ものづくり補助金平成24年度徳島県

長期保存可能な保存料無添加麺開発のための生産プロセス向上に資する真空・脱気・完全密封化可能な包装機械の導入事業

ウマイ株式会社

成果完全密封の失敗率 1.3%→0.3%

この事例のポイント

  • 麺に練りこむ野菜粉末・穀物粉末・ペーストは生産方式により菌数に大きな差があり、保存性に課題があった。
  • 脱気及び完全密封可能な真空・脱気包装機を導入し、週2回程度の試作を行った。
  • 完全密封の失敗率 1.3%→0.3%。脱気により菌類の繁殖が抑えられ、冷凍効率も良くなって体積が減るため、1ケースに入る量が増えることが見込まれる。

事業者のプロフィール

事業者名ウマイ株式会社
所在地徳島県 鳴門市
業種食料品製造業
技術分野真空
従業員数7人
設立1930年

事業の背景

現在の主力製品『鳴ちゅるうどん』は、鳴門市で江戸時代から続く郷土のうどんで、県内外で知名度が上がりつつある。うどんミュージアムのご当地うどん売り上げランキングでは常時5位以上となっている。れんこんやスダチ、古代米などを練りこんだ高付加価値商品を大手メーカーが参入しないニッチ商品として開発してきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度麺に練りこむ野菜粉末・穀物粉末・ペーストは生産方式により菌数に大きな差があり、保存性に課題があった。
  • 品質・精度食品である以上最高の安全性が必要だが、原材料の無菌度に頼るだけでは保存性と安全性を十分に確保しにくかった。

やったこと

脱気及び完全密封可能な真空・脱気包装機を導入し、週2回程度の試作を行った。試作では、冷凍麺を完全密封包装で脱気し急速冷凍する方法、冷蔵麺を熱殺菌する方法、冷蔵麺に脱酸素剤を封入する方法、常温麺を熱殺菌する方法、常温麺に脱酸素剤を封入する方法の5工程を検証した。検証項目は生菌数(徳島県工業技術センターに依頼)、保存期間、体積の変化、テクスチャーと食味の変化(取引先や有名シェフに依頼)、冷凍時の冷凍効率の5項目とした。

加工機脱気及び完全密封可能な真空・脱気包装機

新しい製品・サービス:れんこん・スダチ・米・古代米・鳴門金時・おから入りの高付加価値麺を、保存料等を使わず長期保存できる麺として開発した。

事業の効果

  • 完全密封の失敗率 1.3%→0.3%

脱気により菌類の繁殖が抑えられ、冷凍効率も良くなって体積が減るため、1ケースに入る量が増えることが見込まれる。脱気率は麺へのダメージを避けるため最適値を調整中である。完全密封の失敗率は大きく下がり、導入機の習熟とともにさらに下がると見込んでいる。完全密封が可能になったことで、一玉ごとに包装を切らずに二玉続けて包装する二丁取も可能になり、作業効率が上がった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    鳴ちゅるうどんの知名度やうどんミュージアムでのランキングなど過去の取組はあるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ご当地うどん売上ランキング常時5位以上、大手が参入しないニッチ商品として開発と、市場と自社の強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    保存性が技術的障害と課題が示され、完全密封で保存性を高める方針はあるが、高付加価値化・成長への事業計画の詳細は薄い。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    完全密封の失敗率が1.3〜1.4%から0.3〜0.4%に減少したとあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数7人と書かれているが、補助事業の遂行体制や事務処理能力についての記述はわずかである。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    保存料無添加・国産100%無添加無着色、生協仕様麺として県外でも知られるなど、製品の価値と選ばれる理由が具体的である。

  • 事業化までの道筋3

    週2回の試作と5工程5項目の検証、今後の急速冷凍庫併設など、方法と今後の展望はあるが、スケジュールの詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    大手メーカーが参入しないニッチ商品として開発し、長期保存可能な無添加麺という同分野で高付加価値化を図る点が示されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    郷土の特産品を用いた地域資源の活用はうかがえるが、雇用創出や波及効果など国が補助する理由は明記されていない。

  • 費用対効果3

    完全密封の失敗率を1.3〜1.4%から0.3〜0.4%に減らし、1ケースの入量増加も見込むなど効果は示されるが、費用対効果の数値は乏しい。

  • イノベーションへの貢献2

    真空・脱気包装で新たな市場を開拓し急速冷凍庫を併設する方針はあるが、サプライチェーン全体のイノベーションとしての記述は少ない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    鳴門市の江戸時代からの郷土うどんや特産品を活かした商品開発として地域性が示されるが、雇用や地域成長への波及は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

小規模なそば・うどん店は差別化された麺を製麺業者から調達する可能性があり、麺専門店以外の飲食店も新メニューとして麺を追加する場合があるため、提案手法を工夫して新たな市場を開拓する。さらに最新の冷凍技術を備えた急速冷凍庫を併設し、保存と食感・食味の向上に努める予定である。

業種と困りごとが近い成果事例

山梨県平成24年度

アルミダイカスト高真空鋳造技術の開発

セラミックフィルターの採用による溶湯の清浄化、溶湯保持状態での脱ガス処理の改善、真空ダイカスト法の採用と改善を行った。

効果:歩留り 55%→90%

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。