ものづくり補助金平成24年度広島県

次世代自動測定検査治具の開発

株式会社TODA

この事例のポイント

  • 従来の検査治具は一品一様の製作で、毎回同じ状態にセットして同じ箇所を繰り返し測るため、生産性が悪かった。
  • 広島大学工学部の助言を受け、自動測定検査治具の位置決めブロックが三方向に自動調整できる動きをシミュレーションした。
  • 手動式から自動可動式に変わったことで位置調整にかかる時間が大幅に短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社TODA
所在地広島県 広島市
技術分野プラスチック成形加工
従業員数90人
資本金1,000万円
設立1967年

事業の背景

当社は自動車用検査治具の製造を主力とし、長年培った精度加工技術により構想提案から稼働までを手がけてきた。国内外の多くの自動車メーカーの開発に参画しており、豊富な手動測定の経験を持つ。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来の検査治具は一品一様の製作で、毎回同じ状態にセットして同じ箇所を繰り返し測るため、生産性が悪かった。
  • 納期・工程海外での新たな自動車工場設立に伴い、生産スピードを短縮しつつ検査者の技術に依存しない確実な検査を現地で行うことが課題となっていた。

やったこと

広島大学工学部の助言を受け、自動測定検査治具の位置決めブロックが三方向に自動調整できる動きをシミュレーションした。強度と精度を維持するための材質と部品を選定し、データ入力で指定ポイントへ効率よく位置合わせできる構造を設計検討した。設計レイアウトのたたき台を作成し、それを基にマスターゲージを試作した。読み取り用のレーザーセンサーと三次元測定器を選定し、指定公差をPC上で管理できる専用ソフトを開発した。製品形状に合わせきれない部分は専用パーツの受け面で対応し、次世代自動測定検査治具を試作して製品測定を重ねた。

  • 加工機自動測定検査治具自動可動式の位置決めブロック
  • 検査測定三次元測定器レーザーセンサー
  • ソフト検査結果解析ソフト

新しい製品・サービス:次世代自動測定検査治具(自動可動式の位置決め機構と汎用性のある自動測定機能を備えた検査治具)

事業の効果

手動式から自動可動式に変わったことで位置調整にかかる時間が大幅に短縮された。三次元測定器の利用により原点調整が容易になり、製品の良否判定の時間短縮に大きく貢献することが確認された。ヒューマンエラーの削減も期待できる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性海外自動車工場の立ち上げに伴う検査スピード需要と、自動車用検査具で国内外の評価を得ている強みが具体的に書かれている。
  • 4
    事業を進める体制従業員90人、広島大学工学部との協力体制、担当者の役職などが具体的に書かれている。
  • 4
    事業化までの道筋設計、試作、マスター治具、汎用化、量産化の段階と課題解決の経緯が順序立てて書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標位置調整時間の大幅短縮とあるが数値目標や賃上げ、付加価値向上の目標値は書かれていない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    手動測定の経験とノウハウを活かし自動化へ挑んだ経緯が書かれ、過去の取組との一貫性がうかがえる。経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    海外自動車工場の立ち上げに伴う検査スピード需要と、自動車用検査具で国内外の評価を得ている強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    一品一様の製作による生産性の悪さという課題は示されているが、高付加価値化や成長に結びつく数値計画までは書かれていない。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標2

    位置調整時間の大幅短縮とあるが数値目標や賃上げ、付加価値向上の目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制4

    従業員90人、広島大学工学部との協力体制、担当者の役職などが具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    自動車メーカー向けの検査治具という顧客は示されるが、ニーズの裏付けや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋4

    設計、試作、マスター治具、汎用化、量産化の段階と課題解決の経緯が順序立てて書かれている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性2.0
  • 新しさ・高付加価値2

    自動検査治具は一般的な普及度が不明で、高付加価値化や高価格化を図るとの記述は限定的にしか読み取れない。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    航空機・船舶産業への展開や海外拠点確立に触れるが、雇用創出や波及効果の数値は示されていない。

  • 費用対効果2

    補助金額に対する付加価値増加や費用対効果を示す数値は書かれておらず、時間短縮の定性的記述のみである。

  • イノベーションへの貢献3

    三次元測定器やレーザーセンサーを用いた自動測定でイノベーションに触れるが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    航空機や船舶など新分野への参入を視野に入れるとあるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    広島市の企業であることは分かるが、地域特性を活かした雇用や地域成長への貢献は具体的に書かれていない。

今後の展望

自動車メーカーに実機を見てもらい現場のニーズを聞き取るほか、汎用化とリードタイム短縮によるコスト削減を進め、海外工場設置も視野に入れる。さらに海外拠点の確立や航空機・船舶産業への参入も目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。