ものづくり補助金平成24年度長崎県

航空機難削材加工及び検査改善による競争力強化プロジェクト

株式会社ウラノ

成果ロボドリル台数 1基→4基

この事例のポイント

  • チタン合金は難削材のため、アルミなどに比べて切削に多大な時間が必要で、市場拡大の妨げになっていた。
  • 切削加工条件の改善点を探るため、CADと切削加工用シミュレーションソフトを導入した。
  • ロボドリル台数 1基→4基。図面データを切削加工用データや検査用データに即座に変換する体制が整い、時間のかかっていた整合性チェックの時間を全て削減…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ウラノ
所在地長崎県 埼玉県児玉郡上里町
業種金属製品製造業
技術分野切削加工
従業員数370人
資本金8,000万円
設立1963年

事業の背景

本社は埼玉県上里町で、長崎工場では航空機に使われる複雑な形状のチタン合金部品の切削加工に特化した事業を手がけてきた。チタン合金は難削材であり、切削の時間やコスト、工具の摩耗といった課題を抱えていた。市場を広げるには、これらの課題を解決する必要があった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力チタン合金は難削材のため、アルミなどに比べて切削に多大な時間が必要で、市場拡大の妨げになっていた。
  • コスト・採算切削には高コストの特殊な切削工具が必要だった。
  • 品質・精度工具の摩耗や欠損により、仕上げ加工面の品質を維持することが難しかった。

やったこと

切削加工条件の改善点を探るため、CADと切削加工用シミュレーションソフトを導入した。シミュレーションにより工具の軌跡を効率化し、加工時間の短縮と加工面の品質向上を図るとともに、適正な刃物の選択などの改善策を立案した。大型部品にとどまらず、航空機エンジンの小型部品を加工するためにロボドリルを導入し、機械の性能を引き出す操作を習得した。小型エンジン部品の加工に成功した後も試作を重ねて精度を高め、航空機メーカーから品質良好との評価を得た。その後ロボドリルを3基追加し、全4基で小型部品を量産する体制を整えた。

事業の効果

  • ロボドリル台数 1基→4基
  • 効率的な切削工具の加工軌跡を確立し、工具寿命が伸び、時間も平均50%削減できた。

図面データを切削加工用データや検査用データに即座に変換する体制が整い、時間のかかっていた整合性チェックの時間を全て削減できた。効率的な工具の加工軌跡により工具寿命が伸び、加工時間も平均50%削減した。刃物の形状を自動で把握するシステムによって人為的なミスの可能性がゼロとなった。ロボドリルの導入により航空機エンジン部品の量産体制を確立し、航空機メーカーの期待に応えられる体制を整えた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決工具摩耗や品質維持の困難という課題を示し、加工時間を平均50%削減、整合性チェック時間の全削減などの数字で解決効果を書いている。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標加工時間の平均50%削減や工具寿命の延伸など具体的な数値目標に近い成果があり、ロボドリル追加で量産体制を整えたと書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制技術を有する操作の習得や試作の繰り返しはうかがえるが、人材配置や事務処理体制についての記述は乏しい。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    長崎工場でチタン合金部品の切削加工に特化してきた経緯が書かれ、過去の取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置づけは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    航空機部品の市場拡大を前提に、難削材加工の課題解決に取り組んだと書かれているが、外部環境や競合との比較は示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    工具摩耗や品質維持の困難という課題を示し、加工時間を平均50%削減、整合性チェック時間の全削減などの数字で解決効果を書いている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標4

    加工時間の平均50%削減や工具寿命の延伸など具体的な数値目標に近い成果があり、ロボドリル追加で量産体制を整えたと書かれている。

  • 事業を進める体制2

    技術を有する操作の習得や試作の繰り返しはうかがえるが、人材配置や事務処理体制についての記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    航空機メーカーから品質良好との評価を得たと書かれ、顧客ニーズへの対応は読み取れるが、顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    試作を重ねて精度を高め、ロボドリル4基導入で量産体制を確立したとの流れは書かれているが、スケジュールの詳細は示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    チタン合金の難削材加工や小型エンジン部品の切削加工に取り組んだと書かれ、高付加価値分野であることはうかがえるが、価格水準の数字は示されていない。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    航空機部品の量産体制確立が書かれ、需要への対応はうかがえるが、経済波及効果や雇用創出の記述はない。

  • 費用対効果2

    加工時間の50%削減や4基導入の成果はあるが、補助金投入額に対する付加価値額の数字は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    図面データを切削・検査データに即座に変換する体制やシミュレーションソフトの活用が書かれ、デジタル技術の活用はうかがえる。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    航空機分野への進出はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は読み取れない。

  • 地域経済への波及2

    埼玉本社と長崎工場の体制は書かれているが、地域の特性を活かした雇用創出や地域成長への言及は乏しい。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。