ものづくり補助金平成24年度福岡県

もろみ圧搾工程改善による日本酒の高品質化・多様化

池亀酒造株式会社

この事例のポイント

  • 大型の圧搾機では一気に圧力をかけて搾るため、味が均質になってしまう。
  • 日本酒を造る際にもろみを絞る圧搾工程に、従来の約3分の1に小型化した自動圧搾機を導入した。
  • 香りや味わいが異なる三つのタイプの商品化が可能になり、商品の幅が広がった。

事業者のプロフィール

事業者名池亀酒造株式会社
所在地福岡県 福岡県久留米市
業種食料品製造業
技術分野プラスチック成形加工
従業員数9人
資本金1,600万円
設立1875年

事業の背景

1875年に創業し、主に「レギュラー酒」と呼ばれる日常で親しまれる酒を生産して伝統を守ってきた。ワインやリキュールなど食文化の多様化により、日本酒の消費を取り巻く環境は刻々と変化している。こうした中で、大量生産から多品種少量への転換が求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度大型の圧搾機では一気に圧力をかけて搾るため、味が均質になってしまう。
  • 生産能力大型で大量生産に適した圧搾機だったため、多品種少量生産への対応が難しかった。
  • 人手・技能ろ布(フィルター)の着脱や洗浄に手間がかかっていた。

やったこと

日本酒を造る際にもろみを絞る圧搾工程に、従来の約3分の1に小型化した自動圧搾機を導入した。小型機では時間をかけてじっくり搾ることで「粗走り」「中垂れ」「責め」を分けて搾り、味わいを変えられるようにした。酒袋や酒槽を使った昔ながらの伝統的な搾り方に近づけ、付加価値の高い製品を作ることを狙った。圧搾後の瓶詰めはすぐに行い、鮮度を保つようにしている。

加工機自動圧搾機

新しい製品・サービス:香りや味わいが異なる三つのタイプの商品

事業の効果

香りや味わいが異なる三つのタイプの商品化が可能になり、商品の幅が広がった。ろ布の着脱や洗浄に手間がかかるという以前からの課題も解決している。2018年の第7回福岡県酒類鑑評会では出品した5商品が金賞を取り、多品種少量の商品で個性を発揮している。社員の酒造りへの意識が変わり、各工程の最適化を考え検証するようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    「酒造り全体の工程を見直す契機に」とあり、過去の取組との一貫性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは記載が薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    大手酒造会社には難しい多品種少量の商品で個性を発揮と書かれ、強みは示唆されるが市場動向との関係の記述は少ない。

  • 課題の認識と解決4

    大型圧搾機の均質化による課題を認識し、小型圧搾機への導入で多品種少量化へ転換したとの具体的な経緯が書かれている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    2018年の福岡県酒類鑑評会で5商品が金賞とあるが、付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく、わずかにうかがえる程度。

  • 事業を進める体制2

    補助事業の申請はほぼ自力で進めたとあるが、体制や人材の具体的な記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    大型圧搾機では味が均質になる課題に対し、小型機で多品種少量の商品化が可能になったと、選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    ろ布の着脱や洗浄の手間という課題の解決効果は触れられているが、スケジュールや中長期の検証方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    大型圧搾機では困難な多品種少量・高付加価値の日本酒を商品化し、大手では難しい個性を発揮していると書かれている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    伝統的な酒造りの工法の再現や地域の産地との差別化に触れるが、雇用や波及効果の記述は乏しい。

  • 費用対効果3

    鑑評会で5商品が金賞を取った成果は書かれているが、補助金投入額に対する付加価値額の増加は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    久留米市三潴町の地元酒造として伝統的な酒造りを守る点は読み取れるが、地域経済への波及の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

事業者の声

バラエティーに富んだお酒を

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。