ものづくり補助金平成24年度福岡県

小型高輝度LED投光器の開発

株式会社春日工作所

この事例のポイント

  • 大光量照明は従来光源だとエネルギー消費が大きく、省エネ化が求められている。
  • 3次元熱流体解析を用いて放熱性能をシミュレーションしながら、リフレクター(反射板)と筐体の材質検討と一体化、ヒートシンク(放熱板)の最適化を行い、最適放熱設計を実施した。
  • 高効率放熱技術と光学設計の最適化により、発光面積がコンパクトでも高輝度な筒型のLED投光器を開発した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社春日工作所
所在地福岡県 北九州市
業種電気機械器具製造業
技術分野電子部品・デバイスの実装
従業員数132人
資本金1,500万円

事業の背景

スタジアムライト、投光器、水中灯などの大光量照明は様々な分野で使われているが、従来の光源はエネルギー消費が大きい。そのため省エネ化が求められ、従来型より発光効率の高いLEDが次世代照明として期待されている。大光量の小型LED照明を実現するには、LED光源が発する熱の放熱設計が鍵を握る。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力大光量照明は従来光源だとエネルギー消費が大きく、省エネ化が求められている。
  • 新製品・新技術LEDで大光量照明を小型化するには複数のLED光源を高密度に実装する必要があるが、従来の手法では光源の間隔を広くとって放熱するため、小型化できない。

やったこと

3次元熱流体解析を用いて放熱性能をシミュレーションしながら、リフレクター(反射板)と筐体の材質検討と一体化、ヒートシンク(放熱板)の最適化を行い、最適放熱設計を実施した。光学設計では光学シミュレーションを行い、レンズやリフレクターの材質と形状を決定した。LEDの電源にはマイコン制御を採用し、遠隔操作による輝度調整を可能にした。これらにより超小型・軽量な高輝度LED投光器を開発した。

  • ソフト3次元熱流体解析ソフト光学シミュレーションソフト

新しい製品・サービス:小型高輝度LED投光器およびその電源(試作品 KSL25L、KSL100M)

事業の効果

高効率放熱技術と光学設計の最適化により、発光面積がコンパクトでも高輝度な筒型のLED投光器を開発した。防水性、耐塵性、耐振動性に優れ、浸水試験、若戸大橋でのライトアップ、イカ釣り船の集魚灯での実証実験で仕様に耐えることを確認した。発光ON-OFFや調光の遠隔操作、温度検出による自動調光などのインテリジェント機能を備え、家庭用AC電源や車載DC電源など幅広い電源に対応する電源フリー仕様とした。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.9 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性水銀条約による2020年のメタルハライド灯製造禁止や市場が3,083億円に伸びる見込みを挙げ、耐環境性・インテリジェント機能で他社優位と記載している。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け発光面積の小ささと高輝度、耐環境性、遠隔操作など他社優位の特徴を挙げ、水中・トンネル・集魚灯など顧客用途も示している。
  • 4
    新しさ・高付加価値メタルハライド灯の置き換えとして、小型・高輝度で高付加価値なLED投光器を展開するとされ、同分野で高付加価値化を図る内容となっている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制マイコン制御や光学・放熱シミュレーションを用いた開発体制はうかがえるが、人材や事務処理能力の具体的な記載はない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    LED投光器の開発が今後の展望の中で、照明市場の代替需要やニッチ市場展開の方針として述べられている。過去の取組との連続性は書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    水銀条約による2020年のメタルハライド灯製造禁止や市場が3,083億円に伸びる見込みを挙げ、耐環境性・インテリジェント機能で他社優位と記載している。

  • 課題の認識と解決3

    従来型の放熱材料の課題を認識し、放熱設計と光学設計で解決している。ただし事業計画の数値や成長指標は書かれていない。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標ー

    公開情報では判断できません。

  • 事業を進める体制2

    マイコン制御や光学・放熱シミュレーションを用いた開発体制はうかがえるが、人材や事務処理能力の具体的な記載はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    発光面積の小ささと高輝度、耐環境性、遠隔操作など他社優位の特徴を挙げ、水中・トンネル・集魚灯など顧客用途も示している。

  • 事業化までの道筋3

    浸水試験や若戸大橋でのライトアップ、イカ釣り船での実証実験を行い、仕様確認まで進めたと記載されている。今後のスケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    メタルハライド灯の置き換えとして、小型・高輝度で高付加価値なLED投光器を展開するとされ、同分野で高付加価値化を図る内容となっている。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    省エネ化や水銀条約への対応は社会的背景として挙げられているが、川上川下への波及効果や雇用創出の記載はない。

  • 費用対効果2

    省エネ性や長寿命の利点はうかがえるが、補助金投入額に対する付加価値額や生産性の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    マイコン制御や遠隔操作による輝度調整、温度検出による自動調光を採用しており、デジタル制御の活用は読み取れる。ただし地域やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    省エネ型の次世代照明への置き換えが進むと述べられており、照明分野の構造転換にわずかに触れている。

  • 地域経済への波及ー

    公開情報では判断できません。

今後の展望

工場の高所灯や漁船の集魚灯に使われるメタルハライド灯は水銀条約により2020年に製造が禁止される。LED照明はその代替として有力視され、省エネ性と長寿命から従来照明からの置き換えも進んでおり、市場は2020年に3.083億円に伸びるとされる。当社は特殊環境で使え、小型でインテリジェント機能を持つ投光器としてニッチな市場への展開を狙う。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。