ものづくり補助金平成24年度長崎県

3Dプリンタを利用してアルミ鋳造製品の低コスト化、差別化

赤木コーセイ株式会社

この事例のポイント

  • 西の端に位置して物流面で同業他社より不利なため、物流コストを抑える必要があった。
  • まず3Dプリンタを購入して設置した。
  • 3Dプリンタで作った樹脂モデルにより、砂型試作品を使わずに金型を作ることができ、3製品で費用と時間が削減できた。

事業者のプロフィール

事業者名赤木コーセイ株式会社
所在地長崎県 平戸市
業種非鉄金属製造業
技術分野動力伝達
従業員数91人
資本金9,000万円
設立1991年

事業の背景

当社は自動車と産業用ロボット向けのアルミ鋳物部品を製造している。地理的には西の端に位置し、物流面で同業他社より不利な環境にある。金型設計から中子成形、鋳造、熱処理、加工までを一貫して行うことで物流コストなどを抑え、競争力を高めてきた。一方で市場は国際化が進み、さらなるコストダウンをしなければ海外へ受注が流れるという危機感があった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算西の端に位置して物流面で同業他社より不利なため、物流コストを抑える必要があった。
  • コスト・採算市場の国際化が進み、さらにコストダウンしなければ海外へ受注が流れるとの危機感があった。
  • コスト・採算新規物件の受注時に金型製作と試作の費用がネックとなるケースが多かった。

やったこと

まず3Dプリンタを購入して設置した。担当として技術員2名と品質管理員1名を選任し、操作方法や設備点検などの研修を受けさせたうえで、簡単な成形品をテスト製作した。導入後は引き合いのあった製品の3D樹脂製品と加工治具を作成し、評価して問題点を確認した。その結果をもとに対策を立てて金型に反映し、対策を施した試作品を製作した。3D樹脂製品の寸法は3次元測定機で評価し、寸法精度の高さを実証した。さらに顧客から3D図面の提供を受けた場合の樹脂モデル製作費用を算出して採算面をチェックした。金型と組み合わせて押出しピンや可動中子を備えた金型樹脂製品を製作し顧客へのプレゼンテーションに使用した。製品の座りなどを事前にチェックする治具や加工・切断治具も製作し、樹脂だけでは強度が足りないものは鉄板を複合して補強し、実用化を確認した。

事業の効果

3Dプリンタで作った樹脂モデルにより、砂型試作品を使わずに金型を作ることができ、3製品で費用と時間が削減できた。コスト削減率は2.2〜8.4%に達した。立体モデルを手に取って様々な角度から見られるため、金型の方案策定時間が大幅に短縮され、4製品では削減率90%を達成した。寸法精度は図面寸法に対して概ね1対1となり、相関係数も1.0と高いことを確認した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 5
    課題の認識と解決試作費用と時間の削減が3製品でコスト削減率2.2〜8.4%、4製品で方案策定時間の削減率90%と数字で課題解決効果が示されている。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性西の端の立地で物流が不利、海外への受注流出の危機感があるとし、外部環境と自社の弱みを具体的に示している。
  • 4
    事業を進める体制担当職員として技術員2名と品質管理員1名を選任し研修を受けさせたと、体制が具体的に書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    波及効果・雇用自動車や産業用ロボット業界への販路拡大が予定とあるが、波及効果や雇用創出への言及は乏しい。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性3

    一貫製造による競争力強化という従来の取組との連続性は読めるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    西の端の立地で物流が不利、海外への受注流出の危機感があるとし、外部環境と自社の弱みを具体的に示している。

  • 課題の認識と解決5

    試作費用と時間の削減が3製品でコスト削減率2.2〜8.4%、4製品で方案策定時間の削減率90%と数字で課題解決効果が示されている。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標3

    コスト削減率や時間削減率は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制4

    担当職員として技術員2名と品質管理員1名を選任し研修を受けさせたと、体制が具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    寸法精度の高さや顧客へのプレゼン用樹脂モデルなど価値は読めるが、ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    評価、対策、金型反映、試作と工程の流れは示されるが、中長期の課題検証やスケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    3Dプリンタによる樹脂モデルの活用は書かれるが、分野の普及度や高付加価値化の水準についての記述は少ない。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用2

    自動車や産業用ロボット業界への販路拡大が予定とあるが、波及効果や雇用創出への言及は乏しい。

  • 費用対効果4

    コスト削減率2.2〜8.4%や方案策定時間の削減率90%など、投資に対する効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    3Dプリンタという先端技術の活用は書かれるが、サプライチェーン全体への貢献や新ビジネスモデルは述べられていない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    金型不要の成型の時代に向けた取組とあるが、日本経済の構造転換への言及は具体性がない。

  • 地域経済への波及2

    地域の経済成長や雇用創出への言及はなく、地方立地の不利を補う取組とわずかに読み取れる程度。

今後の展望

この結果をもとに、自動車や産業用ロボット業界を中心に販路を拡大していく予定である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。