ものづくり補助金平成24年度福岡県

3Dターニングマシーンを利用した国産木材の一体成形「独楽(コマ)」の開発と生産

この事例のポイント

  • 木工旋盤による従来の製法では回転体形状の独楽しか作れず、形状やデザインの幅が狭かった。
  • 3Dターニングマシンを導入し、福岡県工業技術センターの指導を受けて加工技術を確立した。
  • 3Dターニングマシンの導入により、従来の木工旋盤では作れなかった多様な形状やデザインの独楽を製造できるようになった。

事業者のプロフィール

所在地福岡県
業種木材・木製品製造業(家具を除く)
技術分野切削加工

事業の背景

独楽は木材を木工旋盤に取り付け、手で刃物を押し当てて削る職人の手仕事で製造されてきた。そのため製造できる形状は回転体に限られ、独楽の形状やデザインの幅が狭かった。当社は独楽製造業界で初めて3Dターニングマシンを導入し、多様な形状や高精度の独楽を生産性良く作ることを目指した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術木工旋盤による従来の製法では回転体形状の独楽しか作れず、形状やデザインの幅が狭かった。
  • コスト・採算本体と芯を一つの木材から削り出す一体成型の独楽は従来の製法では高コストになっていた。
  • 品質・精度手作業の木工旋盤では加工精度に限界があり、品質のばらつきや不良率の高さにつながっていた。

やったこと

3Dターニングマシンを導入し、福岡県工業技術センターの指導を受けて加工技術を確立した。3Dターニングマシンは木材を非回転で加工できるため、本体にひもを巻きやすくするらせん状の溝を入れるなど、従来にない形状を実現した。一体成型の独楽は、一本の棒状の木材から数値制御により自動で連続して製造できるようにした。数値制御による自動加工で手作業の木工旋盤より加工精度を高め、独楽のデザインは3次元CADで行った。

新しい製品・サービス:らせん状の溝を持つ独創的な形状の独楽を開発した。さらに、3Dターニングマシンの加工技術を活かし、子供の学習時の姿勢改善用教習具など独楽以外の新商品の開発にも取り組んでいる。

事業の効果

3Dターニングマシンの導入により、従来の木工旋盤では作れなかった多様な形状やデザインの独楽を製造できるようになった。一体成型の独楽を自動で連続製造できるようになり、製造コストを半減できた。数値制御の自動加工により加工精度が上がり、品質の向上と不良率の低下につながった。全国の幼稚園・保育園12団体にサンプルを提供したアンケートでは、ひもを巻きやすく簡単に回せると好評を得た。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.8 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    顧客とニーズの裏付け幼稚園・保育園12団体にサンプルを提供し、ひもを巻きやすく簡単に回せると好評だったというアンケート結果から、顧客ターゲットと選ばれる理由が読み取れる。

伸びしろがあった観点

  • 2
    これまでの取組との一貫性木工旋盤から3Dターニングマシンへ移行し独楽製造を進めた経緯は読めるが、経営戦略上の位置付けや過去の取組との一貫性は書かれていない。
経営戦略との整合性2.7
  • これまでの取組との一貫性2

    木工旋盤から3Dターニングマシンへ移行し独楽製造を進めた経緯は読めるが、経営戦略上の位置付けや過去の取組との一貫性は書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    独楽にひもを巻きやすい螺旋溝など他社にない独自形状を持つ点は読み取れるが、市場動向との関係や競争優位の根拠は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    従来の手作業による形状の制約や一体成型のコスト高を課題として挙げ、解決策を示しているが、高付加価値化の見込みは数値で示されていない。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    製造コストを半減できたとあるが、付加価値額や賃上げに関する目標値は書かれておらず、実現可能性の判断は難しい。

  • 事業を進める体制ー

    公開情報では判断できません。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    幼稚園・保育園12団体にサンプルを提供し、ひもを巻きやすく簡単に回せると好評だったというアンケート結果から、顧客ターゲットと選ばれる理由が読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    今後は外部デザイナーの助言を得て新デザインを作成し、パンフレット送付やネットショップ拡大を図るとあるが、スケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    木工旋盤では不可能な形状の独楽で、業界初の3Dターニングマシン導入とあり、独自性は読めるが、分野全体の普及度は数値で示されていない。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用2

    幼稚園・保育園向け販売や子供の学習姿勢改善用教習具の開発に触れており、地域や雇用への波及効果は直接書かれていない。

  • 費用対効果3

    製造コストを半減でき、不良率低下や加工精度向上につながったとあるが、補助金額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    数値制御の3D加工機と3D CADによるデザインを用いる点は読み取れるが、サプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    福岡県の工業技術センター指導のもとで実現したとあるが、地域の経済成長や雇用創出への効果は書かれていない。

今後の展望

主に幼稚園や保育園を販売先と想定し、販売実績先やサンプル送付先の施設に新商品のパンフレットを送付して販売促進を図る。個人客に対しては、自社ネットショップでの販売拡大や購入実績のある顧客への案内メール送付、商品同封パンフレットなどで販売を広げる。独楽以外の新商品開発も進める。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。