ものづくり補助金平成24年度山口県

かざすだけでバイタルデータが収集できる施設向け記録システムの開発

株式会社ニュージャパンナレッジ

この事例のポイント

  • 従来の介護施設向け記録システムは紙媒体のデータをタブレット端末に手作業で入力するため、正確性・迅速性に課題があった。
  • 医療機器メーカーが開発したNFC機能付きバイタル計測機器を活用した。
  • NFCによりバイタルデータを正確かつ迅速に取り込めるようになり、介護職員の記録作業の負担と残業が減る見込みである。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ニュージャパンナレッジ
所在地山口県 山口市
業種情報サービス業
技術分野電子部品・デバイスの実装
従業員数20人
資本金3,050万円
設立1971年

事業の背景

当社は山口県下でも屈指のシステムインテグレーターとして、医療・介護分野向けの各種ソリューションを提供してきた。従来から介護施設向けの記録システムを開発していたが、紙媒体のデータをタブレット端末に入力する方式だった。政府のEHR(健康情報活用基盤)の動向と、近年普及しつつあるNFC(近距離無線通信)技術に着目した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来の介護施設向け記録システムは紙媒体のデータをタブレット端末に手作業で入力するため、正確性・迅速性に課題があった。
  • コスト・採算介護業務後のデータ整理と記録が職員の肉体的疲労と残業の増加を招いていた。

やったこと

医療機器メーカーが開発したNFC機能付きバイタル計測機器を活用した。第一段階では、要介護者の血圧や体温などバイタルデータの読込みと、職員・要介護者の個人識別IDが登録されたNFC対応のICカードの読込みを行い、個人毎のデータ管理をするソフトウェアを組み込んだ専用端末を開発した。第二段階では、専用端末の大きさと小ロット生産時の製作費の問題を解決するため、Android端末を読取機に接続し、スマホを介在させてWeb上でデータ管理ができるように改良し、健康情報のクラウド化を実現した。第三段階では、周辺環境が整いスマホのアプリでバイタルデータを読み込めるようになり、簡易で安価な構成でクラウド化が可能となった。

  • 加工機NFCカード読取機組込みソフトウェア搭載の専用端末
  • 検査測定NFC対応バイタルサイン測定機器
  • ロボットAndroid端末
  • ソフト健康記録クラウドサービス用ソフトウェア

新しい製品・サービス:NFC対応の健康記録クラウドサービスシステム

事業の効果

NFCによりバイタルデータを正確かつ迅速に取り込めるようになり、介護職員の記録作業の負担と残業が減る見込みである。個人データは1年間分保存する設計で、施設から病院へ移る際に過去1年分の時系列健康情報を提供できる。入所者のデータ取得と同時に家族へメール通知するサービスや、関係機関の監査への対応も可能になる。これにより他施設との差別化と競争力のある提案ができるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.1 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 5
    イノベーションへの貢献NFCとクラウドを組み合わせ、バイタルデータを家族通知や病院連携に展開する新しいサービスモデルが具体的に示されている。
  • 4
    課題の認識と解決紙媒体の手入力による正確性・迅速性の課題と残業増加を示し、NFCで課題を解決する方針が具体的に書かれている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け施設への販売、家族向け通知、1年間の時系列データ保存など、顧客と提供価値が具体的に記述されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    強み・弱みを踏まえた優位性介護現場の課題や中国の高齢化市場への言及はあるが、競争優位性を示す数値や分析は読み取れない。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性3

    従来から介護施設向け記録システムを開発していたとあり、過去の取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    介護現場の課題や中国の高齢化市場への言及はあるが、競争優位性を示す数値や分析は読み取れない。

  • 課題の認識と解決4

    紙媒体の手入力による正確性・迅速性の課題と残業増加を示し、NFCで課題を解決する方針が具体的に書かれている。

事業の実現可能性3.3
  • 付加価値・賃上げの目標ー

    公開情報では判断できません。

  • 事業を進める体制2

    従業員数20人やシステム開発の経緯は書かれているが、補助事業を遂行する体制の具体は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    施設への販売、家族向け通知、1年間の時系列データ保存など、顧客と提供価値が具体的に記述されている。

  • 事業化までの道筋4

    第一段階の専用端末、第二段階のAndroid接続、第三段階のスマホ単独活用と段階的な進め方が明確に書かれている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    NFC対応バイタル計測機器の活用に着目したとあるが、分野での普及度や高付加価値化の水準は明示されていない。

公的補助の必要性3.3
  • 波及効果・雇用3

    介護職員の残業増加や要介護者の健康情報管理の課題に触れ、病院との情報連携にも言及しているが、波及効果の規模は示されていない。

  • 費用対効果2

    費用対効果を示す数値や補助金額に対する付加価値の記述はなく、小ロット製作費の課題に言及する程度である。

  • イノベーションへの貢献5

    NFCとクラウドを組み合わせ、バイタルデータを家族通知や病院連携に展開する新しいサービスモデルが具体的に示されている。

政策面2.5
  • 成長分野への進出3

    大規模な高齢化社会を迎える中国への進出準備に触れ、医療・介護分野の成長を示唆するが、日本経済の構造転換との関連は具体的でない。

  • 地域経済への波及2

    山口県の企業であることは書かれているが、地域の特性を活かした雇用創出や地域成長への記述は読み取れない。

今後の展望

中国大連の企業との業務提携を通じて、中国の富裕層向け医療機関等への事業化準備を進める。また、遠隔地に住む家族向けの個人向けサービスも展開予定で、普及方法をリサーチ中である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。