ものづくり補助金平成24年度佐賀県

地中熱利用ヒートポンプシステム用自動制御温度応答試験装置の開発

株式会社ワイビーエム

この事例のポイント

  • 国内の温度応答試験装置は全国で約10台程度と少なく、試験装置を生産しているメーカーも少ない。
  • タッチパネルで操作でき、試験結果に影響する流量やヒーターのノイズを小さくする制御ソフトを組み込んだ、地中熱利用ヒートポンプシステム用自動制御温度応答試験装置を開発した。
  • この装置を製作したことで、どの業者でも同じ品質で温度応答試験を行えるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ワイビーエム
所在地佐賀県 唐津市
業種生産用機械器具製造業
技術分野組込みソフトウェア
従業員数233人
資本金1億円

事業の背景

地中熱利用ヒートポンプシステムは30〜50%の省エネを実現する空調システムで、普及が飛躍的に伸びている。東日本大震災以降に省エネへの関心が高まり、伸びが加速したことで地中熱業界への参入企業が増えている。経済的な熱交換井の設計には温度応答試験で地下の見かけ熱伝導率を推定する必要があり、環境省のガイドラインにも試験が記載されたため、今後も試験の需要が増えると考えられる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力国内の温度応答試験装置は全国で約10台程度と少なく、試験装置を生産しているメーカーも少ない。
  • 人手・技能温度応答試験は専門的な知識がないと施工しにくく、新たに参入する企業が試験を行いにくい。

やったこと

タッチパネルで操作でき、試験結果に影響する流量やヒーターのノイズを小さくする制御ソフトを組み込んだ、地中熱利用ヒートポンプシステム用自動制御温度応答試験装置を開発した。装置は電気ヒーター、膨張タンク1個、ラインポンプ、配管材料、温度計などの計測器具、制御器具で構成し、設計仕様を満たすよう部材を選定して詳細設計と購入品の発注を行い、組み立てて製作した。制御、計測、表示、通信用のソフトウェアも開発した。自社の50mの地中熱交換井で総合試験を行い、安全装置の停止動作、流量・ヒーター出力の制御、安全弁による圧力上昇防止、タッチパネルと遠隔操作による運転・停止・データ収集・警報発信を確認した。

新しい製品・サービス:地中熱利用ヒートポンプシステム用自動制御温度応答試験装置

事業の効果

この装置を製作したことで、どの業者でも同じ品質で温度応答試験を行えるようになった。搭載した通信機能で試験データを自社に送ることで、試験解析までを一連の流れで行えるようになった。専門的な技術を持たない企業でも試験施工が容易になり、新規参入できる企業が増えると考えられる。量産時は300万円/台での販売を予定している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    顧客とニーズの裏付けタッチパネルで専門知識がなくても操作でき、どの業者でも同じ品質で試験できる点など、製品の価値と選ばれる理由が整理されている。
  • 4
    新しさ・高付加価値国内に約10台程度しかなく、製造メーカーも少ないと示され、専門性が高くニッチな分野であることが読み取れる。
  • 4
    波及効果・雇用地中熱ヒートポンプは30-50%の省エネを実現し、環境省ガイドラインにも記載されると、普及による社会的意義が具体的に書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制自社工場や自社の地中熱交換井で試験したとあるが、人材や事務処理体制についての記述はほぼない。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性3

    地中熱の普及拡大を背景に温度応答試験装置を開発したと書かれているが、既存事業との連続性や経営戦略上の位置付けは具体的に記述されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    国内の温度応答試験装置は約10台、メーカーも少ないと市場環境に触れているが、自社の強みとの関係は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    設置前後の試験で省エネ効果の低下を防ぐ課題を示し、タッチパネル化で新規参入を促す方向性は読み取れるが、事業計画の実効性の数値根拠は乏しい。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標3

    量産時の販売価格300万円/台と市場規模800台程度が示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    自社工場や自社の地中熱交換井で試験したとあるが、人材や事務処理体制についての記述はほぼない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    タッチパネルで専門知識がなくても操作でき、どの業者でも同じ品質で試験できる点など、製品の価値と選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    ハードウェア・ソフトウェア・総合試験の4段階の工程と検証項目は示されているが、中長期の課題検証や詳細スケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    国内に約10台程度しかなく、製造メーカーも少ないと示され、専門性が高くニッチな分野であることが読み取れる。

公的補助の必要性3.3
  • 波及効果・雇用4

    地中熱ヒートポンプは30-50%の省エネを実現し、環境省ガイドラインにも記載されると、普及による社会的意義が具体的に書かれている。

  • 費用対効果3

    市場規模800台や価格300万円/台は示されるが、補助金投入額に対する費用対効果や付加価値増加の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    遠隔操作や通信機能で試験データを送り解析まで一連で行えるとあり、デジタル活用の方向性はうかがえるが、地域やサプライチェーン全体への波及は書かれていない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    再生可能エネルギー分野の普及に関連する開発とうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は明確ではない。

  • 地域経済への波及2

    九州や佐賀県唐津市の拠点は見えるが、地域特性を活かした雇用や地域経済成長への具体的な記述は乏しい。

今後の展望

関東地区50台、東北地区30台、北海道地区30台、中部関西地方40台、中国四国地方30台、九州地方60台の合計800台程度の市場規模を見込んでいる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。