ものづくり補助金平成24年度福岡県

藍染色装置製作による染色加工量産化

筑後染織協同組合

成果一日の染色能力 10kg/日→20kg/日

この事例のポイント

  • 藍染めは熟練者の手作業に頼り、染色工程の手間や品質管理の難しさから量産に向かなかった。
  • 藍染色槽と自動化設備(巻取り装置、自動染色装置)を試作した。
  • 一日の染色能力 10kg/日→20kg/日。自動化により一日の染色能力が従来の約2倍の20kg/日程度になり、生産性が約2倍に向上した。

事業者のプロフィール

事業者名筑後染織協同組合
所在地福岡県 筑後市
業種繊維工業
技術分野切削加工
従業員数46人
資本金1.292億円

事業の背景

当地域は江戸時代から綿織物が盛んで、糸の段階ではなく反物の段階で染色する広幅織物が特徴である。現在は量産性とコストの面から化学染料の使用が主流となっている。一方で、取引先から環境にやさしい染色への要望が出てきた。天然藍は和のテイストや素朴さからニーズがあるため、天然藍による藍染めの量産化に取り組んだ。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能藍染めは熟練者の手作業に頼り、染色工程の手間や品質管理の難しさから量産に向かなかった。
  • コスト・採算手作業のため最大染色能力は10kg/日にとどまり、加工賃は4,000円/kgと高かった。

やったこと

藍染色槽と自動化設備(巻取り装置、自動染色装置)を試作した。インド藍、琉球藍、伊達藍の9種類の天然藍染料と合成藍染料インジゴ染料を比較する染色試験を行い、染色槽と自動化設備の評価試験も実施した。染色物の色性品質を評価した。その評価をもとに巻取り装置と自動染色装置を改良重ね、自動化の目途をつけた。生産コストや作業性を考慮し、主に使用する天然藍染料をインド藍に決定した。

  • 加工機藍染色槽巻取り装置自動染色装置

新しい製品・サービス:天然藍による藍染めの広幅織物

事業の効果

  • 一日の染色能力 10kg/日→20kg/日
  • 染色の単位当たり加工賃 4,000円/kg→2,000円/kg

自動化により一日の染色能力が従来の約2倍の20kg/日程度になり、生産性が約2倍に向上した。加工賃は2,000円〜3,000円/kgとなり、改善前に比べ25%〜50%低減した。その結果、価格を下げた低価格の商品を提供でき、消費者が購入しやすい価格になった。取引先から要望のあった環境にやさしい天然藍染めの広幅織物を提供できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決手作業で日10kg・加工賃4,000円/kgという課題を示し、自動化で日20kg程度、加工賃2,000~3,000円/kgへという解決を数字で示している。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け取引先の環境配慮の要望、天然藍の和のテイスト、価格を下げて購入しやすくする点、アパレル製造元への供給展開が書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制従業員数46人の記載はあるが、補助事業を遂行する体制や担当の役割は具体的に書かれていない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    当地域は江戸時代から綿織物が盛んで広幅織りが特徴とあるが、自社の過去の取組から天然藍への流れが連続しているかは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    取引先から環境にやさしい染色の要望があり、天然藍の和のテイストにニーズがあると書かれているが、競争優位の根拠は示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    手作業で日10kg・加工賃4,000円/kgという課題を示し、自動化で日20kg程度、加工賃2,000~3,000円/kgへという解決を数字で示している。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標3

    生産性2倍、加工賃25~50%低減という数値が示されているが、付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数46人の記載はあるが、補助事業を遂行する体制や担当の役割は具体的に書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    取引先の環境配慮の要望、天然藍の和のテイスト、価格を下げて購入しやすくする点、アパレル製造元への供給展開が書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    藍染色槽・自動化設備の試作、染色試験、改良と評価の流れは書かれているが、実施時期や工程ごとのスケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    化学染料が主流の中で天然藍による量産染色を実現したと書かれており、ジャンルの普及度は低いと読み取れるが、数値の根拠は乏しい。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    地域の綿織物産地での取組と環境ニーズへの対応はうかがえるが、雇用創出や波及効果の記載は薄い。

  • 費用対効果2

    生産性2倍と加工賃の低減率は示されているが、補助金の投入額や費用対効果の比率は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    機械による自動化は書かれているが、デジタル技術や新しいビジネスモデルの活用は読み取れない。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    環境配慮の需要に応える方向性はうかがえるが、成長分野への進出や構造転換との関係は明示されていない。

  • 地域経済への波及3

    当地域は江戸時代から綿織物が盛んで広幅織りが特徴と書かれ、地域の産地を活かした事業とわかるが、雇用や地域成長への言及は薄い。

今後の展望

天然藍による藍染めの量産化が可能になり、一日当たり生産量の倍増と生産コストの半減により量産性を確立できた。今後はアパレル製造元への供給を展開する予定である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。