ものづくり補助金平成24年度山口県

次世代ウエハサイズに対応する半導体製造装置の部品生産体制の構築

株式会社ひびき精機

この事例のポイント

  • 450mmウエハ対応の大型部品を生産するうえで、ワイヤ放電加工工程が残る大型化のボトルネックになっていた。
  • 西部電機株式会社製の大型ワイヤ放電加工機を新たに導入した。
  • 導入したワイヤ放電加工機は導入から1年余りで高い稼働率を達成し、現在は週4日夜間も連続稼働している。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ひびき精機
所在地山口県 下関市
業種金属製品製造業
技術分野金型
従業員数72人
資本金7,500万円
設立1972年

事業の背景

ひびき精機は機械部品の複合加工で技術と品質管理体制に定評があり、半導体・液晶分野の有力な製造装置メーカーから重要部品の供給を任されている。半導体のウエハは1960年代の口径20mmから2000年代に300mmへ大型化し、450mm化が間近に迫っていた。同社は切削加工工程で大型化への対応を既に終えていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力450mmウエハ対応の大型部品を生産するうえで、ワイヤ放電加工工程が残る大型化のボトルネックになっていた。
  • 新製品・新技術既存のワイヤ放電加工機は加工ワークサイズが小さく切削加工を補う付属機械にとどまっており、今後の受注増には切削加工と放電加工を組み合わせた製品づくりが必要だった。

やったこと

西部電機株式会社製の大型ワイヤ放電加工機を新たに導入した。加工ワークサイズは450mmウエハ製造装置の部品に十分対応できる大きさである。導入前に、装置に合わせた治具を既存の改善内容を加えて設計し、作業手順書も可能な限り事前に作成した。経験の浅い若手オペレーターも配置して部品製作を担当させた。

  • 加工機大型ワイヤ放電加工機西部電機株式会社製

事業の効果

導入したワイヤ放電加工機は導入から1年余りで高い稼働率を達成し、現在は週4日夜間も連続稼働している。自動結線の信頼性が高く、ほぼ100%の結線率により夕方から朝までの連続運転が可能になった。複雑形状の部品でも歪みがなく高精度に加工でき、切削加工との併用ではなく放電加工だけの指名受注も伸びている。若手オペレーターが設計通りの部品を完成させ、人材育成にもつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性切削加工で大型化対応を完了し、残るボトルネックのワイヤ放電加工機を導入する流れが、既存の複合加工技術と一貫している。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性半導体・液晶の大手装置メーカーから重要部品を任される実績と、独自技術・ノウハウを付加した加工を強みとして活かしている。
  • 4
    課題の認識と解決切削とワイヤ放電の組み合わせで顧客の望む製品を作る必要性を課題として認識し、大型機導入で解決している。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標加工スピードや加工精度の改善を達成したとあるが、付加価値額や賃上げの数値目標は示されていない。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性4

    切削加工で大型化対応を完了し、残るボトルネックのワイヤ放電加工機を導入する流れが、既存の複合加工技術と一貫している。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    半導体・液晶の大手装置メーカーから重要部品を任される実績と、独自技術・ノウハウを付加した加工を強みとして活かしている。

  • 課題の認識と解決4

    切削とワイヤ放電の組み合わせで顧客の望む製品を作る必要性を課題として認識し、大型機導入で解決している。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標2

    加工スピードや加工精度の改善を達成したとあるが、付加価値額や賃上げの数値目標は示されていない。

  • 事業を進める体制4

    導入前に治具や作業手順書を事前準備し、若手オペレーターを育成しながら円滑に立ち上げた体制が具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    450mmウエハ対応という顧客ニーズに応え、放電加工のみの指名受注が伸びている点から選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    導入後の立ち上げ課題を習熟時間短縮や不良回避として整理し、準備と結果を踏まえて解決方法を示している。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    450mmウエハ対応の大型部品を高精度・無歪みで加工する点は、同分野で高水準の高付加価値化を示している。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    次世代半導体製造装置の部品供給という業界インフラに関わり、受注増加による効果が示されている。

  • 費用対効果2

    稼働率や受注増加は触れられているが、補助金投入額に対する付加価値増加や生産性の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    切削とワイヤ放電を組み合わせる加工で、半導体製造装置のサプライチェーンの高度化に貢献し得る取組になっている。

政策面2.5
  • 成長分野への進出3

    半導体・液晶分野から航空宇宙・医療・バイオ分野へ進出する方向性が示され、成長分野への展開がうかがえる。

  • 地域経済への波及2

    山口県下関市の企業として地域の工業団地で事業を行うが、地域特性を活かした雇用や経済成長への言及は薄い。

今後の展望

航空宇宙分野に参入し、厳格なマネジメントシステムによるプロセス保証で新たな発展の機会をつかもうとしている。医療・バイオ分野でも人材とプロセスの発展を基に新事業に挑戦する考えである。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。