ものづくり補助金平成24年度愛媛県

もち麦を活用した酵素反応による機能性食品素材の低コスト生産

株式会社マエダ

成果当初目標であった10%以上のコスト削減効果を得られる低コスト生産を実現した。

この事例のポイント

  • 少子高齢化と国内市場の縮小により、従来事業の継続だけでは企業成長が困難になっている。
  • もち麦を酵素反応によりギャバを高濃度に含有させる製造工程を検討し、もち麦粒とギャバ抽出エキスの両方について、乾燥温度・時間、水分、ギャバ含有量、一般生菌数を検討して製造工程を確立…
  • 当初目標であった10%以上のコスト削減効果を得られる低コスト生産を実現した。ギャバを高濃度に含有するもち麦素材の低コスト生産を実現し、自社製品として販売に至った。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社マエダ
所在地愛媛県 宇和島市
業種食料品製造業
技術分野電子部品・デバイスの実装
従業員数16人
資本金2,500万円
設立1961年

事業の背景

同社は穀粉、きな粉、あん、餅などを扱う食品製造卸で、昭和26年に創業し昭和36年に法人化した。消費者向け商品が約9割を占め、ロングセラーの「ドライあんこ」を持つ。主要取引先は国内大手一次問屋など約300社で、最終小売は量販店70%、小売店30%である。健康食品市場は2010年現在1兆円超の規模があり、ギャバの市場は2010年度で141億円とされる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信少子高齢化と国内市場の縮小により、従来事業の継続だけでは企業成長が困難になっている。
  • 新製品・新技術消費者ニーズに合った高付加価値な商品の開発が課題となっている。
  • コスト・採算高濃度のギャバを含む機能性食品素材を低コストで生産する工程が確立されていない。

やったこと

もち麦を酵素反応によりギャバを高濃度に含有させる製造工程を検討し、もち麦粒とギャバ抽出エキスの両方について、乾燥温度・時間、水分、ギャバ含有量、一般生菌数を検討して製造工程を確立した。精白度合いをコントロールする精麦機と、異物除去のための振動振るい機を導入した。また、大麦を精粉する独自技術を開発し、はだか麦の精粉を使ったパン用の試作品を製造した。

新しい製品・サービス:ギャバを高濃度に含有するもち麦素材、および大麦の精粉を使ったパン用の精粉商品。

事業の効果

  • 当初目標であった10%以上のコスト削減効果を得られる低コスト生産を実現した。

ギャバを高濃度に含有するもち麦素材の低コスト生産を実現し、自社製品として販売に至った。大麦の精粉技術により、機能性が証明された大麦を使ったパン市場への参入が可能になった。食品業界への供給や発酵食品への活用により、健康市場での販売強化が期待される。パン市場では年間300トンの出荷で約1億円の売上を目指す。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性健康食品市場1兆円超、ギャバ市場141億円に着目し、10%以上のコスト削減と独自の精粉技術で競争力を示している。
  • 4
    課題の認識と解決販売不振の原因を表示規制と特定し機能性表示食品制度への対応を計画。年間300トン・約1億円の売上目標を示す。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標年間300トン出荷で約1億円、工場稼働後は年間約1,000トン・約3~4億円の売上を見込み、目標の根拠が数字で示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    イノベーションへの貢献新技術の開発はあるが、デジタル技術やサプライチェーン全体のイノベーションへの貢献の記述は薄い。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    従来の精粉事業やもち事業を基盤に、もち麦のギャバ強化食品を開発しており、これまでの事業との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    健康食品市場1兆円超、ギャバ市場141億円に着目し、10%以上のコスト削減と独自の精粉技術で競争力を示している。

  • 課題の認識と解決4

    販売不振の原因を表示規制と特定し機能性表示食品制度への対応を計画。年間300トン・約1億円の売上目標を示す。

事業の実現可能性3.4
  • 付加価値・賃上げの目標4

    年間300トン出荷で約1億円、工場稼働後は年間約1,000トン・約3~4億円の売上を見込み、目標の根拠が数字で示されている。

  • 事業を進める体制3

    製造工程の確立やパン用精粉の技術蓄積を進めてきた実績があり、工場建設中であることから遂行体制は一定程度読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    健康食品市場の取引量約1万トンや、食物繊維量など製品の価値を数字で整理し、健康志向の顧客ニーズを示している。

  • 事業化までの道筋3

    機能性表示食品制度への取り組みやパン市場への展開、麺製品への拡張など段階的な計画が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    大麦の精粉は大手メーカーも困難としていた技術で、高濃度ギャバのもち麦素材も新市場開拓の側面を持つ。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    地域の特産品である愛媛県産はだか麦を活用し、生産者の収益拡大にも貢献すると述べている。

  • 費用対効果3

    10%以上のコスト削減を実現したと述べるが、補助金投入額に対する費用対効果の具体的数字は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    新技術の開発はあるが、デジタル技術やサプライチェーン全体のイノベーションへの貢献の記述は薄い。

政策面3.5
  • 成長分野への進出3

    健康市場という成長分野への進出を図り、食品業界への機能性素材供給を通じた展開が示されている。

  • 地域経済への波及4

    愛媛県の特産品であるはだか麦を活用し、生産者の収益拡大や地域の原材料需要の安定化に貢献する点が示されている。

今後の展望

パン市場の健康食品分野(約1万トン、市場規模約30~40億円)へ進出し、年間300トンの出荷で約1億円の売上を目指す。建設中の工場が稼働すれば8時間稼働で年間約1,000トンを製造でき、約3~4億円の売上を見込む。麺製品や、パンの製造販売も検討している。

  • 目標:従来製法の3倍以上の高濃度ギャバ(600mg/100g)を目指した。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。