ものづくり補助金平成24年度香川県

省エネ住宅向け断熱建材の多品種小口化・短納期化ニーズ即応体制の構築

讃王興産株式会社

成果作業時間 6時間→1時間

この事例のポイント

  • 板取りを切断作業と並行して考えるため、加工に時間がかかる。
  • 旭化成建材の土台伏図・平面図をもとにしたパーツリストを用い、パソコン装備の板取りシステムで板取りを行う切断加工機を導入した。
  • 作業時間 6時間→1時間。板取りから切断までの工程が見直され、作業時間は従来の6分の1程度に短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名讃王興産株式会社
所在地香川県 坂出市
業種倉庫業
技術分野切削加工

事業の背景

旭化成建材の断熱建材を単独で四国一円に輸送・倉庫保管し、試験的に外注を活用してプレカットに対応していた。しかし顧客ニーズに対応しきれない課題があった。住宅建築現場では熟練工不足があり、加工精度の向上や廃材減少の観点からもプレカット納品が求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 納期・工程板取りを切断作業と並行して考えるため、加工に時間がかかる。
  • 品質・精度切断機に寸法を入力する際の入力ミスで不良品が発生する。
  • 納期・工程切断加工後に指定の順へ積み替える手間が増える。
  • 生産能力断熱建材がかさばるため、仮置きと積み替えのスペースが必要になる。
  • 人手・技能住宅建築現場では熟練工が不足しており、プレカット納品へのニーズがある。

やったこと

旭化成建材の土台伏図・平面図をもとにしたパーツリストを用い、パソコン装備の板取りシステムで板取りを行う切断加工機を導入した。導入機は旭化成建材と切断機メーカーのシンクスが技術提携した機種で、両社から仕様の詳細を聞いたうえで決定し、試験施工と合理化レベルの評価を行った。機械の台はH鋼レールで切断精度を安定させ、最大送り精度は毎分40m、最高厚は100mmの高速化を実現した。鋸を交換して重ね切断もできる。簡易定規により精緻な寸法設定が可能となった。切断した部材は旭化成建材の製品寸法検査を受けて納品されるため、寸法精度を評価した。

  • 加工機板取り・切断加工システム板取りシステム装備の切断加工機

事業の効果

  • 作業時間 6時間→1時間
  • 加工精度 5mm→1mm
  • 歩留まり 70%→80%

板取りから切断までの工程が見直され、作業時間は従来の6分の1程度に短縮された。加工精度は5mm程度から1mmとなり、旭化成建材の規定内の寸法精度を満たす切断加工が可能になった。歩留まりも70%程度から80%以上に高まり、端材はメーカーに返却して再利用される。倉庫業・運輸業に加えて加工という付加価値の高い業務を始められ、輸送から加工まで一貫したサービスを提供できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性四国内で旭化成建材の断熱建材を単独で扱う営業倉庫業者は唯一とあり、中四国で全自動ランニングソーを導入しているのも唯一とされている。
  • 4
    課題の認識と解決手動による板取りの時間やデータ入力ミス、積み替え手間などの課題を挙げ、作業時間を従来の6分の1程度に短縮する見込みを示している。
  • 4
    顧客とニーズの裏付けターゲットは住宅メーカーや建築主と明示され、熟練工不足や廃材減少のニーズを背景に、即応体制を選ばれる理由として示している。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制補助事業の申請や加工業への挑戦は初めてだったと書かれ、中央会の支援を受けたとあるが、社内体制や人材の確保は書かれていない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    物流部・商事部・物流加工部の3本柱を軸に事業を展開しており、加工業への展開は既存の倉庫・運輸業の延長として位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    四国内で旭化成建材の断熱建材を単独で扱う営業倉庫業者は唯一とあり、中四国で全自動ランニングソーを導入しているのも唯一とされている。

  • 課題の認識と解決4

    手動による板取りの時間やデータ入力ミス、積み替え手間などの課題を挙げ、作業時間を従来の6分の1程度に短縮する見込みを示している。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標3

    加工時間6時間の比較や作業時間6分の1程度への短縮は示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    補助事業の申請や加工業への挑戦は初めてだったと書かれ、中央会の支援を受けたとあるが、社内体制や人材の確保は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ターゲットは住宅メーカーや建築主と明示され、熟練工不足や廃材減少のニーズを背景に、即応体制を選ばれる理由として示している。

  • 事業化までの道筋3

    床材で経験を積み3年後に壁用断熱建材を追加する予定が示されているが、スケジュールの詳細や課題解決の方法は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    四国内の省エネ住宅向け断熱建材のプレカット市場は新市場で、2020年の省エネ基準義務化で市場は約2倍に拡大する見通しとある。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    省エネ住宅の断熱建材市場拡大への貢献や新規雇用の可能性は示されているが、川上・川下への波及効果の数値は書かれていない。

  • 費用対効果3

    作業時間を6分の1程度に短縮し歩留まりを70%程度から80%以上に改善するとあるが、補助金額に対する費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    板取りシステムや切断加工の自動化で施工現場の手動切断作業を軽減し、断熱建材の加工から運搬までを一貫提供する点が示されている。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    省エネ住宅という成長分野への進出とうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及3

    四国内での省エネ住宅向け断熱建材市場を開拓し地域需要を取り込む計画が示されているが、雇用創出や地域成長の数値は書かれていない。

今後の展望

2020年の省エネ基準義務化を控え、市場は2倍に拡大する見通しである。床用の断熱建材から取扱いを始め、3年後には壁用断熱建材(サイディング)の取扱いも追加する予定である。

業種と困りごとが近い成果事例

岡山県平成24年度

多品種小ロット、短納期の生産体制を実現

生産工程を改善するため、高性能の研磨設備を2台導入し、消耗品・部品を共通化するとともに、1台に不具合が生じても生産に影響が出ないようにした。

効果:塗装の乾燥時間 2日→0.67日

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。