ものづくり補助金平成25年度情報通信業茨城県

都市災害監視向けメンテナンスフリー小型傾斜計測装置の試作開発

有限会社ジオテック

成果部品の点数を削減した

この事例のポイント

  • 都市部でも傾斜計測による防災・減災の必要性が高まっているが、既存の装置では都市部の過酷な電波環境や狭い設置場所に対応しにくい。
  • 前年度の試作品開発の成果をベースに、都市災害監視に特化した傾斜計測装置を試作開発した。
  • 部品の点数を削減した。都市部の過酷な電波環境でもノイズを抑えて安定してデータを取得できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社ジオテック
所在地茨城県 ひたちなか市
業種情報サービス業
技術分野測定計測
従業員数3人
資本金300万円

事業の背景

同社は道路やビルの建設、太陽光発電設置などに伴う測量を手がける測量会社である。前年度に2012年度ものづくり補助金で開発した斜面崩壊監視向けの傾斜計測装置の試作品は、県内の地滑り監視地区で長期実験中である。展示会では測量分野よりも防災分野の方がニーズと市場が大きいとのアドバイスを受けた。東日本大震災以来、防災意識は高まり、工事現場での事故前に傾斜の変化があったとの報告もある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術都市部でも傾斜計測による防災・減災の必要性が高まっているが、既存の装置では都市部の過酷な電波環境や狭い設置場所に対応しにくい。
  • 人手・技能水準標尺を使った測量現場では、標尺を立てる人と機械を読む人が声で傾きの制限内かを確認しており、機械側から管理できる仕組みが必要だった。

やったこと

前年度の試作品開発の成果をベースに、都市災害監視に特化した傾斜計測装置を試作開発した。装置は狭い場所に設置できるよう上部アンテナが90度曲がる構造とし、メンテナンスフリーで、装置内の設定やプログラムのバージョンアップをパソコンで遠隔操作できるようにした。傾きは内蔵の水準器をカメラで定期的に撮影し、気泡位置を時系列のグラフにして傾斜方向と傾斜量を判断できるようにした。データはインターネット回線で遠方の事務所のパソコン、タブレット、スマートフォンから収集できる。電源には太陽光発電を搭載し、都市部の電波環境下でのノイズ性の向上、部品点数の削減、小型化を実現した。

検査測定都市災害監視向け傾斜計測装置

新しい製品・サービス:都市災害監視向けメンテナンスフリー小型傾斜計測装置

事業の効果

  • 部品の点数を削減した

都市部の過酷な電波環境でもノイズを抑えて安定してデータを取得できるようになった。部品点数の削減と小型化により、狭い場所や出入りしにくい場所にも設置しやすくなった。遠隔操作とネットワーク経由のデータ収集により、災害時に現場へ出向く必要がなくなり、二次災害の危険を避けられるようになった。特許3件を取得し、自治体などへの販路拡大を目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    2009年の鉛直判定センサ開発や2012年ものづくり補助金での斜面崩壊監視装置開発が続いており、過去の取組との一貫性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    都市部でのビル建築や東京五輪に伴う開発の需要など外部環境に触れているが、自社の強みとの関係は十分に説明されていない。

  • 課題の認識と解決3

    都市部での周辺建物の傾斜や工事事故など課題は示されているが、事業計画としての解決策の具体性は薄い。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    従業員3人の小規模体制とわずかな記載があるのみで、補助事業を遂行する体制の詳細はうかがえない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    メンテナンスフリーや遠隔操作、パソコン・スマホでのデータ収集など製品の特徴と工事現場の安全管理の用途が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    試作開発や販路拡大の考えは書かれているが、スケジュールや課題解決の方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達2

    開発資金の調達に苦労したとあるが、資金調達の見込みや財務状況の具体的記述はない。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    傾斜計測は防災分野で一般的とはいえず、都市部の防災向けに特化した点は新規性がうかがえるが数値的根拠は乏しい。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    防災・減災や国土強靭化への貢献が述べられているが、経済波及効果や雇用創出の数値は書かれていない。

  • 費用対効果2

    費用対効果に関する数値や付加価値増加の記載はなく、二次災害回避の効果のみが示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    太陽光発電の搭載や遠隔操作、インターネット回線によるデータ収集などデジタル活用が見られ、イノベーションへの貢献がうかがえる。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    防災分野への進出は示されているが、日本経済の構造転換に資するという記述は見当たらない。

  • 地域経済への波及2

    茨城県ひたちなか市の企業で県内の地滑り監視地区での実験が書かれているが、地域経済への貢献は限定的にしか読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

工事現場の安全管理に加え、防災の観点から自治体などへ販路を拡大していく考えである。

事業者の声

自然災害が増加し、国も国土強靭化を進めている昨今、「防災・減災に役立つセンサ装置システムを、ぜひ社会で活用して頂き、少しでも人々の安全・安心に貢献できれば幸いです」。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。