ものづくり補助金平成24年度長崎県

宇宙機器の軽量化に寄与する3次元CAD・CAM部品加工システムの導入

有限会社猪口鉄工所

この事例のポイント

  • 宇宙機器向けの小さく精密な部品で、従来の加工プログラムソフトではクライアントが求める曲面加工や複雑な形状に対応できない事案が多く発生していた。
  • 三次元CAD・CAMシステムを導入し、精密かつ難削材部品の一体構造化加工に対応できるようにした。
  • コンピュータ制御により加工面が美しく仕上がるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社猪口鉄工所
所在地長崎県 長崎市
業種業務用機械器具製造業
技術分野高機能化学合成
従業員数27人
資本金1,000万円
設立1981年

事業の背景

宇宙開発事業は世界中で研究が進み、宇宙機器分野は飛躍を遂げている。宇宙機器にはより精密さが求められる小さな部品があり、ロケットや科学探査機は宇宙空間で修理や交換ができないため、地球上とは異なる過酷な環境に耐える精密さが必要とされる。図面との寸法誤差はわずか0.001mmしか許されない厳しい世界である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力宇宙機器向けの小さく精密な部品で、従来の加工プログラムソフトではクライアントが求める曲面加工や複雑な形状に対応できない事案が多く発生していた。
  • 人手・技能その都度不具合を手作業で対応しており、作業時間のロスに加え熟練技術者が従事しなければならないという問題があり、限界を感じていた。
  • 納期・工程自社で対応できない場合は加工プログラムを外注しており、納期が遅れるリスクがあった。

やったこと

三次元CAD・CAMシステムを導入し、精密かつ難削材部品の一体構造化加工に対応できるようにした。これまで外注していた加工プログラムを自社で扱えるようにし、納期遅れのリスクを減らした。加工素材量を少なくすることで、貴重な高合金鋼資源の節約にもつなげた。工期や納期の短縮、精度の向上を目指し、宇宙機器分野での競争力を磨いていく。

事業の効果

コンピュータ制御により加工面が美しく仕上がるようになった。これまで機械加工後に手仕上げが必要だったが、機械加工だけで十分な精度が得られるようになった。宇宙機器はプロジェクト進行中に改良が継続的に行われるため、部品形状の変更要求に素早く応えられるようになり、工期短縮も期待できる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決不具合の手作業対応、作業時間のロス、技術者への依存という課題を認識し、CAD/CAM導入で解決を図る流れが示されている。

伸びしろがあった観点

  • 1
    地域経済への波及地域の特性を活かした事業との記述はなく、所在地の表記があるのみである。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    従来ソフトの限界を手作業で補ってきた経緯があり、宇宙機器分野での競争力強化を掲げているが、過去の取組との連続性は詳しく書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    宇宙機器分野での競争力強化を掲げているが、市場動向や自社の強み・弱みの具体的な分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    不具合の手作業対応、作業時間のロス、技術者への依存という課題を認識し、CAD/CAM導入で解決を図る流れが示されている。

事業の実現可能性2.4
  • 付加価値・賃上げの目標2

    工期や納期の短縮、精度向上を目指すとあるが、付加価値や賃上げの数値目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    熟練技術者への依存が課題とされているが、補助事業を遂行する人材配置や体制の具体的な記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    宇宙機器向けの小型部品で、曲面や複雑形状に対応できない顧客ニーズが多いことが示されている。

  • 事業化までの道筋2

    形状変更への迅速な対応や工期短縮が求められる点は示されるが、遂行スケジュールや手順の記述は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    宇宙機器部品で0.001mm単位の精度や難削材の一体構造化加工に取り組む、高付加価値な領域であることがうかがえる。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    宇宙機器分野の競争力強化を掲げるが、雇用創出や波及効果など国が補助する理由は書かれていない。

  • 費用対効果2

    コストダウンや精度向上を挙げているが、補助金額に対する付加価値増加などの数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    3次元CAD・CAMによるコンピュータ制御加工と、外注削減による内製化が示されているが、業界全体への貢献は書かれていない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出3

    宇宙開発という成長分野への進出を図っているが、日本経済の構造転換への言及は書かれていない。

  • 地域経済への波及1

    地域の特性を活かした事業との記述はなく、所在地の表記があるのみである。

今後の展望

工期短縮を活用して受注を確保し、宇宙機器分野での競争力を強化していきたい。

業種と困りごとが近い成果事例

岡山県平成24年度

多品種小ロット、短納期の生産体制を実現

生産工程を改善するため、高性能の研磨設備を2台導入し、消耗品・部品を共通化するとともに、1台に不具合が生じても生産に影響が出ないようにした。

効果:塗装の乾燥時間 2日→0.67日

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。