ものづくり補助金平成24年度佐賀県

CNC旋盤導入によるCNCベンディングロールの一貫生産体制の構築

神埼工業株式会社

この事例のポイント

  • 汎用ベンディングロールは熟練者の手動操作に頼るため、高度な技能とキャリアが必要である。
  • CNC旋盤を導入し、熟練の技術に過度に依存しない高精度部品の自社一貫生産体制を構築した。
  • 外注に頼っていた加工を自社で行えるようになり、外注依存をなくすことができた。

事業者のプロフィール

事業者名神埼工業株式会社
所在地佐賀県 佐賀県神埼市
業種生産用機械器具製造業
技術分野組込みソフトウェア
従業員数47人
資本金1,000万円

事業の背景

当社は昭和49年以来、鍛圧機械分野で鋼材の曲げ加工専門機械の製造を得意とし、長年の技術と経験をもとに製品開発・販売を行ってきた。主な顧客は国内の大手造船メーカー、自動車産業、プラント産業である。国内の同業他社は2〜3社ほどしかないが、各社が競争力強化を図っている。近年は川下ユーザーから、職人技術を必要とせず自動制御で高精度に加工でき、短納期で生産できるCNCベンディングロールへのニーズが高まっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能汎用ベンディングロールは熟練者の手動操作に頼るため、高度な技能とキャリアが必要である。
  • 納期・工程CNC装置の位置決めに不可欠な駆動装置部品の加工を外注に頼っており、高精度化と納期短縮が必要である。
  • 品質・精度川下ユーザーから高精度・高品質なCNCベンディングロールを短納期で求められているが、現状では対応しきれていない。

やったこと

CNC旋盤を導入し、熟練の技術に過度に依存しない高精度部品の自社一貫生産体制を構築した。導入した旋盤はコンパクトかつ省スペースで、最大加工径6370mm、棒材加工径51mmの優れた切削能力を持つ。焼入れを施した丸鋼材の加工を行い計測したところ、1/100mm以内の誤差に収まる精度を確認した。これにより従来の材料に加えて、S45CやSCM440等の調質焼入材も高精度に加工できることが分かった。加工後は超音波探傷で検査し、欠陥の有無も確認できるようにした。

新しい製品・サービス:CNCベンディングロール

事業の効果

外注に頼っていた加工を自社で行えるようになり、外注依存をなくすことができた。汎用型からCNC加工に移行したことで、作業者が機械に張り付く時間が減り、加工時間中に次の段取りができるようになった。その結果、精度と生産性が向上した。従来より高品質なCNC部品を自社で供給できることも大きな強みとなる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性国内同業他社が2〜3社と少なく、大手造船・自動車・プラント顧客に高評価を受けているという強みと市場構造が具体的に書かれている。
  • 4
    課題の認識と解決熟練技術依存や外注依存、短納期ニーズという課題が認識され、CNC旋盤導入による自社一貫生産で解決する計画が示されている。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標年に18台以上、1000万〜8000万円価格帯の供給という数値目標があり、精度1/100mm以内の確認も示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制従業員数47人とあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制について具体的な記述は見当たらない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    鋼材の曲げ加工機を長年製造し、汎用から CNC への移行という流れは読み取れるが、経営戦略上の明確な位置付けは記載が薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内同業他社が2〜3社と少なく、大手造船・自動車・プラント顧客に高評価を受けているという強みと市場構造が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    熟練技術依存や外注依存、短納期ニーズという課題が認識され、CNC旋盤導入による自社一貫生産で解決する計画が示されている。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標4

    年に18台以上、1000万〜8000万円価格帯の供給という数値目標があり、精度1/100mm以内の確認も示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員数47人とあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制について具体的な記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高精度・短納期・熟練工不要という製品価値と、造船・自動車・プラント業界のニーズが具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    導入後に生産ラインへ組み込む流れは示されているが、スケジュールや中長期の検証内容は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    国内同業他社が2〜3社と少ない分野で、高精度CNC製品を競争優位に位置づけているが、高価格化の具体的根拠は薄い。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用3

    東北復興やオリンピックに向けた需要増加に触れているが、経済波及や雇用創出への言及は具体性が薄い。

  • 費用対効果2

    作業時間短縮や外注依存の解消は書かれているが、投資額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    CNC化による自動化で生産性が上がるとあるが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は具体的に書かれていない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    佐賀県神埼市の地域企業であることは分かるが、地域特性を活かした雇用創出や成長への言及は見当たらない。

今後の展望

東北復興やオリンピックに向けて需要が徐々に高まると見込んでいる。1000万〜8000万円価格帯のCNCベンディングロールを年に1〜8台以上のペースで供給できるよう、精度と生産性のさらなる向上を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

岡山県平成24年度

多品種小ロット、短納期の生産体制を実現

生産工程を改善するため、高性能の研磨設備を2台導入し、消耗品・部品を共通化するとともに、1台に不具合が生じても生産に影響が出ないようにした。

効果:塗装の乾燥時間 2日→0.67日

東京都平成24年度

マザーマシンの中核を担う最高級精度の部品加工

熟練社員の作業を標準化し、高付加価値作業の継承を確実に行うため、対話式NC装置を搭載した株式会社アマダマシンツール製『TECHSTER-6…

効果:非熟練者でも平行度0.02mm以内及び平面度0.02mm以内の寸法精度を出せるようになった。

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。