ものづくり補助金平成24年度香川県

化粧品分野におけるナノ化エラスチンを用いた試作・開発

芳香園製薬株式会社

この事例のポイント

  • 化粧品の製造は外部への委託に頼っており、取引先から求められる化粧品分野の受託製造に自社で対応できなかった。
  • 大学の研究で、ナノ化エラスチンを使った化粧品は真皮層まで浸透してハリやキメの改善に有用だとわかったため、入浴後に使い就寝中に成分を浸透させる美容液を剤型に選んだ。
  • 内製化により、これまで委託していたクリームを自社で製造できることが確認された。

事業者のプロフィール

事業者名芳香園製薬株式会社
所在地香川県 宇多津町
業種化学工業
技術分野金属プレス加工

事業の背景

同社は医薬品や医薬部外品などの製造・販売を行う会社として始まり、現在は健康食品や化粧品の受託製造(OEM)を中心に、小ロット生産と幅広い試作を強みとしている。取引先から化粧品分野へのニーズが増えたことから、自社の内製化と化粧品分野での受託事業の確立に取り組んだ。市場では、エラスチン配合ドリンクの発表をきっかけにエラスチンの認知が高まり、現在は美肌を訴求する基礎化粧品やメイクアップ化粧品が用途の7割を占めている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力化粧品の製造は外部への委託に頼っており、取引先から求められる化粧品分野の受託製造に自社で対応できなかった。
  • 新製品・新技術既に上市されている化粧品よりも効果の高いナノ化エラスチン配合製品を開発・販売する必要があった。
  • コスト・採算外部委託のままでは製造原価を抑えて利益率を上げることが難しかった。

やったこと

大学の研究で、ナノ化エラスチンを使った化粧品は真皮層まで浸透してハリやキメの改善に有用だとわかったため、入浴後に使い就寝中に成分を浸透させる美容液を剤型に選んだ。エラスチン原料は高価なため、先に処方基材を検討し、皮膜剤Eを0.9%配合する処方に決めた。エラスチン配合率は1%から0.1%まで段階的に試作したところ、濃度に比例して酢酸臭に似た原料臭が出たため、臭いが気にならない0.2%に固定した。特有臭は香料によるマスキングで抑え、モニターアンケートで肌へのハリや弾力に対する高い評価を得た。製造面では、委託していたクリームを自社で製造できるよう本社工場の一部を改修し、真空乳化装置などを導入して内製化を開始した。

新しい製品・サービス:ナノ化エラスチン配合の美容液

事業の効果

内製化により、これまで委託していたクリームを自社で製造できることが確認された。製造技術の向上のため化粧品メーカー出身の製造作業員を雇用し、社内の製造技術を高めた。本事業で開発した化粧品は、エラスチン配合化粧品として市場での差別化と競争力を持つことが見込まれ、販路・シェアの拡大が期待される。内製化で製造原価を抑え利益率を高める効果も見込まれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.1 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性ナノ化エラスチンは既存上市品より高純度で浸透率が高いとし、取引先からの化粧品ニーズもあり、強みを活かした優位性が読み取れる。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け35歳以上の女性を主なターゲットと分析し、八リ・キメ改善の効果と臭い対策をモニターアンケートで確認しており、選ばれる理由が整理されている。
  • 4
    新しさ・高付加価値ナノ化エラスチンは既存上市品と異なり真皮層まで浸透するとされ、従来品より高い効果を持つ高付加価値化を図っている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    イノベーションへの貢献ナノ化エラスチンという新規原料の活用は書かれるが、デジタル技術や新ビジネスモデルによる地域・サプライチェーンへの貢献は薄い。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の受託製造事業から化粧品分野へ展開し、自社内製化を図る流れが書かれており、事業の延長線上に位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ナノ化エラスチンは既存上市品より高純度で浸透率が高いとし、取引先からの化粧品ニーズもあり、強みを活かした優位性が読み取れる。

  • 課題の認識と解決3

    製造を外部委託していた課題に対し、機械導入と内製化で製造原価を抑える方針を示しており、課題認識と解決策が対応している。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標3

    上市後5年目以降に月間6,000個の製造を目標とし、販路・売上拡大を見込むと示されている。ただし付加価値額や賃上げの数値目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    化粧品メーカー勤務経験のある製造作業員を新たに雇用し、試作から製造までの体制を整えたことが書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    35歳以上の女性を主なターゲットと分析し、八リ・キメ改善の効果と臭い対策をモニターアンケートで確認しており、選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    剤型選定から効果検証、内製化まで6ステップの進め方が示され、各段階の課題と対応が順序立てて書かれている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    ナノ化エラスチンは既存上市品と異なり真皮層まで浸透するとされ、従来品より高い効果を持つ高付加価値化を図っている。

公的補助の必要性2.5
  • 波及効果・雇用3

    製造の内製化により新たな雇用を生み出し、製造現場の活性化を図るとしており、雇用創出の波及効果が書かれている。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献2

    ナノ化エラスチンという新規原料の活用は書かれるが、デジタル技術や新ビジネスモデルによる地域・サプライチェーンへの貢献は薄い。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    香川県の地域事業者として地域の雇用に触れるが、地域特性を活かした経済成長への言及は限定的である。

今後の展望

新規のエラスチン配合化粧品は上市初年度に全国の取引のある薬局薬店への全店配架を目指し、ネット通販などにはPB商品として提案して受託製造の契約を進める。導入5年目以降は他社にない原料を使った製品で差別化し、PB・OEM化粧品を中軸製品として月間6,000個の製造を目標に、販路・シェア・売上の拡大を見込む。また雇用を生み出し、製造現場の活性化と人手不足の解消を図る。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。