ものづくり補助金平成24年度愛媛県

冷蔵・冷凍陳列棚向け「新機能付き耐低温性LED照明」の開発

株式会社OBU

成果照射角(配光角) 250度→270度

この事例のポイント

  • 冷凍・冷蔵陳列棚の照明をLEDに交換する際、新規の陳列棚購入は多大なコストがかかる。
  • 冷凍(-40℃)に耐える構造を開発するため、既存ユーザーの協力を得て市場の冷凍・冷蔵設備の照明を調査した。
  • 照射角(配光角) 250度→270度。冷凍棚や冷凍倉庫の超低温(-40℃)環境でも照度変化が起こらない試作品を製作した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社OBU
所在地愛媛県 松山市
業種電気機械器具製造業
技術分野組込みソフトウェア
従業員数91人
資本金1,000万円
設立2003年

事業の背景

同社は平成15年に電子部品・実装メーカーとして創業し、国立大学法人琉球大学との共同開発により自社製品としてLED照明及び電源を開発・製造販売してきた。その販売実績は16万本を超える。主要顧客はドラッグストア・スーパー・コンビニなどの流通業界で、電力使用量削減のため冷凍・冷蔵陳列棚照明のLED化が求められていた。国内製造業は空洞化が進み、コストダウンと品質向上・短納期への対応が重要課題となっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算冷凍・冷蔵陳列棚の照明をLEDに交換する際、新規の陳列棚購入は多大なコストがかかる。
  • 新製品・新技術既存のLED照明は冷凍・冷蔵設備で壊れやすく、蛍光塗料が分離し、商品が美味しく見えないなど、満足できる製品が市場になかった。

やったこと

冷凍(-40℃)に耐える構造を開発するため、既存ユーザーの協力を得て市場の冷凍・冷蔵設備の照明を調査した。照明の長さは32W型830mm、40W型1198mmとし、照射角を250°まで広げ、放熱板などの素材を見直して大容量化対策を行った。照明器具と取付金具を一体化した試作品を製作し、精肉・鮮魚・惣菜を美味しく見せる演色値と色温度を検証した。試作品では放熱板、ポリカカバー、金具の金型を製作して組み立て、各機能と耐久性を評価して問題点を設計改善・部材変更で繰り返し修正し目標基準に適合させた。

新しい製品・サービス:冷凍・冷蔵陳列棚向け新機能付き耐低温性LED照明

事業の効果

  • 照射角(配光角) 250度→270度
  • Ra85の高演色性を実現し、赤身の肉などを鮮やかに見せられることを確認

冷凍棚や冷凍倉庫の超低温(-40℃)環境でも照度変化が起こらない試作品を製作した。専用電源により従来の蛍光灯より発熱量が少なく、冷凍品が溶けにくくなり陳列効率の向上にも寄与する。ポリカカバーは落下させても飛散しない結果が得られ、Ra85の高演色性により商品を美味しく見せられるようになった。今後は既存ユーザーへの導入、新規展開、小型サイズの開発を進める。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.2 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性市場の要望(冷凍設備での故障、蛍光塗料の分離、商品が美味しく見えない等)を踏まえ、Ra85や配光角270度など数値で差別化点を示している。
  • 4
    課題の認識と解決顧客の課題(新規陳列棚購入の高コスト、既存LEDの欠点)を明確に認識し、耐低温性と演色性で解決する計画が読み取れる。
  • 4
    事業を進める体制従業員91名、SMT表面実装機や外観検査機など設備、ISO9001に基づく品質管理体制が具体的に書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標販売先拡大の目標は書かれているが、付加価値額や賃上げに関する数値目標は記載がなく、わずかにうかがえる程度である。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の蛍光灯・LED照明の欠点解決を狙った自社製品開発で、LED照明及び電源を販売してきた実績(16万本超)との連続性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    市場の要望(冷凍設備での故障、蛍光塗料の分離、商品が美味しく見えない等)を踏まえ、Ra85や配光角270度など数値で差別化点を示している。

  • 課題の認識と解決4

    顧客の課題(新規陳列棚購入の高コスト、既存LEDの欠点)を明確に認識し、耐低温性と演色性で解決する計画が読み取れる。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標2

    販売先拡大の目標は書かれているが、付加価値額や賃上げに関する数値目標は記載がなく、わずかにうかがえる程度である。

  • 事業を進める体制4

    従業員91名、SMT表面実装機や外観検査機など設備、ISO9001に基づく品質管理体制が具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    冷凍品が溶けにくい、商品が美味しく見える等の価値と、ドラッグストア・スーパー等の顧客ターゲットが具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    既存顧客への導入、展示会参加、小型サイズ追加など今後の活動予定は示されるが、スケジュールや課題解決の具体的時期は乏しい。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    冷凍・冷蔵陳列棚用LEDで、Ra70~75までしか市場になく冷凍・冷蔵用は存在しなかったと競合調査結果を示している。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用2

    電力使用量削減や地元愛媛への貢献がうかがえるが、経済波及や雇用創出の具体的な数値は示されていない。

  • 費用対効果4

    既存蛍光灯から交換するだけで電気代を年間約50%削減、販売実績16万本超など費用対効果を数字で示している。

  • イノベーションへの貢献2

    独自の専用電源や発熱量低減など技術面の工夫はあるが、サプライチェーンやイノベーションへの波及は明示されていない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    愛媛県松山市の地元企業である点はうかがえるが、地域の特性を活かした成長牽引としての記述は乏しい。

今後の展望

既存ユーザーへの導入実績を重ねて新規ユーザーへ展開し、展示会への参加で認知度向上を図る。20W型580mmの小型商品も開発し、大手が製造しないニッチ市場に対応する。小ロットでも採算が合う量産化にも取り組み、代理店や商社、部材メーカーと協業して高付加価値製品を開発する予定である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。