ものづくり補助金平成24年度愛媛県

大口ジャガード機導入による短納期化事業

コンテックス株式会社

この事例のポイント

  • 人気商品の回転が速く対応しきれず欠品が発生し、機会損失が多く生じていた。
  • 第二工場の既存ジャカード機は2688口で織れる商品が限られていたため、6000HHの電子ジャカード機(大日ジャカード機)を導入し、既存のレピア織機と接続した。
  • 織機の段取り替えでの停止がほぼなくなり、織物巾の変更が容易になったことで生産性が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名コンテックス株式会社
所在地愛媛県 今治市
業種繊維工業
技術分野繊維加工
従業員数97人
資本金1,000万円
設立1952年

事業の背景

1951年に自社ブランド「コンテックス」を商標登録し、OEM中心の今治産地で自社企画のタオルを製造・販売してきた。流通は問屋経由から小売店や消費者への直接取引へ転換し、展示会出展やインターネット販売を強化したことで小口取引先が増えた。消費者ニーズの多様化で色・サイズ違いの自社企画商品は1,000種類以上に増え、人気商品の欠品と機会損失が課題となっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 納期・工程人気商品の回転が速く対応しきれず欠品が発生し、機会損失が多く生じていた。
  • コスト・採算多品種少量生産で織機の段取り替え(吊替え)を専門業者へ都度外注しており、段取り替え費用が増えて製造コストが上がり、利益率が低下する傾向にあった。
  • 生産能力段取り替えの間は織機が停止するため生産性が大幅に低下し、段取り替え時間の短縮が急務だった。
  • その他小口取引先や商品アイテム数の増加により、販売計画データの精度と生産計画への反映に課題が残っていた。

やったこと

第二工場の既存ジャカード機は2688口で織れる商品が限られていたため、6000HHの電子ジャカード機(大日ジャカード機)を導入し、既存のレピア織機と接続した。電子制御の簡単な設定で織物巾を変更でき、バスタオルから別品目へ切り替える際にも織機を長時間停止させずに済むようになった。商品開発段階では導入機で試織を繰り返し、利用する原糸や織り方のパターンを検証して完成度の高い試作品を作れるようにした。製織工程の作業工数が減ったことで若手織布工への技術承継にも時間をかけられるようになった。

  • 加工機大日ジャカード機電子ジャカード機、6000HH

新しい製品・サービス:試織を活用した高付加価値の自社企画商品

事業の効果

織機の段取り替えでの停止がほぼなくなり、織物巾の変更が容易になったことで生産性が向上した。製造リードタイムが短縮され、欠品発生率が大幅に減少して安定的な商品供給ができつつある。新商品は展示会直後に出荷できるようになり、顧客満足度と新たな取引先の開拓にも効果が出始めている。歩留まりが上がってB品の発生率が低下し、製造コストが減って利益率も増加傾向にある。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性自社ブランドと小売直接取引、約1,000種類の商品数、流通転換によるコスト競争力向上が具体的に書かれている。
  • 4
    課題の認識と解決欠品による機会損、段取り替え費用1回150〜200万円超、製造リードタイム課題が示され、導入で解決を図る構成になっている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け自社企画の風合いや高品質が強みとして示され、小売店・消費者のニーズに応える構成が読み取れる。

伸びしろがあった観点

  • 2
    新しさ・高付加価値タオル分野で高付加価値商品を企画する方向性はうかがえるが、高価格化の水準は数字で示されていない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    自社企画・直接取引への転換という流れは読み取れるが、経営戦略上の位置付けを示す記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    自社ブランドと小売直接取引、約1,000種類の商品数、流通転換によるコスト競争力向上が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    欠品による機会損、段取り替え費用1回150〜200万円超、製造リードタイム課題が示され、導入で解決を図る構成になっている。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標3

    生産性が約596程度向上などの数字はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    現場の織布工高齢化と技術承継に触れ、専任担当者のEC体制も書かれているが、補助事業の遂行体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自社企画の風合いや高品質が強みとして示され、小売店・消費者のニーズに応える構成が読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    導入後の活動予定や出荷業務のシステム化など今後の方向性はあるが、スケジュールや解決方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性2.0
  • 新しさ・高付加価値2

    タオル分野で高付加価値商品を企画する方向性はうかがえるが、高価格化の水準は数字で示されていない。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    今治産地での地域性や直接取引への転換が触れられるが、国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    生産性約596程度向上、B品発生率低下、利益率増加傾向が書かれ、費用対効果をうかがえる。

  • イノベーションへの貢献2

    ジャカード機の電子制御やシステム導入は示されるが、サプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    今治での地域産業・自社ブランドの強みが書かれるが、地域経済の成長への波及効果は具体的ではない。

今後の展望

今後も自社企画のオリジナル商品を開発し、安心・安全・高品質・高機能でデザイン性の高いモノづくりを続けてリピーターの獲得とロイヤリティ向上を目指す。販売計画データの作成をシステム化し、生産計画へ反映して材料(原糸)在庫の削減を図る。また、小ロット出荷の増加に対応するため、出荷業務を効率化するシステムも導入する予定である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。