ものづくり補助金平成24年度徳島県

自動読み上げ音声・動画配信可能な電子図書館システム

株式会社教育出版センター

この事例のポイント

  • 電子書籍は静止画やテキストの閲覧が中心で、高品質なものや誰でも利用できるサービスが求められている。
  • 従来使用していた電子書籍配信システムはEPUBに対応していなかったため、ハード・ソフト・運用サーバーなどを刷新し、EPUBベースの電子書籍制作環境に切り替えた。
  • EPUBベースの制作環境への切り替えにより、電子書籍販売サイトに加え、Amazon(Kindle)や楽天(Kobo)へも並行配信できるようになり、市場が大きく広がった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社教育出版センター
所在地徳島県 徳島市
業種印刷・同関連業
技術分野電子部品・デバイスの実装
従業員数28人
設立1971年

事業の背景

電子書籍市場は近年大きく伸びており、2017年度には2400億円規模に達すると言われている。多くの印刷会社・出版社が電子書籍事業に参入している。図書館でも電子図書館の開設が相次ぎ、PCやタブレットで館内外を問わず電子書籍を閲覧できる環境が広がりつつある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術電子書籍は静止画やテキストの閲覧が中心で、高品質なものや誰でも利用できるサービスが求められている。
  • 生産能力電子図書館で必要な貸出・返却や図書館員による電子書籍の作成ができる、EPUB対応の制作・配信環境が整っていなかった。

やったこと

従来使用していた電子書籍配信システムはEPUBに対応していなかったため、ハード・ソフト・運用サーバーなどを刷新し、EPUBベースの電子書籍制作環境に切り替えた。EPUB形式でリッチコンテンツを配信できるビューワーなどを開発し、PC、iOS、Androidなど主要な端末に対応できるようにした。大学や専門機関、専門家に実験運用などの協力を要請した。当社が実用化を狙うTTS(自動音声読み上げ)機能により、電子書籍中のテキストを合成音声で読み上げ、人間が録音するより少ない予算で音声つき電子書籍を作成できるようにした。

ソフト電子書籍閲覧・配信システム(EPUBベース)
その他ハード・ソフト・運用サーバー

新しい製品・サービス:動画や自動音声読み上げ(TTS)を含む電子書籍を制作・配信できる電子図書館システム

事業の効果

EPUBベースの制作環境への切り替えにより、電子書籍販売サイトに加え、Amazon(Kindle)や楽天(Kobo)へも並行配信できるようになり、市場が大きく広がった。電子図書館では貸出・返却のシステムや図書館員が自ら電子書籍をオーサリングするシステムなど技術面は問題なくできた。電子テキスト&電子カタログの簡易オーサリング・配信システムとしての販売にも広がりを見せている。Android端末での閲覧が可能になり、既存の大規模会員を抱える電子書店へもコンテンツをスムーズに配信できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    旧式フォーマットからEPUBへ変更し電子書籍事業を継続する流れは読めるが、経営戦略上の位置づけは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    電子書籍市場の伸長や電子図書館の広がりに触れ、TTSを自社の強みとして挙げているが、競争優位の根拠は具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決3

    視聴覚障害者向け市場の課題と、TTSで少ない予算で音声つき電子書籍を作れる点は示されているが、事業計画の詳細は薄い。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    1コンテンツの売上が10倍以上になる一例は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員28人、制作は主に社内で行うとあるが、補助事業を遂行する体制の具体的な記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    視聴覚障害者向けに動画・TTS対応の電子書籍を提供する製品価値と、介護・理学療法等での利用見込みが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    稼働テストは期間内に実施できず、8月15日時点で公開直前とあり、今後の販売・リニューアル予定は示されるが詳細な遂行計画は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    視聴覚障害者向けにTTSや動画を組み込んだ電子図書館システムを開発し、新たな市場を開拓すると明記されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    障害のある人が芸術や生活情報に触れられる公的サービスの必要性はうかがえるが、経済波及効果や雇用創出の数字は示されていない。

  • 費用対効果2

    少ない予算で音声つき電子書籍を作れる点は示されるが、補助金投入額に対する効果の数字は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    TTSや電子図書館によるデジタル技術の活用は示されるが、地域やサプライチェーンへの貢献は具体的に書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    電子書籍市場の成長に進出する点はうかがえるが、日本経済の構造転換への寄与は明示されていない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

「web DE book」のリニューアル公開を早期に行い、システムパッケージ販売ではターゲットを明確にして販売価格を設定し、上市・営業にシフトしていく予定。介護・理学療法など技術解説を必要とする分野での利用も見込まれている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。