ものづくり補助金平成27年度製造業群馬県

3D データ積極活用による金融・情報端末向け精密板金加工プロセス革新と生産性向上

株式会社林製作所

成果曲げ工程の加工時間(1部品あたり平均) 410分→250分

この事例のポイント

  • 顧客から多品種少量の部品をさらに多く委託したいという要望があるが、現在の生産能力では納期と品質の面で対応しきれない。
  • ネットワーク対応ベンディングマシンを導入し、既存の3次元CADシステムとの互換性を確保した。
  • 曲げ工程の加工時間(1部品あたり平均) 410分→250分。曲げ工程の生産性が向上し、テスト加工の時間短縮率48%、生産性1.92倍と目標を達成した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社林製作所
所在地群馬県 高崎市
業種業務用機械器具製造業
技術分野情報処理,精密加工
従業員数48人
資本金3,000万円
設立1947年

事業の背景

当社は精密板金加工技術を用い、約100社の取引先から月3,000種類、月産総数6万点の部品を受注・生産している。その大半は小ロットの生産である。主要取引先からは、多品種少量品の高難易度・高品質な部品加工と、市場投入スピードを上げるための短納期化・生産の効率化の要望がある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑顧客から多品種少量の部品をさらに多く委託したいという要望があるが、現在の生産能力では納期と品質の面で対応しきれない。
  • 生産能力曲げ工程のマシンが旧タイプで3次元CADを活用できず、生産性の向上を妨げている。
  • 納期・工程工場全体の効率化と負荷の平準化が必要だった。

やったこと

ネットワーク対応ベンディングマシンを導入し、既存の3次元CADシステムとの互換性を確保した。蓄積してきた3次元CADデータを活用して曲げ加工プログラムの自動生成を可能にし、テスト加工品10アイテムを製作して運用テストで検証した。工場管理ソフト「V-Factory」を導入して工場の稼働状況を事務所からリアルタイムで可視化し、当社独自開発の生産管理システム「HPMS」と連動させて、ネットワークを活用した独自の精密板金部品の短納期生産システムを構築した。

加工機ネットワーク対応ベンディングマシン(ハイブリッド式)
ソフト工場管理ソフト「V-Factory」

事業の効果

  • 曲げ工程の加工時間(1部品あたり平均) 410分→250分
  • 時間短縮率48%(目標40%)
  • 生産性 1倍→1.92倍
  • 5年後に1億2千万円程度の売上増、25%アップを見込む

曲げ工程の生産性が向上し、テスト加工の時間短縮率48%、生産性1.92倍と目標を達成した。工場内ネットワークを活用した独自生産システムにより、事務所から稼働状況をリアルタイムで確認でき、担当者の負荷が減って業務工数の削減につながる見込みである。金融・情報端末機向け精密板金部品の短納期対応と受注拡大が可能になり、同顧客からの受注額の倍増を目指す。5年後には売上を25%、約1億2千万円増やす見込みである。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性2

    過去の設備投資の積み重ねに触れるが、経営戦略上の位置付けは事例からは明確に読み取れない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    約100社・月3,000種類・月産6万点の受注実績と主要取引先の要望は読み取れるが、競争優位の根拠は具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決5

    曲げ工程の旧タイプ機が3次元CAD非対応という課題を特定し、テスト加工時間を410分から250分へ4割削減した数字がある。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    テスト加工率48%(目標40%)、生産性1.92倍(目標1.7倍)の目標と実績が示され、5年後の売上増1億2千万円も記載されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員48人や独自の生産管理システム開発の記載はあるが、補助事業を遂行する体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    金融・情報端末機や高圧電力機器向け精密板金部品という顧客ターゲットと、多品種少量・短納期のニーズが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋4

    テスト加工から運用拡大へ進める工程と、運用が進まず目標147分に届かなかった課題が示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    精密板金の多品種少量・短納期化という高付加価値化を目指すが、市場認知度や高価格化の水準は事例からは読み取れない。

公的補助の必要性73%
  • 波及効果・雇用3

    火力発電やメガソーラー、風力など新エネルギー分野の需要増に触れるが、波及効果や雇用創出の数字は示されていない。

  • 費用対効果4

    生産性1.92倍や5年後の売上増1億2千万円(25%アップ)など、投資に対する効果の数字が示されている。

  • イノベーションへの貢献4

    3次元CADデータ活用とネットワーク対応機器、工場管理ソフトを連携させた独自生産システムというデジタル活用が具体的に書かれている。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    高崎市の所在地は書かれているが、地域の特性を活かした経済成長への寄与は事例からは読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

金融・情報端末機や高圧電力機器分野で需要が増えており、国内外の火力発電所に加え、メガソーラーや風力発電など新エネルギー分野での需要増も期待される。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。