ものづくり補助金平成24年度愛媛県

40MPa対応高圧洗浄作業用防護服の試作製造、販売及び検査体制の構築

株式会社トーヨ

この事例のポイント

  • 40MPaの高圧水による洗浄作業が増える一方で、水の直撃から作業者を守る防護服の開発が求められていた。
  • 高強度ポリエチレン繊維を用いた40MPa対応の高圧洗浄作業用防護服を試作製造するため、特殊ミシン(特殊極厚総合送り本縫いミシン)と検査機器を導入した。
  • 導入した設備により試験生産が可能となり、防護服の品質と信頼性が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社トーヨ
所在地愛媛県 西条市
業種繊維工業
技術分野繊維加工
従業員数38人
資本金2,500万円
設立1972年

事業の背景

同社は素材開発から企画、縫製、販売までを一貫して行う全国的に数少ない防護服メーカーで、多数の特許を有している。高圧洗浄は石油精製やプラント設備、下水道、コンクリート剥離工事など多方面で使われており、近年は洗浄効率のよい40MPaの高圧水を使う現場が増えている。その一方で高圧水の直撃による労働災害への安全対策強化が課題となっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力40MPaの高圧水による洗浄作業が増える一方で、水の直撃から作業者を守る防護服の開発が求められていた。
  • 品質・精度高強度ポリエチレン繊維を使うと生地が硬く分厚くなり、従来の縫製設備では縫製が困難だった。

やったこと

高強度ポリエチレン繊維を用いた40MPa対応の高圧洗浄作業用防護服を試作製造するため、特殊ミシン(特殊極厚総合送り本縫いミシン)と検査機器を導入した。これにより試作製造と試験販売を行える体制を整えた。多層構造体を用いた防護服と身体保護具を開発し、特許を申請中である。製品としては手袋(対水圧30MPa)、ネックカバー(対水圧40MPa)、フッドガード(対水圧40MPa)などを展開した。

加工機特殊ミシン(特殊極厚総合送り本縫いミシン)
検査測定検査機器

新しい製品・サービス:40MPa対応高圧洗浄作業用防護服および身体保護具(多層構造体を用いたもの、特許申請中)

事業の効果

導入した設備により試験生産が可能となり、防護服の品質と信頼性が向上した。労働災害を未然に防ぐ観点から各方面で注目され、新たな販売ルートが確立された。実際の作業環境を想定した試験規格を自社で設定できるようになり、顧客ごとの要望に応じたオーダーメイドにも対応できている。今後の商品開発や素材選定にもノウハウが活かされている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性2

    主要商品や防護服メーカーとしての取引実績は書かれるが、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置づけは直接述べられていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    40MPa高圧水への対応の必要性や労働災害対策の強化など外部環境が具体的に示され、素材開発から販売まで一貫して行う強みも読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    高圧洗浄の安全対策強化という課題を認識し、特殊ミシンと検査機器の導入で試作・試験販売体制を整えた点が具体的に書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    100MPa対応や製品開発から販売までのリードタイム短縮が目標として書かれるが、数値目標や売上・付加価値の具体値は示されていない。

  • 事業を進める体制4

    従業員38名、CAD・縫製設備・各種試験設備を備え、試作製造と検査体制を構築した点が具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    安全確保と作業性を両立する保護衣料の潜在的ニーズが相当数あると述べ、顧客ごとのオーダーメイドで選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    今後の活動予定として100MPa対応や販路開拓が挙がるが、スケジュールや課題解決の方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    高圧洗浄用の40MPa対応防護服は市場で一般的に普及しておらず、新たな販売ルートが確立されたと書かれるが、普及度の数値は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    労働災害の未然防止や高圧洗浄の安全対策強化という社会的意義が書かれているが、経済波及や雇用創出の具体的記述は少ない。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額の増加、生産性向上の数値は書かれておらず、費用対効果はわずかにうかがえるのみである。

  • イノベーションへの貢献2

    試験規格の自社設定やノウハウの活用が書かれるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は明示されていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    愛媛県西条市の本社工場で事業を行う旨はあるが、地域の特性を活かした雇用や成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

高圧洗浄は設備寿命の延長や保全に不可欠で、安全で作業性のよい保護衣料の潜在ニーズは相当数にのぼる。導入設備を活かして100MPaの超高圧への対応を目指すとともに、製品開発から販売までのリードタイムを短縮し、顧客ごとに異なる防護服の提案と販路開拓を進める。

  • 目標:手袋の耐水圧は30MPaとなった
  • 目標:ネックカバーは対水圧40MPa
  • 目標:フッドガードは対水圧40MPa

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。