ものづくり補助金平成24年度愛媛県

3軸切削による加工精度の向上及び多品種少量生産に対応できるための新たな設備投資

株式会社TECH21

この事例のポイント

  • 従来の設備は加工設定が専門言語で工数がかかり、経験によって加工の段取りに差が出ていた。
  • 3軸切削機能に加えてミーリングチャック等の付加機能を備えた立型マシニングセンタを導入し、従来の2軸切削と組み合わせて旋盤とマシニングの工程を効率化した。
  • 対話式ソフトの導入により経験を問わず加工設定ができ、工数が削減された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社TECH21
所在地愛媛県 西条市
業種生産用機械器具製造業
技術分野切削加工
従業員数7人
資本金300万円
設立2010年

事業の背景

当社は半導体製造装置用の部品製造企業の下請けとして、真空・切削加工技術を活かし受注生産で部品を製造している。円高の時期には中国等の海外メーカーへ製造を委託する傾向があったが、近年は品質面の課題と円安基調から国内メーカーへ製造を要請する動きが出てきている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能従来の設備は加工設定が専門言語で工数がかかり、経験によって加工の段取りに差が出ていた。
  • 生産能力2軸切削が中心で、加工時間がかかっていたため、時間短縮と生産性の向上が必要だった。
  • 品質・精度品質面の課題から国内メーカーへの製造要請が増える中、品質を保ったまま業務効率化を実現する必要があった。
  • 生産能力「品質」「価格」「スピード」を兼ね備えた製品供給を安定して実現できる生産体制が必要だった。

やったこと

3軸切削機能に加えてミーリングチャック等の付加機能を備えた立型マシニングセンタを導入し、従来の2軸切削と組み合わせて旋盤とマシニングの工程を効率化した。対話式の加工用ソフトを搭載した設備を導入し、経験を問わず加工設定ができるようにした。従来の技術を継承したまま品質を保ち、時間短縮を含む業務効率化を図った。最終工程の手作業による溝の磨きが残る課題があるため、今後は機械導入による自動化を進める計画である。

事業の効果

対話式ソフトの導入により経験を問わず加工設定ができ、工数が削減された。3軸切削機能を備えた設備の導入で金属加工の生産性が向上し、加工時間は約半分に短縮された。従来の技術を保ったまま品質が維持でき、半導体メーカーの厳しい要求に応える生産体制が整った。経験によらず高い技術力で品質を維持できる体制を構築でき、生産力と対外競争力も高まった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決品質・価格・スピードの課題を整理し、3軸切削の導入で加工時間が約半分になったと具体的な効果が示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制従業員7名で社員の技術資格取得を奨励すると書かれるが、補助事業を遂行する体制の具体的な記述は薄い。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    先代からの真空・切削加工技術を活かし受注生産を手掛けてきたと書かれ、為替を踏まえた国内回帰への転機として位置づけられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    円高・円安や海外委託の動き、品質課題を外部環境として挙げ、国内回帰の流れを捉えている。ただ競争優位の具体的な根拠は示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    品質・価格・スピードの課題を整理し、3軸切削の導入で加工時間が約半分になったと具体的な効果が示されている。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標3

    加工時間が約半分になったという数値はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、目標設定が不明確。

  • 事業を進める体制2

    従業員7名で社員の技術資格取得を奨励すると書かれるが、補助事業を遂行する体制の具体的な記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    半導体メーカーからの厳しい要求に応えると書かれ、顧客は示されるが、ニーズの裏付けや選ばれる理由は具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    ヘール加工の自動化を次の課題として挙げ、取り組む方針は示されているが、スケジュールや解決方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    真空部品の高精度加工で希少価値の高い技術と述べられるが、市場内の普及度や高価格化の数値的根拠は示されていない。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    半導体製造装置部品の国内生産回帰に触れるが、雇用創出や波及効果など国が補助する理由は明示されていない。

  • 費用対効果3

    加工時間が約半分になった効果は示されているが、補助金投入額に対する付加価値増加などの費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    対話式加工ソフトやコンピュータ化を進めたとあるが、サプライチェーンへの貢献の記述は限定的。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    半導体製造装置部品という成長分野の製造に関わるとうかがえるが、日本経済の構造転換に資する点は明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    愛媛県西条市の企業であることは示されるが、地域特性を活かした雇用や経済成長への言及はほぼない。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。