回転装置を活用した溶接ロボットによる生産性向上計画
平成30年度補正ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金を活用し、溶接ロボット1台と回転装置を増設した。
効果:溶接作業時間(20カ所) 6分→2分
株式会社今泉鋳造鉄工所
成果5%程度の生産能力の向上
| 事業者名 | 株式会社今泉鋳造鉄工所 |
|---|---|
| 所在地 | 静岡県 静岡市 |
| 業種 | 鉄鋼業 |
| 技術分野 | 材料製造プロセス |
| 資本金 | 1億円 |
| 設立 | 1963年 |
同社は大正13年創業(法人化は昭和38年)の老舗の鋳鉄生産・鋳物製品メーカーである。主力のスクロールは空調機・冷凍機の圧縮機部品で、メーカー各社が省エネ・高性能化を進める中、小型化・軽量化と高速回転化に対応する高強度・耐摩耗性が求められている。普通鋳鉄では高速回転時に板状部分が割れるおそれがあり、球状黒鉛鋳鉄は切削性が悪く大量生産に向かない。そこで普通銑鉄より強度が高く被削性に優れるCV黒鉛鋳鉄に着目し、市場拡大が見込まれる素材として製品化に着手した。
抱えていた課題
やったこと
砂落としの力を加減でき、その方向を変えられるブラストクリーニング装置を仕上げ装置として導入し、残留応力による寸法変化の問題を解決した。手作業で行っていた機械間の鋳物の出し入れや運搬は、砂落としをしながら自動搬出入・運搬する振動コンベアに変更し、自動化ラインにより仕上げ工程を効率化・省力化した。あわせて、部門間の情報伝達や製造条件の記録を紙から切り替え、溶解から仕上げ、検査までの一連の製造工程、納品数の把握、溶解計画、資材の発注などを一元管理するネットワークを導入した。CV黒鉛鋳鉄のスクロール製品を試作し、引張強度、鋳肌表面の粗さ、寸法精度、切削性等の必要条件を確保して商品化につなげた。
| 加工機 | 鋳物仕上げ自動化ライン装置(ブラストクリーニング装置、振動コンベア) |
|---|---|
| ソフト | ITによる一元管理ネットワーク |
新しい製品・サービス:CV黒鉛鋳鉄製スクロール
仕上げ工程の砂落としに装置を導入し、製品精度が向上したほか、粉塵対策により作業環境が大幅に改善した。製造工程のネットワーク化により現場作業者の負担が軽減され、人為的な管理ミスも解消された。各工程の進捗状況、不良数、仕掛品等をリアルタイムで把握・管理でき、納期の適正化につながった。試作部品の展示会出展を通じて機械設計者の注目を集め、新規受注の獲得にもつながった。
いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています
創業は大正13年と古く鋳鉄メーカーとして継続してきたとあるが、CV黒鉛鋳鉄への挑戦が過去の取組とどう一貫するかは書かれていない。
CV黒鉛鋳鉄は強度と被削性に優れ、市場拡大が見込まれ、機械設計者の注目度も高いと具体的に述べられており、強みの活用が読み取れる。
課題として砂落としの残留応力による寸法変化が明示され、仕上げ自動化ラインとITによる一元管理で解決する方針が具体的に書かれている。
生産能力5%向上、納期を30~45日に短縮、作業者5人を4人に省人化といった数値目標と結果が示されており、実現の見込みが読み取れる。
公開されている事例からは読み取れません。
スクロールの用途や強度・被削性の利点、展示会での注目など顧客ニーズへの言及はあるが、ターゲットの整理や価格面の裏付けは薄い。
砂落とし装置の導入や製造工程のネットワーク化という手順は書かれているが、スケジュールや中長期の検証内容は具体的に示されていない。
公開されている事例からは読み取れません。
CV黒鉛鋳鉄は一般に認知が低い新素材と明記され、切削性と強度を両立する高付加価値な素材への取組が読み取れる。
空調機・冷凍機の省エネ化への貢献や新規雇用創出がうかがえるが、国が補助する積極的理由を示す記述は限定的。
生産能力5%向上や省人化の効果は示されているが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は書かれていない。
ネットワーク化やITによる一元管理は書かれているが、サプライチェーン全体のイノベーションへの波及は示されていない。
新素材CV黒鉛鋳鉄の市場拡大に言及があり、ものづくり分野の高度化にうかがえるが、構造転換との関連は明示されていない。
静岡市の老舗メーカーとして地域に立地する点は書かれているが、地域特性を活かした雇用や成長への言及は乏しい。
5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。
本事業で構築したCV黒鉛鋳鉄の生産体制を他製品にも積極的に応用展開し、さらなる受注拡大を見込んでいる。
平成30年度補正ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金を活用し、溶接ロボット1台と回転装置を増設した。
効果:溶接作業時間(20カ所) 6分→2分
課題を解決するため、車載センサ製作に係る設備を導入し、量産ラインの構築を図った。
効果:製作コスト 100%→25%
本補助事業で、印刷機と糊付け機を連結する「オートマチック・スタッカ連結コンベア」を導入した。
効果:生産性も2割の向上がみられた。