ものづくり補助金平成24年度高知県

CAD/CAMシステムによる歯科補綴物加工の技術確立とシステム開発

株式会社ヤマキンメディカル

この事例のポイント

  • 歯科技工のデジタル化が進む中で、CAD/CAMシステムによる歯科補綴物の加工技術を確立する必要がある。
  • 歯科用CAD/CAMシステムの設備を導入し、実際の歯科臨床で使用された石膏模型を用いて、半焼結ジルコニア素材の切削加工を行った。
  • 半焼結ジルコニアの切削加工技術を確立し、切削加工技術確立の目処が立った。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ヤマキンメディカル
所在地高知県 香南市
業種医療業
技術分野切削加工
従業員数2人
資本金800万円
設立2010年

事業の背景

歯科業界、特に歯科技工技術はデジタル化への対応が迫られており、歯科技工士の9割以上を占める個人事業主がその変革に対応する必要がある。平成26年4月にはCAD/CAMシステムで製作されるレジン製歯科補綴物の一部が保険適用となり、今後の増加とニーズの高まりが見込まれている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術歯科技工のデジタル化が進む中で、CAD/CAMシステムによる歯科補綴物の加工技術を確立する必要がある。
  • 人手・技能歯科補綴物は個々の口腔内の状況に応じたカスタムメイドで設計条件が多く、ノウハウを数値化して体系化する必要がある。
  • 品質・精度CAD/CAMで切削加工した補綴物を手作業と同等の適合精度にすることが求められる。

やったこと

歯科用CAD/CAMシステムの設備を導入し、実際の歯科臨床で使用された石膏模型を用いて、半焼結ジルコニア素材の切削加工を行った。手作業で製作した補綴物とCAD/CAMによる切削加工品を模型上で適合性比較し、その違いを細部にわたり定量的に数値化した。抽出された重要なポイントごとに条件を設定して最適設計条件を決定し、様々な加工方法を試験して最適加工条件を検証した。重要なポイントごとのモデルデータを作成して体系化し、歯科技工士がフローチャート形式で選択しながら設計を完成させるシステムを開発した。

新しい製品・サービス:CAD/CAMシステムによる歯科補綴物の加工技術とフローチャート選択式受注システム

事業の効果

半焼結ジルコニアの切削加工技術を確立し、切削加工技術確立の目処が立った。適合に影響する歯科補綴物の重要なポイントを数値化・評価し、当社独自のフローチャート選択式受注システムを構築した。このシステムにより県外からの受注でも発注者の満足できる歯科補綴物を提供できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.3 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性県外からの受注も可能にするフローチャート選択式受注システムを構築し、インターネットを使い全国展開を目指すと書かれており、外部環境と自社の強みを踏まえた内容が読み取れる。
  • 4
    課題の認識と解決手作業とCAD/CAM加工の適合性を数値化で比較し、重要ポイントを体系化して受注システムを構築したと具体的に書かれている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け歯科補綴物の適合精度を手作業と比較して数値化し、顧客ターゲットを高知県の歯科技工士や県外受注先と明示している。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標高い付加価値創出や賃上げの目標値は書かれていない。販売計画も定性的な記述にとどまる。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    事例では歯科技工のデジタル化対応を背景に、CAD/CAMによる歯科補綴物の技術確立に取り組む経緯が書かれている。過去の取組との連続性は具体的に読み取れない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    県外からの受注も可能にするフローチャート選択式受注システムを構築し、インターネットを使い全国展開を目指すと書かれており、外部環境と自社の強みを踏まえた内容が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    手作業とCAD/CAM加工の適合性を数値化で比較し、重要ポイントを体系化して受注システムを構築したと具体的に書かれている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高い付加価値創出や賃上げの目標値は書かれていない。販売計画も定性的な記述にとどまる。

  • 事業を進める体制3

    従業員数2名で歯科技工士の意見を吸い上げる体制は書かれているが、遂行体制の具体的な人材配置は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    歯科補綴物の適合精度を手作業と比較して数値化し、顧客ターゲットを高知県の歯科技工士や県外受注先と明示している。

  • 事業化までの道筋3

    試作と適合性検証、加工方法の検討という段階は書かれているが、スケジュールや中長期の検証計画は具体的ではない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    平成26年に歯科補綴物のレジン製品の一部保険適用が認められ、CAD/CAM製品が今後増加すると書かれており、普及度が低い分野への取組が読み取れる。

公的補助の必要性3.5
  • 波及効果・雇用3

    高知県から先端技術を発信し、歯科技工業界の医療技術の地域格差防止と後継者育成に資すると書かれているが、経済波及の定量的記述はない。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献4

    CAD/CAMとフローチャート選択式受注システムによりデジタル技術を活用し、地域の歯科技工業界全体の底上げにつなげる新しい仕組みが書かれている。

政策面3.0
  • 成長分野への進出2

    歯科技工のデジタル化への対応は書かれているが、日本経済の構造転換への言及は明確ではない。

  • 地域経済への波及4

    高知県の個人事業主が多い歯科技工業界の特性を踏まえ、地域の匠の技術を守りながら地域の事業を底上げする取組が書かれている。

今後の展望

今後はインターネットを活用した県外での受注活動に力を入れるとともに、歯科技工士が必要とするデジタル技術・サービスのコンテンツを開発し、歯科技工業の総合コンサルティングを目指す。歯科用CAD/CAM市場は成長市場であり、継続的に市場とニーズを調査し対応する。

事業者の声

歯科技工士の意見を積極的に吸い上げてシステムに落としこむことで、新たな技術と従来の技術の融合を図る。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。