ものづくり補助金平成24年度福岡県

ソレノイドを駆動源とした平行開閉ハンド装置の開発

タカハ機工株式会社

この事例のポイント

  • 市販の自動ハンド装置はモーター駆動式やエアー駆動式で高価なため、把持力の精度が不要な工程や使いにくさを嫌う工程では導入が見送られている。
  • 価格1万円以下を目標に、各部品を内製可能な工法(樹脂成型、板金、プレス、旋盤)で加工できる材料と形状を選定し、把持力と耐久性を考慮した設計を行った。
  • 試作品の評価結果をもとに改善を行い、可動部のアームやリンクにQPG処理(表面硬化と防錆)を施して10万回の耐久性をクリアした。

事業者のプロフィール

事業者名タカハ機工株式会社
所在地福岡県
業種電気機械器具製造業
技術分野動力伝達
従業員数82人
資本金5,000万円

事業の背景

製造現場の工程自動化には自動ハンド装置が必要だが、市販品はモーター駆動式やエアー駆動式が中心である。エアー駆動式は高価で、把持力精度が不要な工程や使いにくさを嫌う工程からは導入を見送られている。そこで、把持力精度は低いが低価格なソレノイド駆動型の自動ハンド装置の製品化に取り組んだ。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算市販の自動ハンド装置はモーター駆動式やエアー駆動式で高価なため、把持力の精度が不要な工程や使いにくさを嫌う工程では導入が見送られている。
  • 新製品・新技術把持力精度は低くてもよいが低価格な、そうした工程向けの自動ハンド装置が市場になかった。

やったこと

価格1万円以下を目標に、各部品を内製可能な工法(樹脂成型、板金、プレス、旋盤)で加工できる材料と形状を選定し、把持力と耐久性を考慮した設計を行った。3次元CADで大、中、小の3種類のソレノイドとハンドを設計した。品質の安定した部品を効率よく製作するため、板金部品用金型を6型製作し、把持力や耐久性の性能試験用に耐久試験用治具1式を製作した。研究開発試作品は3サイズを製作し、ソレノイドは各サイズ100台、ハンドは各サイズ30台を作った。試作品で把持力、耐久性(10万回)、直流抵抗、絶縁耐圧、絶縁抵抗の評価・検証を行った。

新しい製品・サービス:ソレノイドを駆動源とした新構造の間接型平行開閉式ハンド装置

事業の効果

試作品の評価結果をもとに改善を行い、可動部のアームやリンクにQPG処理(表面硬化と防錆)を施して10万回の耐久性をクリアした。各勘合部品間のクリアランスを最適化して把持力を安定させ、ハンド駆動に適するようソレノイド特性を見直した。今後は把持対象物に適した把持部材の研究と、現状の把持トルクを保ったままの小型化が課題として残っている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決把持力精度が低いが低価格の工程向けという課題認識があり、価格1万円以下の目標や耐久性改善の成果が具体的に書かれている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け価格1万円以下を目標とし、食品機械メーカーや調剤機器など顧客ターゲットと市場規模が具体的に示されている。
  • 4
    事業化までの道筋残課題として把持部材質の研究と小型化を挙げ、今後1年間の市場調査後に販売開始する予定が示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    波及効果・雇用製造業の自動化を支える装置として言及はあるが、経済波及効果や雇用創出など国が補助する理由は書かれていない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    製造工程の自動化を進めるためのハンド装置開発と書かれ、自社の事業との関連は読み取れるが、過去の取組や経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    モーター式やエアー式は高価で導入見送りという市場の課題が示され、低価格のソレノイド型で対応する方針が読み取れるが、自社の強みの根拠は具体的でない。

  • 課題の認識と解決4

    把持力精度が低いが低価格の工程向けという課題認識があり、価格1万円以下の目標や耐久性改善の成果が具体的に書かれている。

事業の実現可能性3.4
  • 付加価値・賃上げの目標3

    年間出荷台数4万台や5万台という目標が示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、実現性の根拠も薄い。

  • 事業を進める体制3

    試作品100台や金型6型など開発体制の規模は書かれるが、人材や事務処理体制についての記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    価格1万円以下を目標とし、食品機械メーカーや調剤機器など顧客ターゲットと市場規模が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋4

    残課題として把持部材質の研究と小型化を挙げ、今後1年間の市場調査後に販売開始する予定が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    低価格のソレノイド駆動ハンドという新構造が示されるが、普及度や高付加価値化の水準に関する数字は書かれていない。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    製造業の自動化を支える装置として言及はあるが、経済波及効果や雇用創出など国が補助する理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    1万円以下の低価格化と耐久性10万回の評価が示され、費用対効果の一端がうかがえるが、補助金額対比の数字はない。

  • イノベーションへの貢献2

    ソレノイド駆動の新構造ハンドという技術的特徴はあるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    製造業の自動化を進める装置であり、構造転換との関連がうかがえるが、政策的な位置付けは明示されていない。

  • 地域経済への波及ー

    公開情報では判断できません。

今後の展望

調剤機器や設備メーカーには既存取引先を含め国内外に販売する。食品機械メーカーは日本食品工業会の247社を対象に年間出荷台数4万台、ロボット組立メーカーは日本ロボット工業会の115社を対象に年間出荷台数5万台を目標とする。今後1年間の市場調査の後、販売を開始する予定である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。