ものづくり補助金平成24年度山口県

多品種・小ロットの多様なニーズに対応する発酵調味料の包装ラインの構築

有限会社田中醤油醸造場

この事例のポイント

  • 単一パックの専用ラインのため、簡便性や利便性を活かした包装形態に対応できず、販路拡大の大きな阻害要因になっていた。
  • 三光機械製の液体・粘体自動包充填設備(MR10)を導入し、ペアパック及び連切りパックの包装ラインを構築した。
  • 主要顧客の地場水産加工メーカーでは大幅な省力化が達成でき、コストダウンにつながった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社田中醤油醸造場
所在地山口県 下関市
業種食料品製造業
技術分野溶接
従業員数17人
資本金3,000万円
設立1951年

事業の背景

当社は味噌・醤油の製造販売と惣菜業を主力としている。加工食品製造原材料としての味噌・醤油の消費量は横ばいの状況である。自社の主力顧客である地元食品加工メーカーの多様なニーズに応えるため、多品種・少ロットの生産体制を構築し、小回りのきく製造機能を武器に売上拡大を図っている。現状の自社オリジナル商品は3割程度に留まり、7割は主に水産加工メーカーへのOEM製品である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信単一パックの専用ラインのため、簡便性や利便性を活かした包装形態に対応できず、販路拡大の大きな阻害要因になっていた。
  • 生産能力多品種・少ロットの生産体制が整っておらず、複雑化する顧客の多様な包装ニーズに応えられなかった。

やったこと

三光機械製の液体・粘体自動包充填設備(MR10)を導入し、ペアパック及び連切りパックの包装ラインを構築した。ペアパックは内容物を使用直前に混合してから開封して用いる包装形態で、特に中央部の縦シールの熱着精度の向上に取り組んだ。連切りパックは製品を複数個(2〜8連)まとめてフィルムで充填し、フィルムを加熱収縮させてからミシン目を入れる包装方法で、特に製品間のミシン目入れ位置の精度向上に取り組んだ。これらにより、多様な包装形態を多品種・少量・小ロットで対応できる体制を整えた。

  • 加工機液体・粘体自動包充填設備三光機械製 MR10包装充填設備MPZ28R

事業の効果

主要顧客の地場水産加工メーカーでは大幅な省力化が達成でき、コストダウンにつながった。製品スペック上のミスが大幅に削減でき、クレーム防止にもつながるとして高い評価を得た。その結果、新規取引先を3社確保できた。ただし事業実施のスタートが遅れたため、収益として結実するのは当初計画より1年遅れる見込みである。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.1 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性平成26年度の加熱真空減圧ニーダー採択など過去の取組を踏まえ、たれ部門の増産と自社オリジナル商品比率を5割へ引き上げる方針が書かれている。
  • 4
    課題の認識と解決包装ラインが単一パック専用で販路拡大の阻害要因だったという課題認識があり、ペアパック等への対応で新規取引先三社を確保したと書かれている。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標全社売上高を現状より2割程度増加させる目標と、自社オリジナル商品比率を3割から5割へ引き上げる目標が数字で示されている。賃上げ目標は読み取れない。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制従業員17人の企業で社員一丸となって課題解決に取り組むとあるが、補助事業の遂行体制や担当者の具体的な配置は書かれていない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性4

    平成26年度の加熱真空減圧ニーダー採択など過去の取組を踏まえ、たれ部門の増産と自社オリジナル商品比率を5割へ引き上げる方針が書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    単一パック専用ラインが販路拡大の阻害要因だったと課題が示される一方、市場動向や競争優位の根拠は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    包装ラインが単一パック専用で販路拡大の阻害要因だったという課題認識があり、ペアパック等への対応で新規取引先三社を確保したと書かれている。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標4

    全社売上高を現状より2割程度増加させる目標と、自社オリジナル商品比率を3割から5割へ引き上げる目標が数字で示されている。賃上げ目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制2

    従業員17人の企業で社員一丸となって課題解決に取り組むとあるが、補助事業の遂行体制や担当者の具体的な配置は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ペアパックや連切りパックの導入で主要顧客の省力化やコストダウン、スペックミス削減が可能と評価され、新規取引先三社を得たと書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    事業実施のスタートが遅れ収益化が1年遅れる見込み、予期せぬ課題もあったと記載されるが、その解決方法や今後のスケジュールは具体的ではない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    ペアパックや連切りパックなど特殊な包装形態への対応を打ち出しているが、市場での普及度や認知度に関する記述はない。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    地場水産加工メーカーへの省力化・コストダウン効果や新規取引先の確保が述べられるが、地域経済への波及の規模は数字で示されていない。

  • 費用対効果3

    包装工程の生産能力向上や新規取引先三社の確保は書かれているが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値はない。

  • イノベーションへの貢献2

    ペアパック包装などで顧客の省力化に貢献するとあるが、デジタル技術や新ビジネスモデルの活用は記載されていない。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    山口県下関市の地場水産加工メーカーを主要顧客とする地域連携の事業と読み取れるが、雇用創出や地域成長への寄与は具体的に書かれていない。

今後の展望

26年度のものづくり補助金で「加熱真空減圧ニーダー」を導入し、たれ製造工程の生産能力を拡大して包装工程との能力を調和させ、全社売上高で現状より2割程度の増加を目指す。今後は調味料の自社オリジナル商品開発に注力し、自社比率を5割程度まで引き上げたい。また、経営革新計画を新たな事業シーズで申請し、中小企業経営革新事業を通じて支援制度を積極的に活用していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。