ものづくり補助金平成24年度長崎県

YAGレーザー溶接機導入による歪み克服と生産性向上

長建工業株式会社

この事例のポイント

  • 薄い金属板は熱で歪みが生じやすく、従来のTIG溶接機ではt1.0以上でないと溶接できず、歪みも大きかった。
  • 従来のTIG溶接機に代えてYAGレーザー溶接機を導入した。
  • YAGレーザー溶接機は熱による材料の変化が少ないため、従来機に比べて仕上がりが美しくなった。

事業者のプロフィール

事業者名長建工業株式会社
所在地長崎県 西彼杵郡時津町
業種金属製品製造業
技術分野切削加工
従業員数66人
資本金2,500万円
設立1973年

事業の背景

同社は船殻内の空調・換気・排煙用ダクトを製造し、長崎造船所で建造された客船2隻のダクト総延長3万6000mのうち半数以上の製造に関わってきた。設計から納品まで一貫生産でき、金属の切断、曲げ、製罔、溶接、塗装を自社で行う。主な取引先は大手造船所で、より質の高い船舶用ダクトを求められるようになっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度薄い金属板は熱で歪みが生じやすく、従来のTIG溶接機ではt1.0以上でないと溶接できず、歪みも大きかった。
  • 生産能力歪み取りや溶接に時間がかかり、主な取引先の大手造船所が求める質の高い船舶用ダクトを自社で十分につくれず、当初は県外に外注していた。
  • 新製品・新技術今後さらに需要が増えると見込まれるため、最新の溶接機を導入する必要があった。

やったこと

従来のTIG溶接機に代えてYAGレーザー溶接機を導入した。目標は、t1.0以下の薄板を溶接できるようにし、溶接による歪みを縮小することである。導入後は主力商品である角ダクトを製作し、今後高まる仕様の多様化やニーズに応えながら受注の確保を目指した。

事業の効果

YAGレーザー溶接機は熱による材料の変化が少ないため、従来機に比べて仕上がりが美しくなった。歪みは約50%抑えられ、加工時間も大幅に短縮して生産性は飛躍的に向上した。その結果、県外からの薄板加工の受注も増えている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.5 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決薄板溶接の歪みと外注依存という課題を示し、YAGレーザー導入で歪み約50%減・加工時間大幅短縮という対策が具体的に書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    これまでの取組との一貫性船舶用ダクト製作の強みや主力の角ダクトに触れるが、事業戦略上の位置づけや過去の取組との一貫性は読み取れない。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性2

    船舶用ダクト製作の強みや主力の角ダクトに触れるが、事業戦略上の位置づけや過去の取組との一貫性は読み取れない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    設計から塗装まで一貫生産が可能という強みと、大手造船所からの品質要求が書かれているが、競争優位の説明は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    薄板溶接の歪みと外注依存という課題を示し、YAGレーザー導入で歪み約50%減・加工時間大幅短縮という対策が具体的に書かれている。

事業の実現可能性2.4
  • 付加価値・賃上げの目標2

    歪み約50%減や生産性向上は書かれるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    職人の技術や長年の経験に触れるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    県外からの薄板加工受注の増加や取引先の要望は書かれるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋2

    半導体や建築板金への挑戦という今後の方向は示されるが、スケジュールや課題解決方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性2.0
  • 新しさ・高付加価値2

    薄板のYAGレーザー溶接で歪みを抑える点に触れるが、分野の普及度や高価格化の根拠は示されていない。

公的補助の必要性2.5
  • 波及効果・雇用2

    県外外注から県内回帰し、造船業以外の半導体や建築板金へ広げる構想が書かれ、地域経済への言及がうかがえる。

  • 費用対効果3

    歪み約50%減と加工時間短縮、県外受注増が書かれるが、投入額に対する付加価値増の数値はない。

  • イノベーションへの貢献ー

    公開情報では判断できません。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    長崎県時津町の製造業として県外受注を伸ばす点に触れるが、地域特性を活かした雇用創出の記述は乏しい。

今後の展望

今後は技術にさらに磨きをかけ、造船業にとどまらず半導体や建築板金など異なる分野にも挑戦したいとしている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。