工機冷却機能を強化した押出し式製麺機

新しい製品・サービス:低価格・高品質の米粉麺(うどん・パスタなど5種類)

事業の効果

  • 1ロットの製品製造時間 24時間→3時間
  • 麺80gあたり14秒から5~6秒に短縮
  • 年当たりの製造量 10万食→25万食
  • 1食あたりの加工費80~90円を50円に下げることができた

製造時間の大幅な短縮により、1ロットの製品製造時間が24時間から最短3時間になり、生産リードタイムが大きく縮まった。年間製造量も2.5倍に増え、既存機械と新型機を合わせて年25万食の製造が可能になった。1食あたりの加工費を50円に下げ、100円を切る販売価格も可能になった。製麺圧力の調整で喉ごしが向上し、うどん・パスタなど5種類の商品を展開して販路拡大を進めている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 5
    課題の認識と解決製造時間を24時間から3時間に短縮し、1食あたり加工費を80~90円から50円に削減、年間製造量を2.5倍にした数字で課題解決と成長が示されている。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性米粉麺は小麦麺より単価が高いという課題を示し、製造コストを1食あたり80~90円から50円に下げた実績があり、強み・課題の認識が具体的。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標製造時間短縮や加工費削減など数値目標の達成が示されているが、賃上げや付加価値額の目標値は書かれていない。

伸びしろがあった観点

  • 2
    成長分野への進出米の需要拡大や新規需要米への対応はうかがえるが、日本経済の構造転換を示す記述はない。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性3

    米粉麺の製造・販売を10年続けてきた実績があり、米粉麺事業を継続する流れは読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    米粉麺は小麦麺より単価が高いという課題を示し、製造コストを1食あたり80~90円から50円に下げた実績があり、強み・課題の認識が具体的。

  • 課題の認識と解決5

    製造時間を24時間から3時間に短縮し、1食あたり加工費を80~90円から50円に削減、年間製造量を2.5倍にした数字で課題解決と成長が示されている。

事業の実現可能性3.4
  • 付加価値・賃上げの目標4

    製造時間短縮や加工費削減など数値目標の達成が示されているが、賃上げや付加価値額の目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員7人の体制と、農協など外部との協力体制は書かれているが、事務処理能力や人材の詳細は記載がない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    小麦麺より安く食感も良い米粉麺という価値、グルテンを含まずアレルギー対応という特徴、顧客ターゲットへの言及がある。

  • 事業化までの道筋3

    今後の課題(ほぐれにくさの克服、外食展開、製麺機販売)と方向性は示されているが、スケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    米粉麺は小麦麺より普及が低い分野とされ、製造時間や価格で高水準の高付加価値化を図る内容が具体的に示されている。

公的補助の必要性3.7
  • 波及効果・雇用4

    食料自給率向上や新規需要米制度に触れ、米の有効利用と地域農業の活性化、高齢化・後継者不足への貢献が書かれている。

  • 費用対効果4

    製造時間短縮や加工費削減、年間製造量2.5倍(既存10万食から15万食増)など投資に対する効果の数字が示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    押出し式製麺機の開発など生産工程の革新は示されるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は限定的。

政策面3.0
  • 成長分野への進出2

    米の需要拡大や新規需要米への対応はうかがえるが、日本経済の構造転換を示す記述はない。

  • 地域経済への波及4

    広島県三原市の地域農業の活性化、農協からの原料米受入れと委託製造による地域連携が具体的に書かれている。

今後の展望

調理時にほぐれにくい点を克服して製品をさらに改良し、販売網を拡大する。米粉麺がグルテンを含まずアレルギー対応食品であることを生かし、外食産業でのメニュー化や海外輸出を目指す。農協からの問い合わせを受けて製麺機の販売も目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。